■もう一ヶ月というかまだ一ヶ月というか【2012-1-30作文】

一。
 Charlie Reed 記者による2012-1-25記事「Analyst: Drone no longer in Air Force plans to replace U-2 spy plane」。
 評論家Loren Thompson氏のブログ書き込みによると米空軍は「予算削減」を錦の御旗として、U-2をグローバルホークで置き換える計画を阻止する気満々である。
 人間が乗れない飛行機なんて、彼らにとってはクソ面白くもないのだ。空軍は全力で、無人機化の潮流に逆らうつもりである。
 具体的にはFY2013の予算要求にグロホの Block 30 を記載しない。すでに使用しているグロホもリタイアさせ、ノースロップ社には新規製造をしないように言う。
 ※ゲイツが辞めた途端にこれだ。空軍おそるべし。
 そして Bloomberg News によればペンタゴンもこの空軍の意向を了承したという。つまり Block 30 は買わず、今あるU-2を今後も延々と使い続ける。シナ軍は高度2万mに届くSAMを配備しているが、知ったこっちゃねえ。
 グロホの方がU-2よりも長時間飛べる。太平洋は広い。シナ相手の作戦にはグロホの方が有利なことは間違いない。しかし空軍としては、そんなことは知ったこっちゃねえ。自分たちが面白いのかどうかが一番の関心事だ。
 グロホのディスアドバンテージは、機体はともかく、そこに搭載する偵察機材が異常に高額となってきていることである。やたらに実験的な偵察機材を次から次と調子に乗って開発し、そのツケをグロホの予算に皺寄せして載せて来やがるのが理由だ。これはメーカーの策略だ。だから空軍はしっぺ返しを与えた。
 一方、米海軍は、ブロック30を68機も調達することに決めた。そこに独自の海洋偵察機材を積んで、 Broad Area Maritime Surveillance system という名で太平洋上を哨戒させる。
 イランがホルムズ海峡で何をやろうとしているか、すでに1機の海軍版グロホ「BAMS」が海峡上空を舞っている。
※これは報道された限りでは初陣ではないか。日付は不明だが、イランが封鎖に言及した後に投入したという。
 Thompson氏はアーリントンにある「Lexington Institute」の主任研究員である。彼によればBAMSを空軍にも提案することが考慮されているという〔誰が、という情報は抜けている〕。
 米空軍は太平洋ではたった3機のグロホしか運用していない。そのすべてはグァム島にある。しかしノースロップ社幹部が『星条旗新聞』に語ったところによれば、米海軍はBAMS×4機を来年以降、数年かけてグァムに展開する計画だという。
 すでに2011-8に『New York Times』は、空軍がグロホ77機の調達計画を55機に削減したと報じていた。
 総調達数が減るということは、莫大なセンサー投資を、納入単価に按分する額がそれだけ、高騰せざるを得ず、結果、グロホは急激に、いまや買い難い商品に化しつつある。
 ※だから韓国は投了したのか。
 パネッタ長官はグロホのセールスマンとなって、NATO欧州諸国に対し「共同で購入しませんか? 安いですよ」と呼びかけている。
 ※搭載機材を完全な「弁当箱」カセット式にする必要がある。そうすれば、3機の機体に1〜2セットの偵察通信機材を使い回せば済むので、システムのトータル・ランニング・コストを抑制できる。
 
二。
 APの2012-1-29 記事「China paper says punish Philippines over US ties」。
 フィリピン政府がもっとたくさんの米軍の同国内へのプレゼンス〔過去10年にもわたり、継続的に、約600人の米陸軍デルタフォースが比島南部で軍・警の対アブサヤフ作戦を指導中〕を望むという路線を明確に打ち出したことに北京が反発し、対比経済制裁を発動するという。
 もちろんこんな報道をブチ上げているのは中共が本音で諸外国を脅迫するときにいつも語らせる道具『Global Times』、別名ペキスポである。下品すぎて『人民日報』だとちょっと載せられぬ軍部の獅子吼はぜんぶこっちに載るシキタリだ。
 ※地上部隊などはどうでも可い。最大関心はクラーク基地を米空軍の遠征スコードロンが「ローテーション訓練」名目で頻繁に利用するようになるかどうか。南支那海戦争で屈強の位置にあるのがクラークであり、マニラ政府はこの特権財を高く米国に売りつけられるはずだ。
 
