ジョージ・ソロス氏欧州危機について語る

なんか、格調高い文章だけど、結局、欧州統合の理念のために金持ちドイツは我慢しろ、というだけの話だね。。

ソブリン危機――歴史的難局の選択肢
【第1回】 2011年7月21日
ジョージ・ソロス 寄稿
「欧州にはプランBが必要だ――ギリシャ債務不履行は不可避でも無秩序は避けられる」
http://diamond.jp/articles/-/13237
(略)
 東西ドイツの統一の完了により統合プロセスを支えていた最大の勢いは失われ、金融危機により分裂のプロセスが始まった。決定的な瞬間が訪れたのはリーマン・ブラザーズ破綻の後である。各国当局は、これ以上、システム上重要な金融機関を破綻させることはないと保証しなければならなかった。ドイツのアンジェラ・メルケル首相は、EU共同保証は行うべきではなく、各国が、自国の金融機関について保証しなければならないと主張した。これが今日のユーロ危機の根本的な原因である。
(略)
 一見したところ免れようのないこのプロセスを制止し、反転させるためには、ギリシャとユーロ圏諸国が「プランB」を緊急に採用する必要がある。ギリシャ債務不履行は不可避かもしれないが、だからといって無秩序に陥る必要はない。ある程度の「伝染」は避けられないかもしれない。ギリシャの状況はポルトガルまで広がる可能性が高いし、アイルランドの財政状況も持続不可能になるかもしれない。だが、それ以外のユーロ圏諸国は「隔離」する必要がある。つまりユーロ圏の強化ということであり、そのためには恐らく、ユーロ債の活用拡大、ユーロ圏全体に及ぶ何らかの種類の預金保証スキームが必要となろう。
(略)
「現状維持」が不適切になった場合でも、各国レベルではなく欧州レベルのソリューションを探るべきだ――そうした発想を支持する、親欧州の「サイレント・マジョリティ(声なき大衆)」を動員することも可能なはずだ。「真の欧州人」の数は、[ナショナリスティックな]「真のフィンランド人」やドイツその他の反欧州連合派よりも多いはずなのである。