B29に竹槍で挑んだ先祖を馬鹿に出来ないね
2011年7月4日
サマータイム制に見る古い日本の非合理性
松浦晋也
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20110704/1032747/?set=ml
(略)
が、ちょっと待って欲しい。6月21日に独立行政法人・産業技術総合研究所は、サマータイムは電力需要ピークの低減に効果なしとする研究結果を発表した。
それなのになぜ、多くの会社は早朝出勤を奨励するのだろうか。
(略)
私はいくつかの知人友人の事例を見聞しただけなのだが、根底には「勤勉さの誇示による自己満足」という、屈折した意識があるように思われる。「ほら、つらいけれど朝早くにみんなで出勤して節電に協力しているんだ。自分(我が社)は偉いだろ」という感覚である。サマータイムの採用には、年長の社員が用もないのに早朝から出社して、お茶を飲みつつ新聞を読み、定時に出社する若者に向かって「ふん、遅いな」とつぶやく――そんないやらしさが感じられる。
その傍証としては、多くの会社がサマータイムを導入する一方で、シエスタを導入した例はほとんど聞かないということがある。「節電に効果がありそう」と思わせるという意味ではサマータイムもシエスタも変わりはない。そして産総研の研究によれば、共に節電への効果は限られている。
それなのに、採用にこれだけの差が付く背景には、シエスタには「昼寝」という怠け者のイメージが張り付いているからだろう。「あの会社は怠けている」と思われたくない、「朝早くから勤勉だねえ」と思われたいという意識が、サマータイムとシエスタを採用する会社数の差になって現れているのはないだろうか。
どうせ共に節電に役立たないなら、私としては早起きを強いられるサマータイムより、快適な昼寝が楽しめるシエスタの方がずっといいと思うのだけれど。