2011年、NHKのスクランブル化を!
以前にも書いたように、漏れはNHK自体は嫌いではない。
余計なことをせず淡々と国民生活に必要なニュースや生活知識を提供し、
大河ドラマやのど自慢といった国民的な娯楽教育番組を作成してくれればいい。
アナクロで良い。民放のような騒々しさがないことが存在価値なのだ。
ただし、国民に等しく情報を提供するのが務めなのだから金銭を徴収してはいけない。
ましてや国民が望みもしない押しつけがましい扇動番組などつくってはならない。
問題は料金を強制徴収しておきながら独善的な番組を押しつけること、国民に選択肢がないということなのだ。
放送法がつくられたのは1950年、NHK以外の放送局はなかった。
テレビ放送がはじまるのは3年も後のことで、ラジオの民間放送すら存在しない。
この放送法によってNHKの強制的な料金徴収が認められた。
ラジオ局がNHKしかないのだから、ラジオを持っている人は必ずNHKを聴いていることになる。
したがってラジオ(受信設備)を持っている人は必ずNHKと契約し料金を支払うものとされた。
ところがすぐに矛盾が発生する。
1951年にラジオの民間放送が開始されると、NHKを聴かない人もNHKに料金を払うことになった。
1953年にテレビ放送がはじまったときはNHKも民放も同時であった。
放送法はテレビにも準用されたのでますます矛盾は拡大した。
このとき矛盾を隠蔽するためにNHKが喧伝したのは公共放送としての特別な役割であった。
民法と違いNHKは営利に基づかず国民に必要な情報を全国に報道する使命があるのだからCMを挟めない以上費用徴収はやむを得ないという理屈である。
アナログ電波がその性質上受信者を特定できないことが一律徴収の正当化に根拠を与えた。
しかし2011年、地上波デジタル放送が始まる。
地デジでは放送局は受信機を通じて視聴者の受信状況を把握できる。
それならNHKの料金徴収は原則通り視聴者だけに限るべきである。
そこで、NHK改革の第1の目標は、
・NHK非視聴者からの受信料強制徴収の廃止
とするべきである。
これはもともとの矛盾を解消するだけだから文句はないはずだ。
ただ、これだけではNHKの公共放送性を維持できないと不安になる国民もあるかもしれない。
そこで第2の目標はこうしよう。
・NHK番組の無料放送と有料放送の分離と、有料放送のスクランブル化。無料放送への国庫補助。
これによって、国民生活に必要な番組については無償化する。
公共放送を標榜しながら貧困者からも料金を強制徴収していたこと自体が誤りだったのである。
本当に必要な番組は国庫から直接補助すればよい。国民の知る権利は無償で守られなければならない。
これによって年間800億円を要する受信料強制徴収業務も合理化できる。
しかし、NHKの好きに作成する放送部分については受信契約を個別に結び料金徴収することになる。
NHK番組に問題を感じる契約者は契約を解除すれば良い。
このように分離することで、公共放送の維持と、民間放送としての健全な経営チェックが担保される。
自由契約にすればNHK職員が高給をはんでいても文句はないだろう。
しかし、私人間契約だとしてもあまりの高料金は批判されることになるだろう。
平成不況のまっただ中、特殊法人のNHKはお手盛りの高給をエンジョイしている。
世帯平均収入が550万円の日本国に於いてNHK職員1万余名の平均人件費は1800万円近い。
公共放送を標榜するなら視聴料の大幅減額とNHK職員待遇の大幅合理化は必須である。
したがって、NHK改革の最後の目標は、
・NHK職員の給与大幅引き下げと視聴料の減額
としよう。
NHK解体運動は、放送内容への抗議という個別モグラたたきを超えて、腐敗を生んだ強制徴収制度という構造的欠陥の改革へとつなげるべきである。
追記)
じつはスクランブル化がNHKの墓穴だということはNHK自身よくわかっている。
無償で受信できてしまうことが強制徴収の根拠になっているのからだ。
だが既にBS放送は有償放送になっている。地デジ化後に地上波チャンネルも同じようにすればいいだけの話だ。
しかしそうするとそもそも論が再浮上する。
NHK受信料が払えない人はテレビやラジオのデジタルデバイドを甘受しなければならないのか?
したがって最低限必要な報道は無料にし、そのためには国庫補助をすべきだ。
そして国庫補助を受けるなら職員給与は抑制されるべきである。
みなさまのNHKがスクランブル化!?
規制改革会議が制度見直し検討
政府の規制改革会議で「受信料見直し」が検討されるNHK。橋本元一会長はどうする!?
政府の規制改革・民間開放推進会議は7月末にまとめる中間報告に、NHKの受信料制度の見直しを加える方向で検討に入った。総合テレビなどの地上波放送を、受信料を支払った世帯にだけに見せる「スクランブル化」の実現に向けた議論を深めるというが、大ブーイングは必至か。
「放送法には矛盾が多い。受信料をテレビを見た対価と考えるならあり得るでしょう」。こう語るのは放送評論家の志賀信夫氏。
スクランブル化の検討は30日付の朝日新聞朝刊が報じた。
NHKの受信料は放送法32条で「テレビ受信機の設置と同時に受信契約義務が生じる」とされている。公共放送に必要な経費を公平に負担する考えからだが、矛盾や不公平感が多いのも事実。
メディアが多様化する中で、NHKだけが放送を見た見ないを無視して受信料を“税金”のように徴収することは、本来、メディアや放送内容を自由に選択する権利を持つ国民から理解されにくくなっている。
これまでNHKはスクランブル化に否定的見解を取ってきたが、その背景には「受信料収入が不安定となり、計画的な番組作りができなくなる。視聴率を気にして番組の質も落ちかねない」という局内の不安が指摘される。
ただ、一連の不祥事で受信料不払いは平成16年度末で74万件に達していることから検討の余地もありそうで、視聴者からの反応は厳しいものになりそうだ。
ZAKZAK 2005/06/30