倉敷人権処分

   

    
漏れの母は漏れが子供の頃「自分の努力でどうにもできないことで人を非難するのは卑しいことだ」と教えてくれた。
したがって漏れは差別に反対だ。
  
他方内面の自由は完全に尊重すべきと考えている。
すると問題が起こる。
差別意識も自由意志の一つだからだ。
  
内面まで管理しようとしたら「良いファシズム」である。
どう考えるべきか。
   
公人・公共体による差別を法的に禁止することで線を引く、というのが漏れの答えだ。
私事であるかぎりそれを裁く権利はない。
ただ言論に訴えるのみだ。
公共空間に係わる人間は本心はどう思っていようと憲法の期待する理想的人間を役割演技しなければならない。
 
では、公務時間外の公務員について、公務関係者であること理由に内面を裁くことが出来るのか?
やっぱり認めてはならないだろう。
少なくとも公務関係者であるということを理由にしてはダメだ。
一市民として民事で裁ける内容かどうかだけを問題とすべきだ。
ところが下記の事件は公務員という「身分」を理由に私事・内面を裁いたものである。
宗教裁判さながらの越権行為だ。
イイコトなら越権行為をしてもいい、と考えた人間はファシストだ。
糾弾者はいてもいい。
しかし公共体=市役所がそれに反応してはいけないのだ。
こういう近代人の原則をなげうつ良い子ブリッコに人権主義の堕落の一例を見た気がする。
人権擁護法案などというものが成立したらこの100倍・1000倍の恐怖政治=空気支配が蔓延することになるだろう。
すべての表現は自由である。すべての感情は自由である。差別犯罪も含めて、内面は罰せられない。
これが理解できないのは近代人ではない。
   

倉敷市消防局:「著しい人権侵害」 消防職員懲戒免職、父も停職 /岡山
 倉敷市消防局は30日、「著しい人権侵害があった」として水島消防署勤務の男性職員(26)を懲戒免職、男性の父親の児島消防署職員(53)を6カ月の停職と一般職への降格としたほか、上司7人を戒告などにしたと発表した。処分は同日付。
 
 同消防局によると、男性は約2年前、当時交際中の女性と交わしていた結婚の約束を一方的に破棄。女性から父親の勤務先の消防署に「人権侵害だ」と苦情があり、同消防局などが調査。女性への差別が明らかになったという。詳細について同消防局は「女性の要望があり、明らかにできない」としている。伊東香織市長は「誠に遺憾で、職員教育を一層徹底する」とコメントを出した。【石井尚】
 
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20091201ddlk33040603000c.html