WEDGE REPORT
サイバー戦争に勝てるか 日本人ハッカー養成現場
2011年09月28日(Wed) 
WEDGE編集部
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キャンプの責任者であるIPA産学連携推進センター次長の神島万喜也氏は、就業経験のない若者を一流の講師陣が指導する意義を次のように説明する。
 「日本を引っ張っていく潜在能力をもつ若者はまだ世の中に埋もれている。彼らを見つけ出し、ノビシロがあるうちに尖った人材に育てる。普通の人間が教えても意味がない。天才が天才を育てる」
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 アノニマスのように無秩序な集団が「サイバー攻撃」を仕掛ける場合もあるが、いまや国家をあげて仮想敵国を標的にした「サイバー戦争」を仕掛けてくる。とりわけ犯人として取りざたされるのが中国だ。8月7日に警察庁が発表した『平成23年警察白書』では、昨年日本が受けたサイバー攻撃の大半は中国からであると言及したのにつづき、24日には米国防総省も年次報告書のなかで、中国からのサイバー攻撃が安全保障上の脅威であると指摘している。
 
 中国政府は「中国犯人説」を真っ向から否定するが、組織的に行われていることを裏付ける証拠もある。コンピューターセキュリティ会社エフセキュアによると、7月17日に中国の政府系軍事専門チャンネルで、米国を狙うサイバー攻撃の様子が誤って放映されていたという。
 
 この番組はサイバー戦争について取り上げたものだが、その一シーンで、中国人民解放軍情報工科大学が作成したソフトを使用して、米国の大学にサイバー攻撃を仕掛ける場面が映された。この大学の学生は中国国内で禁止されている宗教団体「法輪功」のウェブサイトをかつて運営していた。
 
※中国の政府系専門チャンネルのウェブサイトで番組を視聴することもできたが、すでに削除されている。問題のシーンや詳細についてはエフセキュア社のブログ(http://www.f-secure.com/weblog/archives/00002221.html)で紹介されている。
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