ソブリン危機――歴史的難局の選択肢
【第13回】 2011年9月28日
世界経済失速にどう立ち向かうか(下)
最大の懸念は先行きの見えないユーロ危機 日本の課題は短期の財政活用・長期の財政規律――京都大学公共政策大学院教授 
翁邦雄
http://diamond.jp/articles/-/14180
(略)
しかし、市場の疑心暗鬼にさらされ、多くの先進国が自国の国債の信認維持に本当に躍起となっているいま、「市場の日本国債消化能力は限界、日本は財政規律を放棄した」と受け取られかねないシグナルを送るリスクは、極めて大きいでしょう。
(略)
 日本の財政政策についていえば、東日本大震災が起こった結果、大きな財政需要が出ている。これは意味のある投資案件を抱えているともいえます。無駄ではない、国民が納得できる投資なので、内需の核になりうる。しかも復興需要ということで短期・一時的と整理できる。問題は、この財政需要の高まりと、長期の財政規律を両立できるかということです。
(略)