なにを買うかは自分で決める・・・でも牛肉は?

 
坂本龍一は敗戦民主主義的で変な発言も目立つのだが、こういう原則を貫く立場はエライと思う。
楽器だけ例外にできて矛を納めていたら軽蔑していたところだったよ。
 
安全性に問題のある電化製品が流通するのは良くないとは思う。しかしなにが危険かの判別は一概には決められない。そうであるなら当事者が判断すべき事だ。それこそ自己責任。
規制を望む声があがって行政が動いたならまだわかる。しかし今回は違う。それに、安全性を判断できない消費者を保護するためなら合格品に証明を出すだけでよい。そうすればそれをアテにする人は利用するし、自分で判断する人は無視するだろう。そういった自主的な個人の判断を抑圧してまで禁止すべきことではない。
(逆に、判断を抑圧してもやむを得ない事は暴力・麻薬などだろう。)
そもそも論として、「公権力の強制」というものは最小限で合意が得られたものに限るべきである。オッカムのストイシズムというか。
行政の分際で市民の判断に超越しようという態度が不遜なのだ。お為ごかしのパターナリズムというか過保護のマターナリズムというか。天下り子会社を作りたいというのはよくわかるが、押しつけがましい善意に馬鹿な市民運動と同じ不快感をもつ。他にやることないのか?
 
因みになんで中古家電は規制するなといいながら牛肉は規制しろというのかという揚げ足とりがあるが、答えは簡単。前者は国民は望まず後者は望んでいるから。電気製品はいまのところ自分で判断する。しかし食品は判断できないから規制してほしい。それだけ。国民が望むか否かが大事なのだよ。それだけ。
 

坂本龍一さんら、中古電気製品すべてPSE規制から除外を
 
電気用品安全法に基づく安全基準適合を示すPSEマークのない電気製品が、4月から販売できなくなる問題で、作曲家の坂本龍一さんら音楽家グループが23日、東京都港区で記者会見し、すでに適用除外された希少価値の高い「ビンテージ」の電気楽器などだけではなく、すべての中古の電気製品を除外するよう訴えた。
 
坂本さんは会見で「自分の使うものを役所に決められたくない。ビンテージ楽器だけ除外すれば、われわれミュージシャンは黙るという意図を感じる。リサイクル業者たちが運動をすれば応援したい」と話した。またビンテージ楽器についても「何がビンテージかは役所が決めることではない」と強調した。
 
楽家グループは坂本さん、細野晴臣さん、高橋幸宏さんらが発起人となり、賛同者に東儀秀樹さん、小室哲哉さんらが名を連ねた。〔共同〕

[2006年3月23日/共同]

URL:http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?i=2006032303862ea