二酸化炭素税

   
どうもこの問題に懐疑的だ。
でもちょっと頭の整理。

日本人は平均10トン/年を排出するらしい。
一方で、飛行機にのると30kg/人1000km発生させる。
東京⇔ロンドンはちょうど1万kmだから、往復で0.6tである。
もしこれに炭素税をかけるとしたら30ドル/トンとして、2000円程度である。
一方、一般人の排出する二酸化炭素は1/8程度らしいから、1.2トンとして
4000円である。なんかちょうどいい感じ。
では産業界を代表して鉄鋼業だと、日本なら粗鋼1トンあたり1.5トン排出ら
しいので、5000円くらいになる。新日鉄粗鋼4000万トンなら3000億
円!これはすごい。ううむ。ただ、これも鉄鋼業界は絶対値よりも不平等な負担
による競争力偏差に反対なのだから、一律に課税されれば反対は少ないかもしれ
ない。ただたとえばスチールハウスと木造家屋なら、炭素税負担から素材バイア
スがかかるようなことはあるだろうが僅かなものだろう。


====================================


http://www.jccca.org/content/view/1046/786/
====================================
政府がクリーン・エネルギーへの投資を促進させる最善の方法は、二酸化炭素
出に価格を付けて汚染者に支払いをさせることだ。気候変動に関する政府間パネ
ル(IPCC地球温暖化についての合意形成のために国連の後押しで設置され
た機関)によれば、2020〜30年までに二酸化炭素1トン当たり20〜50ドルほどの価
格になれば、今世紀末までに二酸化炭素濃度が550PPM(概して安全なレベルと
される)で安定し始めるはずだ。50ドルという価格設定は、米国における石油価
格を15%ほど、電力価格を35%ほど引き上げる――最近の変動と比べると、それほ
ど激しいものでもないが。IPCCは、二酸化炭素が550PPMで安定すれば、
世界の年間経済成長率を0.1%ほど押し下げることになると見積もっている。

URL:http://www.eis-world.com/takemura/070602.html

====================================
世界の二酸化炭素排出量に占める主要国の排出割合と
各国の一人当たりの排出量の比較(2004年)

国名 国別排出量比* 一人当たり排出量*
アメリカ 22.1 20.0
中国 18.1 3.7
ロシア 6.0 11.1
日本 4.8 10.0
インド 4.3 1.1
ドイツ 3.2 10.3
イギリス 2.2 9.7
アフリカ計 3.5 1.1

出所)EDMC/エネルギー・経済統計要覧2007年版
*国別排出量比は世界全体の排出量に対する比で単位は[%]
排出量の単位は[トン/人-二酸化炭素(CO2)換算]

URL:http://www.jccca.org/content/view/1041/782/
====================================
温暖化ガス削減 鉄鋼業でCO2削減目標

世界の鉄鋼メーカーが二酸化炭素の排出削減目標を国・地域ごとに定めることで
合意した。京都議定書の期限が切れる2012年以降が対象で、京都議定書に参加し
ていない米国、中国も参加する。製鉄所の省エネで世界的に先行する日本メー
カーに技術協力を求める動き増えそうだ。同一業界で国際的な地球温暖化ガス削
減目標を定めるのは初めてで、今回の合意が「ポスト京都」に向けた他産業のモ
デルとなる可能性もある。

国際鉄鋼連盟:世界55ヶ国。地域の170の鉄鋼メーカー・団体が加盟する。
(IISI)本部ブリュッセル

粗鋼生産 1トンあたりのCO2削減目標を国ごとの事情を勘案しながら定める。

1990年度 
粗鋼生産1トンあたりのCO2排出量は  1.8トン
総排出量:  14億トン

2006年度       
1トンあたりのCO2排出量は  1.7トンに減らした。
総排出量:  21億トン

2004年度では世界全体の温暖化ガスの排出量は 265億トン

特に大きな課題となるのが2006年に世界の鉄鋼業界が排出したCO2の51%を占
めた中国での削減。今年から日本の専門技術者を中国の鉄鋼メーカーに派遣する
取り組みも始める。

溶鉱炉の中で出るガスの有効活用など、日本の鉄鋼業界が持つ省エネ技術を中国
の製鉄所に導入すると、年間 1億6000万トン のCO2削減が可能になる計算
だ。世界に導入すると年間 3億トンと、オーストラリア一国の排出量に匹敵する
CO2削減が可能になるとされ、日本の技術への期待が今後一段と高まりそうだ。
URL:http://pc3.ds-seibido-unet.ocn.ne.jp/kankyo/archives/2007/10/co2_8.html

====================================
航空機の出す二酸化炭素今まで旅客機の二酸化炭素排出源単位って自家用車より
大きいと思ってましたがそれは早とちりだったみたいです。でも、やっぱり排出
総量では航空機はすごい事になります。
情報ソース: Planet Ark(英語)