三。
 ストラテジーページの2012-1-29記事「All Your IP Address Be Known To Us」。
 なんとシナでは2011の一年間に、インターネットユーザーが12%も増えたんだと。
 北京は、最近では、チベット人関係のニュース(地域的には新疆地区が含まれる。チベット人密度が高いので)の封殺に努めているが、うまくいっていない。
 2012-1-25、シナがまたひとつの分野で日本を抜いた。それは、「石炭輸入額」である。それまで世界最大の石炭輸入国は日本だったのだ。
 ※しりませんでした〜w。
 シナは同時に世界最大の石炭採掘国であり、かつまた、世界最大の石炭消費国でもある。
 ※なるほど北九州に襲来するスモッグが年々酷くなるのも道理だな。今年はもっとすごいことになるだろうて。
 
 2012-1-18、シナ政府が目の仇にしているのが、micro-blogs である。シナでは Twitter が禁止なので、その代用品として Microblog がある。これをとにかく規制したくてたまらない。党や行政官たちが悪者であるかのような印象を巧みに与えるいかなるコメントも奇麗に追放してしまわねばならない。
 そこで新統制手段を導入。ツイッターでありながら、ユーザーはIPアドレスを当局に対して隠蔽することが不可能になるようにした。もし不埒な書き込みをした個人はインターネット・ポリスがしょっぴいて、中共グァンタナモ=アプグレイブ級の牢獄で反省させるのだ。それによって、誰もお上を憚らぬ不届きな書き込みを自粛せざるを得ないようにするのだ。
※七面倒なことを考えずとも、「フェイスブック」を公許しただけで済むんじゃね?
 
■子供にせがまれるままロールペーパーの芯でコケシやモアイを製作しているうちだんだん職人になって来た。次は仮面土偶型コケシ状モアイ天狗立像に挑戦だ!【2012-2-1作文】
四。
 Tim Newcomb 記者による2012-1-31記事「The Best Way to Unbuild a Dam――What it takes to mend a dammed-up ecosystem」。
 2010年に陸軍工兵隊は米国内の60箇所の小規模ダムをぶっ壊した。
 ダムサイトは、野生環境を取り戻した。鮭が遡上するようになったり。
 しかし今、破壊計画が進められている、ワシントン州の210フィートのダムは、チト大物だ。
 
 ※日本ではダムを民間土建会社に発注するために垂れ流しバイアスを止められない。米国には「官」である工兵隊があるので土建バラ撒きは抑制されてきた。それどころか、ダムぶっこわしなんていうすごい政策も淡々と打ち出せる。そのかわり米国では、ハイテク軍需メーカーと議会が結託した無駄なバラ撒きの構造ができた。そのシンボルがF-35なのだ。両国とも、自慢できない腐った構造だが、ハイテク・バラマキの方は、なにがしかマシなスピンアウトを期待できるし、ちっとは夢もある。というわけで日本でやるなら新幹線ですよ結論は。それもできるだけ地下鉄方式でね。それにしても白石市は良い立地だなァ。あのへんぐらい交通ファシリティの集中したとこないでしょ。物流のみならず観光レジャーの点でもね。
 
 ダムをダイナマイトで爆破するのは訳は無い。しかしそれをやると78 million cubic yards のダム湖が一挙に決壊して下流に洪水を起こしてしまう。そこで、計画では、3年をかけて徐々にダムを壊す。
 
