流れる星は生きている

流れる星は生きている (中公文庫)

流れる星は生きている (中公文庫)

 
国家の品格』の母親の書いた引き上げ実録。
おもしろい。
満州から朝鮮。釜山から博多そして諏訪へ。
とても悲惨な旅程なのだが、なぜか筆致におかしみがある。
そう27歳のおきゃんな女の子の感性が爆裂。
かっぱおやじに噛み付いてやろうと狙ってるシーンは爆笑した。
一方で杖にすがりながら周りを急がせる老人達の哀れな姿。

話の中に敗戦国民になった日本人を迫害する朝鮮人と助けてくれる朝鮮人が出てくる。
いやな朝鮮人にだけ焦点をあて嫌韓一辺倒の日本人はこのときの日本人を迫害する朝鮮人と同じだ。相手をマスでしか見ず立場でしか接しない。