こどもの日

    

         

          
甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり。
    
開ける広き其の口に、
舟をも呑(の)まん様見えて、
ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、
物に動ぜぬ姿あり。
       
百瀬(ももせ)の滝を登りなば、
忽(たちま)ち竜になりぬべき、
わが身に似よや男子(おのこご)と、
空に躍るや鯉のぼり。
            

       
柱のきずは おととしの
五月五日の 背くらべ
粽(ちまき)たべたべ 兄さんが
計つてくれた 背のたけ
きのふくらべりゃ 何(なん)のこと
やつと羽織の 紐(ひも)のたけ
      
柱に凭(もた)れりゃ すぐ見える
遠いお山も 背くらべ
雲の上まで 顔だして
てんでに背伸(せのび) してゐても
雪の帽子を ぬいでさへ
一はやつぱり 富士の山
       
漏れは5月5日を端午の節句、3月3日を上巳の節句として、男女別々に祝日にすれば良いと思う。
いや「こども」一括のほうが収まりがいいんだけど、事実上男女別なんだから3月3日が可哀想。