世界史の中の朝鮮史

    
朝鮮史なんて世界中で韓国・朝鮮人以外ほとんど知らない。
関係の深い日本人ですら知らないのだからまして西欧人をや。
だから朝鮮・韓国人がワーワー騒げば取り敢えず「ああそうですか」となるけれど、嘘はいつまでも続かない。
特に日本と関係する部分で矛盾が表面化し外国に出た韓国人に葛藤が生じているのはご存じの通り。
 
そもそも客観的でないファンタジーに基づくIdentity・現実認識は現実適応能力を低める。
元気になれれば良いというのは短絡的な考えで結局は悪影響を与えるのは日本自身戦中の極端な皇国史観で懲りているところ。
だから韓国の弱体化を喜ぶひとは寧ろ彼らの「正しい歴史認識」というファンタジーを歓迎すべきなのだ。
しかし韓国の中でもそういったあり方が結局不利益にしかならないと気がついた人はいる。
狂信的洗脳でキャッチアップすればいい時代は終わった。これからは市民社会の成熟が国際競争力に繋がってくる。
心配しなくてもやがて韓国は歴史認識の現実的修正を進めるだろう。
   

「今の韓国史教育は鎖国化教育」
 

 
崔文衡・漢陽大名誉教授
「義兵抗争で韓国併合を遅らせた? 米ロが日本をけん制したからだ」「韓国史は世界史の中で見なければ」
  
 「1905年の乙巳勒約(第2次日韓協約)後、日帝が韓国を併合するまで5年かかった原因が、韓国の義兵運動だったと教科書に書いているが、これは説得力がありません。このような歴史教育の“鎖国化”が、正しい歴史認識を妨げています」
 
 崔文衡(チェ・ムンヒョン)漢陽大名誉教授(75)は、2000年に定年退職した後、以前にも増して精力的な活動を繰り広げている。西洋史を専攻した崔教授は、『韓国をめぐる帝国主義列強の角逐』(01年)、『国際関係から見る日露戦争と日本の韓国併合』(04年)、『ロシアの南下と日本の韓国侵略』(07年)など一連の著作を通じ、世界史の中で韓国史を観察することを主張した。
 
 今週出版された『韓国近代の世界史的理解』(知識産業社)において、崔教授は、現行の高校教科書を用いた歴史教育は、「鎖国化教育」だと声を上げた。
崔教授は05年、左派寄り教科書として議論になった金星出版社の『高等学校韓国近現代史教科書』と、これを批判し08年に出版された教科書フォーラムの『代案教科書』の双方を批判した。2つの教科書は、どちらも外部勢力に絶対的に左右されていた韓国近代の特性を無視し、韓国史に限定して記述しているという。
    
 「金星の教科書は、6ページに渡って詳細に義兵活動を説明し、日帝が韓国を完全に併合するまで5年もかかったのは義兵抗争のためだ、と書いています。清とロシアを退けた日本が、補給もきちんと受けられなかった義兵のせいでそれほど時間がかかったというのは、事実と異なる話です」。崔教授は、日露戦争直後に「既定化」した韓国併合が5年も遅れた理由は、ロシアが米国と協力し満州から日本の勢力を追い出そうとするなど、ロシアと米国による対日けん制を克服するのに時間がかかったからだ、と説明した。
 
崔文衡・漢陽大名誉教授は、「韓国の近代史は、韓国の地で繰り広げられたことだけで評価できるものではなく、世界史の広い地平から見なければならない」と語った。
 
 また崔教授は、『代案教科書』が安重根(アン・ジュングン)による伊藤博文初代韓国統監の狙撃を記述するに当たり、「(狙撃)以後、併合論はさらに強化された」と書いているが、これは歴史的事実ではない、と語った。韓国併合は、伊藤博文と桂首相の同意を経て、1909年7月6日の閣議で既に確定したことだった。安重根の狙撃で併合論が左右されたのではないという。
 
 「露館播遷」でロシア公使館に移っていた高宗がその後王宮に戻った理由について、金星の教科書と代案教科書は、どちらも「国民と独立協会が国王の帰還を積極的に要求したから」と記述しているが、これは韓国の近現代史を専攻する者が克服できない「外因論否定」に基づく記述だ、と崔教授は語った。崔教授は、「韓国の代表的な国史学者らも、このように記述するが、独立協会の要求で国王が王宮に戻ったとか、韓国国民の抵抗だけでロシアを退けたとかいうのは、“ナイーブ”な解釈」と語った。実際は、ロシアが自国の利益のため、高宗の支援要請に対し微温的に対応し、これに失望した高宗が王宮に戻ることを決定した、というわけだ。
  
 「韓半島朝鮮半島)をめぐる列強の動向をきちんと理解しなければらない、という一例です。当時、力がなかった韓国はどうすることもできなかった、ということをきちんと理解してこそ、自分たちも力を備え、外部勢力に対応しなければならない、という歴史認識が生まれます。自分たちの意向通りに決定したと虚勢を張るのでは、未来はありません」。崔教授は、「自分たちの歴史の主体的力量を強調する余り、国際情勢を無視し、歴史的事実のつじつまを合わせようとしている。同僚の学者を批判することは難しく、
かなり悩ましいことだが、誤った歴史教育だと知りながら放置はできず、本を書いた」と語った。
   
李漢洙(イ・ハンス)記者
朝鮮日報朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2010/08/15 11:16:43
http://www.chosunonline.com/news/20100815000023