■Want to know the ricin-bomb existed in 1945? →Check:『日本海軍の爆弾』(文庫版 pp.139〜142)【2012-2-4作文】

一。
 星条旗新聞の2012-2-3 記事「Report: Obama to revamp plan to move Okinawa Marines to Guam」。
  金曜日のブルームズバーグの報道によれば、オバマ政権は、沖縄からグァムへの海兵隊の移転計画の規模を縮小する。代わりに、豪州へのローテーション展開に加えて、フィリピンへも海兵隊をローテーション展開させるつもりだという。
 ※1月に比島国防省は、クラーク空軍基地の復活再開は無いと断言していた。米空軍招致の代わりに、海兵隊招致と来たか。

 もとの計画では4500人の海兵隊を沖縄からグァムに移すとしていた。が、その移転兵力は、計画の約半分に縮小する。
 他方、4000人以上の海兵隊員を、豪州および比島スビック湾および比島の他の数箇所の基地およびハワイにローテーションで展開させる。ブルームズバーグはこの情報ソースは明示していない。
 ※スビックから米海軍がおん出て行ったときの「焦土戦術」的な怒り方から推して、スビックの復活こそはあり得ぬと思っていたが……。

 遡れば2006に日米政府は沖縄の8600人の海兵隊とその家族をグァムに移転させると米国政府との間で合意したのだ。
 ※このとき橋本はモンデール大使に何と言うべきであったか。「キミの家で飼っている番犬がキミの子供を噛み殺したとする。キミはその番犬と信頼関係を保ち続けられるかね? 日本国民は海兵隊が日本人を守ってくれるとは思わない。沖縄からどこかへ移転しろとは言わぬ。ただ、出て行ってくれ」。――2013から、イラク占領以前のようなローテーションが復活する。またイカレた海兵の新兵がわんさか観光気分でやってくるようになるのだ。海兵隊が対支抑止力たり得ない理由は3月9日配本の草思社新刊で説明するであろう。海兵隊そのものを島外に追い出さない限り、2006の治安状態にまた戻る。
 米上院はこの計画はもはや非現実的となっており、金銭負担もありえない額になってきたと非難。米連邦議会はこの移転計画に関する今年の予算支出を禁じた。共和党のマケイン上院議員は、豪州ローテーションで事情が変わったから計画はぜんぶ見直せと発言。

二。
 David Eshel, Maxim Pyadushkin, Sunho Beck 記者による2012-2-3記事「New Submarines Improve Performance」。
  この20年間でやたら進歩した兵器技術の筆頭は無人機だが、それに次ぐのがじつは潜水艦関係だ。
 まずAIP(air-independent propulsion)がある。
 ついで、自動化。
 そして、総体サイズのコンパクト化(その結果、ライフサイクルコストまで好転した)。
 居住性の改善。
 反射鏡ではなくてCCDビデオ装置を使った潜望鏡。全周360°の視野を数秒でハイレゾで録画してすぐ海中に引っ込めることができるようになった。そのあとでゆっくりと特定方位を録画モニターで拡大表示させて凝視・検討すれば可い。
 そしてまもなく潜水艦は、小型無人飛行機や水中ロボットをも自艦から発進させて駆使するようになる。
 スウェーデンの TKMS/Kockums A26型潜水艦(1800トンのGotland class)は最新型の見本である。過去2年、米海軍のためにサンディエゴ軍港沖で演習の「アグレッサー」役を引き受けてくれているのだが、いつも米海軍はこいつの探知に苦しんでいる。そして18日間も潜りっぱなしで活動できるこのKockums社製の AIP 技術は、日本の潜水艦にもそっくり導入されているのだ。
 パイプの中を気体が流れる速度を最低に絞ってあり、配管のカーヴも緩やかだから余計なノイズを発しない。みずから消磁して海中背景の磁界にとけこんでしまうこともできる。そして運用に必要な人数は、たったの26人。
 他社の技術だが、デコイも進歩中。潜水艦の外側にランチャーを10個くらいくくりつけておいて、そこからデコイが自力で泳ぎだす。欺瞞の「反響音」を発するのは、自艦からかなり離れた後である。
 しかも近接信管で、敵魚雷とすれちがいざまに自爆する。
 ロシアのキロ級はロシア国内では「Project 636」というのだが、新AIPシステムを開発中だ。
 水素をエネルギー源とするのはTKMS-HDWと同様だが、なんと、軽油の中からその水素を取り出すのだという。だから陸上に水素関係の特殊設備がなくとも、AIPを使った作戦を延々と続けられる。
 その次の課題は、電池をリチウム・イオンにすることだ。
 別なグループの案では、低速用とダッシュ用の2つの電池モーターを搭載して、適宜に切り替えるという。
 また、軍艦の表面をシリコン塗装することで環境にやさしいモノにできるという。

