蟻族の実態


なんだか少数民族のひとつみたいだなw
蟻族ってのは「大卒だけどまともな職に就けていない人たち」って意味だったはずが、今回調査で大卒比率50%とかいってる。定義変えるなよw

<基本認識>
中国全体14億人の平均年収は1.8万元≒3000ドル。
中国農村部9億人の平均年収は1万元。
中国都市部5億人の平均年収は3万元。
都市部内訳ブルー7割2万元/ホワイト3割6万元とみる。(月収では1500元/5000元)

したがって「高学歴ならブルーカラーの3倍稼げたはずなのに」というのが蟻族の本質かと。
他方鼠族も例に上がったカップルの世帯収入は4000元でけして貧乏ではない。
家賃を抑えて貯金するというのが本質だ。
旧共産圏では下水道に住んでいるホームレスが結構いるけどそういうのとは違う。
日本だって16?しかないワンルームに住む人は膨大にいるんだから、「防空壕」というのは特殊だけど(笑)、そんなにヘンな話じゃないだろう。
 
しかしブルーカラーの2000元が貧乏の目安になっているのは確かなようで、これが日本で言う年収300万円世帯にあたるんだろう。
現在レート「1ドル=6元=80円」では30万円はちょうど日本の10分の1だ。
ところで韓国で貧困層といえば「88万ウォン世代」などといわれるが、これは75万円程度だ。
日韓中の貧乏レベルは、300万円:75万円:30万円=10:2.5:1、になる。
ところがソエジーのいうように「1ドル=2元=60円」になるとすれば、中韓の貧乏レベルは同じになる!
日韓中の貧乏レベルは、300万円:75万円:75万円=4:1:1、になる。
   
追記)
因みに中国では共稼ぎが普通だというのでホワイトカラーの世帯収入ではいまでも12万元あることになる。
現在は150万円くらいだが、為替が変われば360万円だ。日本世帯下位60%(3500万世帯)と同レベルだ。
しかも都市部の世帯構成人数は3.5といわれるからホワイトカラー世帯数は4000万世帯。
こりゃ大マーケットですな。

2011年1月7日(金)
“蟻族”に続いて“鼠族”が出現
防空壕を改造した地下室に居住する低所得者の群れ
北村豊

(略)
 実地調査は北京、上海、広州、武漢西安重慶、南京の7大都市を対象地域に設定し、2010年3月から8月までの半年間で5000人以上にアンケート調査を行って4807人から有効回答を得たもので、その分析結果が報告の内容である。 (略)
【1】大学卒業者は“蟻族”全体の半数を占め、職業学校の卒業者は比較的少ない。“蟻族”全体に占める大学卒業者の比率は2009年の31.9%から2010年の49.8%へと増大した。
【2】2009年10月出版の『蟻族』の調査結果と比較すると、“蟻族”全体に占める“211重点大学”卒業者の比率は、2009年に10.8%であったものが、2010年は28.9%に増大した。(略)
【3】大学院卒業の学歴を持つ“蟻族”の比率は、2009年に1.6%であったものが、2010年には7.2%に増大した。(略)
【4】30歳以上の“蟻族”の比率は、2009年に3.1%であったものが、2010年には5.5%に上昇し、年齢の上昇傾向が顕著となっている。(略)
【5】4807人の有効回答を集計した結果、“蟻族”の平均月収は1903.9元(約2万4800円)で、月収2000元(約2万6000円)以下が全体の64.1%を占めていた。調査によれば、“蟻族”の8割はフルタイムの職に就いており、失業率は2009年に18.6%だったものが、2010年には10.1%となり、大幅に改善されている。
【6】毎月の平均支出は1867元(約2万4300円)である。その内訳は、食費:616元(約8000円)、家賃:411元(約5300円)、交際費:342元(約4500円)、通信費:102元(約1300円)などであり、食費と家賃は2009年に比べて大幅に増えている。なお、部屋には台所とトイレは無くても差し支えないが、インターネット接続だけは不可欠なのだという。
(略)
 ところで、中国では“蟻族”に続いて、“鼠族”という新たな種族が出現しているのである。“鼠族”とは、地下室を借りて生活する人々を指し、「ネズミ」と同様に地下で生活することから名付けられたものである。
(略)
 11月14日付のシンガポール紙「ザ・ストレートタイムズ(“海峡時報”)」は、“鼠族”は北京市内に100万人、北京郊外に約450万人いるとし、これらを合わせると約900万人と言われる北京の外来人口の半分以上を占めると報じている。
(略)
 22歳の石さんはショッピングセンターの案内嬢であり、婚約者の郭さんは運輸会社の運転手。2人はショッピングセンターから2キロほど離れた団地の地下室で生活している。広さはキッチンなしで8平方メートル、家賃は月額450元(約5900円)と安い。夜6時頃、勤務を終えた帰りがけに食材を買った石さんは、地下室の自宅に戻ると料理の準備をし、郭さんの帰りを待って鍋を火にかけて調理を始める。地下室での炊事は禁止されているが、数十室からなる地下住宅街では規則を守る者は誰もいない。
(略)
 「地下室」に住んでいるからこそ貯金も出来るし、勤務先にも近い。地上で安い住居を探すとなれば、北京郊外に移らざるを得ず、通勤にも多大な時間が必要となる。「地下室」の明け渡しを求められたらどうしよう。北京の“鼠族”たちは、家賃が安くて交通に便利な次の住み家を求めてさすらうことになりそうだ。
(略)



高級人材の平均的な給与待遇上海などの沿海部では、高級人材の平均的な給与待遇として以下のようなデータを提供しています。 (2007)
http://www.smbc-consulting.co.jp/company/solution/oversea/oversea_590.html
◇高級管理職(5年以上の勤務経験)    平均月額給与:8000〜1万  人民元 (9000→12000)
◇研究開発職(5年以上の勤務経験)    平均月額給与:6000〜8000 人民元 (7000→10000)A
◇高級技術者(5年以上の勤務経験)    平均月額給与:4000〜6000 人民元 (5000→7000) B
◇一般管理職・技能工(5年以上の勤務経験)平均月額給与:2000〜4000 人民元 (3000→4000)
◇生産ラインワーカーの平均月額給与:800〜1500 人民元           (1000→1500)

(にゃんこのコメント)
年率10%で賃上げしたとしてざっくり現在イメージを付記してみた。
一般大卒初任給は2000-4000元というからだいたいこんなもんだろう。
で、日本でもよく使う40歳平均の大卒中間層の給与は、ABの中間値をとって9000元とみる。
ワーカーの5倍くらいということで妥当じゃないかな。