「行政」って小役人の生活のためにあったのね・・・

緊急時に組織の正体が明らかになる。
これで日本人の「お上信仰」が破壊され、自治意識が育つといいのだけど。
 
追記)
被災地では、役人・政治家の権威が暴落し、相互扶助の意識が芽生えたそうだが、ただし、自衛隊・警察・消防だけは尊敬が高まったとか。

フクシマの視点
市民放射能測定所が新装オープン 市民の手で生かせ「チェルノブイリの教訓」
藍原寛子
2011年9月28日(水)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110927/222826/?mlt&rt=nocnt#author_profile_tag
 
 「国や県がきちんとした健康管理をしてくれない中で、市民が自分で防衛しなければならなくなっている。本来は、『被ばく手帳』というようなものが市民に無料で配られるべきと思うが、実際には配られていない。自分を守るものとして手帳を持って記録し、測定していくことは意義のあること。たくさんの方が活用してくださればありがたい」。

 ついに来月、福島市内に、内部被ばくを測る「ホールボディカウンター(WBC)」まで備えた市民による放射能測定所が移転、拡充オープンすることになり、9月23日、現地で記者会見が開かれた。子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表で小児科医の山田真医師も出席し、その席上でこう語った。いよいよ福島では、市民がホールボディカウンターを管理して測定し、手帳による生活記録などにより、自己防衛を図るという状況に入っている。

「市民の情報交換の場に」と期待
 3.11以降、「内部被ばくが不安」という市民の声に応えて、7月中旬以降、市民スタッフやボランティアら地元の人らによる「CRMS 市民放射能測定所」(丸森あや理事長)が設立され、食品の放射能測定をしてきた。

 今回、地元の商店街やビルオーナーらの協力により、新しい場所に移転。「Days 放射能測定器支援基金」と「未来の福島こども基金」により約500万円のホールボディカウンターやその他の計測器の寄贈を受け、設備を拡充。今後、希望する市民を対象に、新たに内部被ばく測定も開始することになった。
(略)
 「チェルノブイリ原発事故でドイツ政府は被ばく問題について沈黙し、被害を過小評価した。補償問題が絡むため、避難区域を小さくするなどの問題も起こっている。市民による調査と情報公開が何よりも必要。フクシマの市民放射能測定所の方々とも連携していきたい」


チェルノブイリ原発事故の教訓を語るヴァイガー氏(福島市で) 市民放射能測定所の記者会見の3日前、約50万人の会員を誇るドイツ最大の環境市民団体「FoE、ドイツ」の代表、フーベルト・ヴァイガー氏は、福島市を訪れて市民向けに講演。その中でチェルノブイリ原発事故の教訓を語った。

 特にヴァイガー氏が強調したのは「市民による調査と情報公開」の重要性だ。「チェルノブイリ原発事故直後、ドイツ政府は『チェルノブイリから2000キロも離れており、私たちの国土に被害が及ぶことはない』との見解を発表した。IAEA国際原子力機関)の代表も事故後、『たいしたことはない、年に1回はこうした事故が起きても問題ない』とまで言っていた。しかし実際には、ミュンヘンなどドイツ南部が高濃度に汚染されていた。この汚染に関して当初、住民には全く知らされなかった」。
(略)
チェルノブイリの教訓」とは、

[1] 子どもの被ばくを最小化する。まずは子どもと妊婦を汚染地域から出すか、短い期間だけでも福島を離れるということを積極的に進めてほしい
[2] 放射能に汚染されていない、安心できる食べ物を福島に供給する
[3] 避難区域のほか、子どもの遊び場、学校などの徹底除染を進める
[4] NGOと市民の参加によって実現する環境保護と省エネ、エネルギー効率、再生可能エネルギーを同時に進める
(略)

(コメント欄から)
国民が、国家がつくった法律に従い、国会議員に高い給与を払う唯一の理由は、それによって国が自分と家族の命を守ってくれると信じているから。それを放棄され、自衛を余儀なくされている国は、もはや国家の体をなさないむき出し・無防備の難民キャンプだ。さらに哀れなのは、この記事のような自衛・共同体の献身の努力は美談だから、国の無責任の隠れ蓑として歴史的に悪用されてしまう。そして、解決できない無力感は、市民の自己嫌悪に帰結するよう、うまく操作されてしまう。その影で、国家はこっそりと、確実に蚊帳の外に出て行くのである。美談の取扱は、要注意と思う。