■巨道不進(オレも深いな……)【2012-2-7作文】

一。
 ストラテジーページの2012-2-6記事「Defeating The Enemies Within China」。
  キミも新疆地区の「人民警察官」に応募して不埒なイスラム・テロリストを弾圧しよう!
 ただいま8000人の新規採用を募集中だ。
 これは同地の警官数を1割増やすことになる。

 シナでは警官と軍人の区別は無い。
 66万人もの人民武装警察 Peoples Armed Police (PAP) が存在するが、こいつらは、サツカンとは名ばかりで、実態として、「国内に銃を向けている軍人」に他ならないのである。行政憲兵である。

 源をたどると、1949創立の人民公安部隊 Peoples Public Security Force だ。
 この組織は1960年代の文革中に解隊された。そして彼らの役目は、人民解放軍がそっくり引き継いだ。

 文革後に、辺境の治安警備を軍隊とは別建てにする必要が感じられて、普通の警察を統轄していた公安局が、さらに辺境警察を新設した。

 人民武装警察 Peoples Armed Police は 1982 に正式発足している。
 機能がじつに多岐で、消防隊や森林警備隊であるユニットも含まれている。
 国内治安部隊は、官憲のビルディングを警固し、デモを鎮圧する。
 国境警備部隊は、外国にそそのかされた住民運動を取り締まる。麻薬の密輸もこのセクションで取り締まっている。

二。
 Erik Slavin 記者による2012-2-6記事「New squadron coming to Yokosuka-based carrier this spring」。
  現在世界最強の電波妨害用戦闘機、EA-18G Growler から成る電子攻撃スコードロン「VAQ-141」が、大西洋の空母『USS George H.W. Bush』から、横須賀の空母『USS George Washington』に転属してくることになった。

 部隊は、この春にやってくる。
 シナ軍のレーダーを使い物にならなくし、シナ軍がまったく無線で通信できないようにしてしまうのが、この「グラウラー」の機能だ。
 厚木にはこれまで、旧世代の EA-6B Prowler から成るスコードロン「VAQ-136」が展開していたが、これが新部隊によって更新される。
 厚木のプラウラー部隊は、ワシントン州Whidbey Island にある米海軍基地に転居する。プラウラーは1971からあり、何度もアップデートされたといっても旧式であった。
 最新鋭のEA-18G Growler の初陣は 2010 後半であり、2011のリビア干渉戦争でもNATO軍機の空襲を支援した。
 艦上機プラウラーは4人乗りだったが、グラウラーは複座。スピードも勝る。
 グラウラーの機体の構成部材は、その90%が、F-18と共通だ。
 『ジョージ・ワシントン』の艦上機部隊は、E-2C Hawkeye もアップグレードし、敵の「対艦弾道弾」に対する警戒能力をすでに強化している。
 そして昨年には24機のアップグレードされた F/A-18E Super Hornet 戦闘機も受領している。

