朝鮮人


      
朝鮮人」という言葉はタブーになっている。
戦後朝鮮が分断されて共産国が朝鮮を名乗ったことが原因かというとそうでもないらしい。
なぜか知らないが、戦前から朝鮮人は「チョーセンジン」と呼ばれることを嫌う傾向はあったらしい。
そのうえ(毎度のことだが)サヨクが差別糾弾運動のなかで「部落」「支那」などと同じように使用禁止語彙にしてしまったので余計ややこしくなった。
おかしな話だ。
例えば米国西海岸で日系人が差別されたとしよう。
それで白人が憎々しげに「ジャパニーズ」と言ったら、その侮蔑を否定するために「日本人」という言葉は無かったことにしよう、なんてするだろうか?
「朝鮮」は「穢多非人」みたいなあからさまに侮蔑的意味のある言葉ではない。価値中立どころか美称だし、わざわざ”太祖”李成桂が望んでつけた国名である。それを差別語だというなんて、それ自体が差別じゃないのか?
 
そういうわけで漏れは韓国民、朝鮮国民、在日韓国朝鮮人を包摂する民族を朝鮮人と呼ぶ。
近世を通じて日本では彼らを朝鮮人と呼んできたし、その言葉には侮蔑的意味はないし、それを変えるべき合理的理由がないからだ。
ただちょっとコリアンという呼称には惹かれる。この時代にわざわざ過去の王朝名を持ち出して高麗人=コリアンなどと言うのは、日本人を倭人と言うに等しく滑稽かもしれない。だが「中国」をチャイナ=秦と呼ぶのと同じように、コリア=高麗と呼ぶのは世界標準でスッキリするメリットがある。
 
さて、朝鮮新報の好企画「朝鮮史から民族を考える」だが、北朝鮮だから当然朝鮮という言葉には忌避感はない。
だから朝鮮人という言葉を忌避するのはおかしいと正論を述べている。
でもそのついでに「韓国」「韓国人」という言葉を腐している。(^^ゞ
 

朝鮮史から民族を考える 29〉 在日同胞と民族㊤

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生き続ける抵抗ナショナリズム
 
 2007年の統計によれば、世界の169カ国に居住する海外朝鮮同胞数は約704万人に達する(留学生や一般滞留者を含む)。居住国でみると中国(約276万人)、米国(約202万人)に次いで日本が多いとされる。日本における同胞数は約89万人、その内訳は永住権者約50万人、日本国籍取得者約30万人、一時滞留者(留学、一般)約10万人である。海外同胞の動態的特徴をみれば、①近年、毎年約30万人から60万人程度増大していること(増大)、②その主な理由は人口の自然増加に加え南朝鮮から海外への移民、留学の増加などが考えられるが、中国朝鮮同胞をはじめ各地同胞の海外移動も多くなっていると思われる(流動性)。

●にゃんこのまとめ
 
 中国 276万人  40%
 米国 202万人  30%
 日本  89万人  10% (ザイニチ50万・帰化30万・newcomer10万)
 他  137万人  20%
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 合計 704万人 100%

 この統計から考えるに、本国人口総数の約1割をも占める海外同胞を有することから、統一運動をはじめさまざまな朝鮮問題解決において海外同胞が果たす役割が今後ますます高まっていくであろう。現南北当局および新しい統一国家には、海外同胞の実情を踏まえた海外同胞諸政策を取っていくことが望ましいという視点が求められよう。
 
 在日同胞に目を移してみると、国籍構成において他の海外地域では見られない朝鮮籍・「韓国」籍を保持する特別永住権者(植民地期に日本に来た朝鮮人とその子孫)が多く、その数は次第に減少しているものの、日本国籍取得者や南朝鮮からの留学生、一般滞留者を含めると同胞の総数は若干増大している。
 
 このことから今、民族団体には、特別永住者を主な対象とした従来の同胞政策にとどまらず、多様な同胞の要求をも包摂する諸政策を打ち出し、在日同胞全体をつないでいくことが求められているといえよう。
    
朝鮮語学会の機関紙「ハングル」(1927年2月創刊)
 日本社会では「朝鮮」が忌避され、「在日韓国人」「在日韓国・朝鮮人」「在日コリアン」、また「韓国語」「韓国・朝鮮語」「コリアン語」という言葉が幅を利かしている。その近因としては、90年代以降顕著になった朝鮮バッシングの中で、「朝鮮」は人目をはばかる言葉になってしまったことがあり、遠因には植民地意識と反共・分断意識と支配の論理がいまだまかり通っているためであるといえる。
 
 徐勝は、このような日本の現状に対して、「〝朝鮮〟が、日本において抑圧され、憎まれ、蔑まれる限り、私は〝朝鮮〟を言い続ける理由はあると考える。〝朝鮮〟は解放されなければならない」(「イオ」2007年2月号)と力説している。
 
 そもそも歴史的にみれば、私たちの国号・民族名の呼称は一般的に「朝鮮」「韓」「高麗」という言葉が使われてきた。一時期、「大韓帝国(大韓国)」(1897〜1910年)・「大韓民国臨時政府(上海臨政)」(植民地期)が存在し、「大韓国人」という呼称も使われたことがあるが、1948年に発足した李承晩単独政権(「大韓民国」)は「憲法」で上海臨政との「継承性」「正統性」を標榜しているが、その実は上海臨政の指導者・金九を暗殺し、その名を盗用して発足したことから、以前の「韓国」とは断絶していることがわかる。言語についても、歴史的に「正音」「諺文」と呼ばれていたが、19世紀末から20世紀初頭に「朝鮮語」「国文」「韓語」と呼ばれるようになり、植民地期には「ハングル」(偉大な文字という意)も使われるようになった。「韓国語」という呼称は単独政権発足以降に分断固定化のために人為的に使われ始めたものであって、それ以前はまったく使われたことがないのである。
  
