明治4年5月にやっと貨幣制度が成立した。
金本位として1円=1両=1ドルである。
ちなみにそれは金1.5グラムと兌換できたそうだ。
だから1円金貨には1.5グラム相当の金が含まれている。
いまは1グラム3000円≒30ドルくらいだから、円の価値は4500分の1、ドルの価値は45分の1になったことになるね。
さてここからは貨幣の体感価値の考察。
【幕末】5万円(スタート)
ハイパーインフレのせいで1両の価値は幕末には20→5万円くらいまで墜ちていた。
幕末ってのは1853年の黒船来港からの15年ね。
物価急騰は後半10年くらいとして単純計算で年率15%のインフレ。
【明治】5万円→1万円(1/5)
というわけで明治は1円≒1ドル5万円からスタートしたが、
明治末当初の1円金貨は2円として流通したとか。
物価自体が高騰しているから、ざっくり貨幣価値は50年で1/5になったというイメージ。
単純計算で年率3%のインフレ。
【大正】1万円→5000円(1/2)
第一次大戦後のインフレで通貨価値が1/5に!
幕末から60年で累計1/10。
月給100円サラリーマンはこのころ。(年収1200円≒600万円)
【戦中】5000円→2500円(1/2)
1937年の戦争中のインフレで貨幣価値は半減。1ドル=2〜4円。
兵士の給与は15円。当初8万円のイメージが最後には4万円!。
まぁ、いまでも刑務所の作業報奨金が4000円だからなあ。
というわけで戦前累計20分の1。
【敗戦】2500円→25円(1/100)
1946年、敗戦に伴う預金封鎖新円切り替えの暴落で1/10。
闇市雑炊5円は1250円くらいの感触?
月の引き出し限度額500円/世帯は12.5万円。これはキビシイ!
その後占領期間中に更に1/10。(T^T)
1952年、独立回復時には1ドル=360円。
大卒初任給1万円。360に設定したのは円=360度からという噂。
【現在】25円→1円(1/25)
独立回復からざっくり60年で累計1/25。インフレ年率5%!
幕末からの累計で5万分の1。
1ドル=100円。
通貨価値というのは戦争があるたびに半分。負けると100分の1というのが”法則”みたい。
あとは仮に平時のインフレ率を0.5%、1971年の変動相場制移行で2倍、高度成長で2倍と措けばだいたいイメージがあうなあ。
明治〜日清戦争・日露戦争=2×2×(1.005^44)≒5
大正〜WW1=2×(1.005^14)≒2
昭和〜WW2=2×100×2×10×(1.005^83)≒5000
これらを二分金200枚(100両)とほぼ同じ素材価値を持つ円金貨100円、さらに洋銀100ドルと等価であると定めた(つまり一円金貨100円=洋銀100ドル=二分金200枚(100両))。
URL:http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_gra1-13.htm
ところで金含有量から価値を判定
1871.05.10 新貨条例 1円=金1.5g=1ドル 金1g=0.67円=0.67ドル
1907.03.29 新貨条例 1円=金0.75g=0.5ドル 金1g=1.33円=0.67ドル
1917.09.12 金兌換停止 1円=金0.75g=0.49875ドル 金1g=1.33円=1.50ドル
1930.01.11 金兌換再開 旧平価(同上)
1931.12.17 金兌換停止1934 1円=0.29ドル
1945.12 金1オンス=35ドル 金0.89g=1ドル 金1g=XXXX円=1.13ドル
1949.03.07 360円=1ドル 金1g= 405円=1.13ドル
2008 100円=1ドル 金1g=3000円=30ドル
金貨
1両
慶長小判(1601年、4.76匁、86.8%) 15.4938g
元禄小判(1695年、4.76匁、57.4%) 10.2458g
宝永小判(1710年、2.50匁、84.3%) 7.9031g
正徳小判(1714年、4.76匁、86.8%) 15.4938g
享保小判(1716年、4.76匁、86.8%) 15.4938g
元文小判(1736年、3.50匁、65.7%) 8.6231g
文政小判(1819年、3.50匁、56.4%) 7.4025g
天保小判(1837年、3.00匁、56.8%) 6.3900g
安政小判(1859年、2.40匁、56.8%) 5.1120g
万延小判(1860年、0.88匁、56.8%) 1.8744g
ドル金貨 1840-1933 1ドル =金1.504632g
ソブリン金貨 1817-1917 1ポンド=金7.322645g
ナポレオン金貨 1803-1914 1フラン=金0.290322g