三。
 JOE McDONALD 記者による2012-2-6記事「China bars its airlines from paying EU carbon tax」。
  シナ政府は、シナの航空会社がEUに対し、二酸化炭素排出税を支払うことを禁じたと発表した。
 この炭素税にはシナ政府だけでなく、米国政府とロシア政府も反対している。
 このチャージは1月から発生しているが、集金は来年から始められる予定となっていた。

軍学奇美断語【2012-2-8作文】
一。
 Robert Wall 記者による2012-2-7記事「Enders Skeptical About NATO Smart Defense」。
  欧州NATOにまた珍スローガンが導入された。
 スマート・ディフェンスだと。
 20年前にもそんな標語があった。しかしそれから何も起きなかった。

 欧州では優秀な大学生は軍需産業に進まず、金融分野に就業するようになっている。目下、これも懸念材料だという。

 ※ウチは雪おろしの必要はないんだが「公共平地部分」の雪かき作業が、この年寄りの五体にはコタえますわ。しかし前に住んでたボロ貸家みたいに、雪の重みで梁が折れるようなことがないのが助かっております。ところでプレファブのガレージなどに「完全カマボコ形」のがあって、ぶ厚いアルミ合金スレートがドーム頂点から裾までカバー(接地)しているから、雪下ろしの必要はぜんぜんないし、裾に積もった雪で壁が横から押されて壊れるということもない。豪雪地帯の限界集落では今後はこれに建てかえるべきだよ。唯一の難点は、屋内空間が狭くなることと、窓が2方面(蒲鉾の両端)にしか設けられないことだが、冬に雪で殺されるよりはマシだろう。じじいは贅沢言うなって。しかし、全国の民家の屋根にソーラー発電設備をしろとかまだ寝言こいてるたわけがいるのか。一冬で崩壊だよ、そんなの。

二。
 ストラテジーページの2012-2-7記事「No Shit」。
  北鮮の燃料不足はかつてなく深刻。いままで首都の平壌を停電にすることはめったに無かったが、この冬はしばしば停電させている。どうやら、限られた燃料を、発電ではなく、暖房に廻しているらしいのだ。
 地方では食糧不足が深刻。増産させたくとも化学肥料がない。そこで、「汚穢徴収令」が下達された。成人1人あたり500kgの人糞をかき集めて農村に送り、肥料にしろ、というのだ。
※江戸時代の日本だ。しかし輸送トラックをどうやって動かす気だ?
 この住民1人あたり500kgという数値は過大であり、実現できるとは思えない。しかし北鮮では、できもしない数字が堂々と掲げられるのは普通のことだ。
 ※平屋住宅のオンドルを復活させれば済む話。文革の真似して「下放」させちまえば都市部の暖房なんていらねえし人糞もわざわざ輸送しなくていい。その場垂れ流しで。一石二鳥でエコだよね。あ、それとも、B層大絶賛の夢のソーラー発電と風力発電が、すべてをグリーンに解決してくれるかもw
 過去3ヶ月、北鮮政府は、人民に携帯電話の使用を禁止させようと骨を折ってきた。中東での人民暴動は携帯電話がネットしていたためだ。所持しているところを捕えられれば労働キャンプでの長期刑=死が待っているという政府の脅しだが、誰も従う者はないという。
 京城では3-26〜27に核サミットが予定されている。それを北鮮がGPSジャマーでイヤガラセしてくるだろうとも予想されるので、韓国政府は既に対策を講じたという。
 北鮮は昨年3月にロシア製のマシンを使い、GPSジャミング電波を領内から発射した。その電波は京城市内も混乱させた。
 1-30に判明したところによると、北京は金正日が死んだ直後の12-18に北鮮に対し、50万トンの穀物と25万トンの燃料を与えることを約したという。
 それらの援助物資は1月中に搬入が始まった。
 ※岩国基地の話を理解するには、『朝鮮日報』の日本語ウェブで「ローテーション」の話題を読んでいくと、絵が見えてくる。韓国西海岸に米海兵隊(本籍・沖縄)がローテーション駐留し、シナの山東半島を脅威する態勢を示すことで、シナ軍が南シナ海で何もできなくするという高等戦略だ。レーガン政権のときに、欧州のソ連軍を牽制するためにオホーツクを脅威してやったのと同じだ。これまで岩国基地は、海兵隊が北鮮相手に戦争するときの後方航空基地であったが、それがそっくりそのまま、山東半島を空襲するための航空基地になる。ということは、今後はシナ軍が中距離SSMで岩国を照準すると覚悟をせざるを得ず、それに対処するためのわがMD用イージス艦は4隻では到底足りなくなる。現状では4杯全部で横須賀を防空できるのが精一杯だからだ。あと4艦ぐらい必要になるだろうが、そんな予算、捻出できないのは明白。さあどうする気なんですかね? それと余談ですが、田中新一・作戦部長が使った「弾発性」という言葉を英訳すると、今の「リバーシビリティ」になるのか?