400人乗りのジャンボジェットでのシドニーからロンドンまで17,000km、23時間
のフライトの間には、プラスチックトレーで供される1600食の機内食と200トン
の燃料(軽油)が消費され、500トンの二酸化炭素が放出されます。
世界では1年間に16,000回のフライトがあり、なんと6億トンもの二酸化炭素
放出しています。これは世界全体の排出量の3.5%を占めています。現在は特にア
ジアで経済発展に伴って短距離を中心に市場が拡大しており、2050年までには、
最悪でこの割合が15%まで上がり得るという試算もあるようです。中国などは
1999年でのべ6700万人という利用者数でしたが、2014年には2億人を超えるとか
何とか‥‥。40年前の黎明期のジェット旅客機に比べれば1.7倍もの燃料効率に
なったようですが、それでも間に合うものではありません。

また、発展途上国は旅行客からの外貨が欲しいので、航空機の利用を減らすとい
うことにはきっといい顔をしないでしょう。

ところが、国境を越えて移動する旅客機からの排出は、排出している「国」が
はっきりしないためでしょう、京都プロトコルでは規制されていません。課税す
るのも同様に難しい為、燃料も免税です。環境税の有力な対象ではありますが、
やはり課税方法はかなりの工夫が要ります。
英国航空(通称BAの方が分かり易い?)は、しかしながら、独自に排出権取引に参
加したようです。イギリスといえば2002年(だったと思う)に、世界に先駆けて
排出権取引の国内市場を設置した国。この動きが各国の行政による航空業界の管
理に有効に働けばと願います。


ところで、1人を1km運ぶという単位を人キロと言い、運輸系の統計でよく使われ
ます。二酸化炭素の排出量は普通、人キロあたりの二酸化炭素排出量を炭素重量
に換算して表します(これを二酸化炭素排出原単位という)。
日本での統計によれば、航空機は自家用車の1.5倍もこの数値が低いのです。

では航空機の何が問題になるかといえば、それは絶対量です。例えば東京からグ
アムまでは往復5100km、東京とニューヨークでは往復21000kmです。自動車は排
出源単位が2/3ですからそれぞれ3400km、14000kmの移動に相当しますか。飛行機
はこれを1?2日で移動します。自動車は毎日休み無く20km走っても(通勤用途を
想定)年間で7300kmにしかなりません。グアム旅行は自動車半年分、ニューヨー
クでは2年分にもなります。

エコツーリズムが昨今話題になりますが、飛行機でヨーロッパまで行っていたら
エコも何もあったものじゃない、と思いました。ちなみに国内旅行では新幹線と
の比較が適当でしょう。新幹線は飛行機と同じ距離を走ったときに二酸化炭素
出量はおよそ1/5です。東京-大阪間などは新幹線で移動しましょう。札幌に特急
で行くのはさすがに時間がかかりすぎますけどね(^_^;

URL:http://ch05646.kitaguni.tv/e53008.html
====================================


たとえば、ボーイング747-400型機が東京からニューヨークへ飛行する場合の代
表的な離陸重量は約375トン程度ですが、このうち、燃料が約145トンを占めてお
り、そのうちの約125トンの燃焼が実際に消費される燃料となっています(残り
の約20トンは予備燃料です)。

そうすると、離陸直後の重量は約375トンであるのに対し、着陸直前の重量は250
トン(375−125)になっていることになり、つまり、着陸時の重量は、離陸時の
重量の2/3にも減少していることになります。ちなみに自動車の場合を考えてみ
ますと、1トン程度の車体にたかだか 50 kg 程度のガソリンしか入れませんか
ら、満タン時とタンクが空になったときの車重の差はほぼ無視できる程度のもの
になっています。

このように、飛行機では出発時と到着時とで重量が大きく変化することが、自動
車とは大きく違うところです。

ところで、上記の状態での燃料消費率を比較してみてみますと、離陸後巡航高度
に到達した時点付近、すなわち機体が重い状態での燃料消費率は一時間あたり
12.6トン(15,700リットル)程度、ニューヨークに到着する直前、すなわち機体
が軽くなった時点での燃料消費率は一時間あたり8.4トン(10,400リットル)程
度といった値になっています。

このように、飛行機の場合には、燃料消費に伴う機体重量の変化によって燃料消
費率が刻々と変化しますが、当初の燃料消費率が大きい理由は、簡単に言ってし
まえば、たとえば10時間後といった、先で燃やすための燃料を自分で運んでいか
なければならないことにあります。

ということは、何らかの理由によって機体の重量が重くなったとすれば、「着陸
直前の燃料消費率がその分大きくなり、ひいてはその燃料を運んでいくための燃
料が増加し、その結果、巡航全域にわたって燃料消費率が増加し・・・」、という
悪循環を繰り返すことになります。そのために、航空機メーカーなどは機体構造
の軽量化に向けて甚大な努力を重ねているわけです。

URL:http://www.jal-foundation.or.jp/html/shintaikikansoku/sankoushiryo_kitai.htm