日本会議へのメッセージ

             

             
西尾幹二は毀誉褒貶が激しい人だ。
僕が西尾を初めて知ったのはニーチェの訳者としてだった。中島義道が最上のニーチェ学者だと褒めていたが、サヨクだった僕はその後西尾のつくる会での活動を知って複雑な気分だった。ただ当時から内容とは別に氏が政治的遠慮無しにものを言う態度は嫌いではなかった。原理的に発言するため、論旨が明快で首尾一貫しているのが気持ちよかった。
で、最近西尾が「みんなで靖国神社に参拝する国民の会」の発起人に就任して、日本会議に寄せたメッセージがこれである。

弁解、釈明、反論などの 「罪」を前提にした議論をすべて止めよう
                      
日清戦争以来の日本の戦争が中国を一国として保全し、
             
韓国と台湾その他に現代文明を与えた
           
アジアの歴史の母であることを前提にした議論を、
           
政治家が国際舞台で当然のごとくに語るように導こう。

TITLE:日本会議へのメッセージ:西尾幹二のインターネット日録
URL:http://nishio.main.jp/blog/archives/2005/06/post_186.html

日本会議にメッセージを送る時点で右翼反動という点は取り敢えず置くにしても、このメッセージには奇妙な感慨を受けた。
僕の基本的な歴史認識への態度は荒巻義雄氏のものと同一だ。「良いも悪いも含めて全部ハッキリさせよう。そうすることによって無意識の罪悪感を精算して堂々と生きゆこう。」というものだ。
言い訳としての歴史認識ではダメなのだという点が、僕と完全に一致している。
ただその後に続く部分は夜郎自大じゃないか?という懸念は抜けないが。。。
確かに近代日本は健気にがんばった。だが、残念ながら日本は属国でもあったし、今もそうなのだ。その苦い認識を甘受するのが真の自立というものだろう。