- 作者: 日暮吉延
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/18
- メディア: 新書
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新書のくせに411頁の大著である。
でも平易で読みやすく良くまとまっている。
東京裁判について勉強するにはちょうど良い本だと思う。
いわゆる反動ウヨでもお花畑サヨでもない、価値中立的な、ということは真に学問的姿勢が気持ちよい。
筆者は1962年うまれ。最近この世代の学者の躍進が著しい気がする。
というか、戦前世代は独自の文明論があった。団塊世代はすっかり洗脳され、シラケ世代はゼロクリア。で、新人類世代から「敗戦ショック」にも「共産主義幻想」にも無縁な見直しが進んできた、というのが漏れの分析。そう、「戦後民主主義者」て結局独自の哲学をつくれなかった。ただただ敗戦ショックによる感情扇動しかやってこなかった。そういうのは時間が経つと蒸発しちゃうんだよ。だから団塊サヨクはダメなんだよ〜。所詮「保育器の中の政治」だったんだよなあ。
第1章 東京裁判をどう見るか
1 靖国合祀をめぐって
2 A級とBC級のあいだ
3 「文明の裁き」論と「勝者の裁き」論と
第2章 東京裁判の枠組みはいかにして成立したのか
1 「ヴェルサイユの失敗」をふまえて
2 アメリカ主導か、連合国の協調か
3 天皇不起訴と各国の思惑
第3章 連合国は何を告発したのか
1 国際検察局の始動
2 被告と訴因の確定
3 検察側の論理
第4章 日本はどのように対応したのか
1 協力と抵抗
2 弁護側の論理
3 <国家弁護>と<個人弁護>
第5章 判決はいかにして書かれたのか
1 判事団の分裂
2 判事団の再編、そして判決
3 パル判決をどう読むか
第6章 なぜ第二次東京裁判は実施されなかったのか
1 国際裁判と継続裁判と
2 マッカーサーの執念
3 裁判終結への転換
第7章 戦犯釈放はいかにして始まったのか
1 いつ、どのようにして
2 サンフランシスコ講和条約における戦犯条項
3 独立回復後の「重大国内問題」
第8章 なぜA級戦犯は釈放されたのか
1 赦免勧告の開始
2 <釈放急進論>の高まり
3 東京裁判後にあるもの
あとがき
引用・参考文献
関連年表