 日本で幅を利かしている上記の呼称は歴史を無視し分断を助長する言葉なのであり、一般的には「朝鮮」「在日朝鮮人」「朝鮮語」が使われてしかるべきなのである。
  
 一部知識人の間で、多文化共生社会論・女性解放運動論など在日同胞のアイデンティティが多様化していることを理由に、これからの在日は脱民族主義をめざすべきだとする見解が見受けられる。
  
 はたして民族主義は古いものになってしまったのであろうか。多文化共生社会論において見受けられる「定住化」「在日志向」を強調する言説は、在日同胞を「日本国内のマイノリティに対する政策問題としてのみ見る傾向を助長し…朝鮮半島の歴史や政治状況と絡めて統合的に見る視点と実践を実は奪ってきたとすら言えるのではないだろうか」(李恩子)とする指摘もあるように、個々のアイデンティティは、決して個人の選択という次元でのみ語るべきでなく、その「個」の歴史的、社会的関係性の文脈で語るべきであると思う。
   
 解放後60余年が過ぎた現在、在日同胞の世代交代、価値観の多様化など主体的条件は変わっていったが、その反面、在日同胞をとりまく客観的条件は大きく改善されたとはいえない。日本の戦後は表面の「平和」言説とは裏腹に、東アジアの厳しい冷戦状況に依拠し、それを利用しながら、戦争・植民地支配責任をあいまいにし、そのことで「経済成長」を遂げてきたプロセスであった。とくに在日朝鮮人にとって戦前と戦後において植民地主義的な関係はまったく一貫しているのであって、東アジア地域における植民地主義と冷戦・分断の矛盾の集約した存在という自己の位置は、何ら変わっていないのである。さまざまなアイデンティティの相違を抱えつつ、脱植民地主義・脱分断という共通の目標に向かおうとするうえで、民族主義、抵抗ナショナリズムは依然として、そうした多様な人々の包括を象徴する集合名詞として生き続けているのである。
(康成銀、朝鮮大学校教授)
   
[朝鮮新報 2008.12.5]
   
URL:http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/06/0806j1205-00001.htm

   
追記)
韓国では毎年2万人が国籍を放棄している。その半分が日本国籍を取得する。これは在日朝鮮韓国人が毎年1万人帰化していることを意味する。
ところで韓国の人口は日本の1/3だから半島での国籍放棄者率は日本での自殺者比率と同じくらいだ。感覚的にはすごく高率な気がする。
   

【韓国】 国籍放棄者の半分以上が日本国籍取得〜典型は「20代に日本帰化」[12/11]
  
2003年以後大韓民国の国籍をあきらめた人の中で、半分以上が日本国籍取得者であることが明らかになった。
 
国籍放棄に先立って、海外国籍を取得する時の年齢層は20代が一番多く、出生年別では1961〜80年に生まれた人の比重が一番高かった。
 
本報が今年3月から最近まで高麗大社会学科イ・ミョンジン教授とともに法務省が2003〜07年官報に載せた大韓民国国籍放棄者9万873人を分析した結果、51.5%である4万6788人が日本国籍取得者だった。アメリカ国籍取得者が2万7881人(30.7%)で二番目、カナダが8850人(9.7%)、オーストラリアが2876人(3.2%)、ドイツが961人(1.1%)などの順だった。
 
日本国籍取得者が多いのは日帝強占期の日本に腰を据えた同胞たちの2・3世が日本国籍を取得したり、韓国の親戚を呼び入れた場合が多かったためと見られる。在日本大韓民国民団関係者は「光復後(戦後)、多くの差別の中でも韓国人としての矜持を持って帰化をしなかった同胞1世と異なり、2世と3世のかなり多数が日本への帰化をしている点が主要な原因だろう」と診断した。
  
海外国籍を取得する時の年齢層は20代が2万2183人(24.4%)で一番多かった。引き続き30代が1万8862人(20.8%)、10代以下が1万8633人(20.5%)、40代が1万5367人(16.9%)、50代が9854人(10.8%)、60代以上が5887人(6.5%)を占めた。20代が最も多いのは現地国籍を取得していなかった同胞2・3世が20代に入って社会生活を始め、生活の便宜上、現地国籍を取得しているためと見られる。
 
出生年別では1961〜80年に生まれた人々が海外国籍を一番多く取得した。41〜60年生まれが2万6363人、81〜2000年生まれが1万9728人、21〜40年生まれが5099人、2001年以後産子者2811人などだった。
 
ソース:国民日報クッキーニュース(韓国語) ‘20代に日本帰化’…韓国国籍放棄者典型
http://www.kukinews.com/news/article/view.asp?page=1&gCode=soc&arcid=0921125681&cp=nv
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1229002178/

在日韓国人52万人のうち1%の5000人が毎年刑法犯で検挙。
・韓国政府の発表によると4万8000人が不法滞在者
・韓国ハンナラ党の議員の証言によると 日本で韓国人女性3万人が売春している。
・元公安の菅沼光弘氏の証言によるとヤクザ8万6000人 のうちの30%にあたる2万5800人が朝鮮系。
http://ameblo.jp/worldwalker2/entry-10177598054.html