韓流は捏造か?

「文化産業の支出」ってなんだ?輸入額のことか?
文化の輸出入で黒字化なんてのは、よっぽどじゃないと無理なんだから、素直に輸出額8億ドルを喜んで良いのではないか?
ただし、寒流は日本ポップの廉価品として売り込んでいるものなので、あんまり儲かっていないと思うけどね。
もっとも、日本を模倣し安価集中輸出してジャンルを確立、というのは彼らのビジネスモデルなので、家電のようにならないようにね。
 
ところでコンテンツ市場ってそもそもどのくらいの大きさなんだ?
と思ったら、2009年のデータだと5000億ドルくらいみたい。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/pdf/kaigai_sokushin_hokokusho.pdf
で、同じレポートに拠ると、日本市場はうち12兆円なので1500億ドルくらい。輸出額は5300億円なので60億ドルくらいだ。ちっちぇえ!
それでも2011年の韓国の7倍。
しかし、日本の輸出額のうちゲームが93%で、アニメ80億円、漫画50億円、音楽30億円、テレビ番組90億円、となって合計でも250億円にしかならず、「クールジャパン」の内実は寂しい限りだ。
韓国コンテンツの内訳も探せばあるかもしれないけど、日本の輸出とくらべたらいい線いっているんじゃないかな?
 

韓流596億円 国策成功!5年で2倍
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20120208-900770.html
 
 【ソウル=趙孝英通信員】K−POPアーティストの海外公演やテレビドラマの輸出など、韓国の文化・娯楽産業が昨年に海外で稼いだ収益額が過去最高の7億9400万ドル(約596億円)に上ったことが、7日までに分かった。韓国銀行(中央銀行)が明らかにした。統計の作成が始まった1980年以降で最も多く、過去5年間で2倍以上に急増しているという。
 
 この額は、11年の日本のシングルCD総売上(約620億円)に匹敵。同銀行では「アジアを中心としたK−POP(韓国のポップミュージック)などの韓流の人気が収益増を後押ししているようだ」と分析している。
 
 韓国紙・朝鮮日報などによると、韓国の文化・娯楽産業の海外収益額は96年までゼロだったが、97年に初めて500万ドルの収益を上げた。その後、03年に日本でドラマ「冬のソナタ」が放送され、ヨン様ブームが起こってからは右肩上がりに上昇。05年に2億6800万ドル、07年に4億4800万ドル、昨年末のNHK紅白歌合戦に出場した少女時代やKARAなど美女グループが日本デビューした10年には初めて6億ドルを突破したという。
 
 韓国は人口約4800万人で国内の市場規模は大きくないため、「韓流」を有力な輸出産業として国が推進している背景もある。海外でのブームを受け、同国文化体育観光省は昨年、韓流スター育成に向けた「K−POPアカデミー」設立事業を支援すると発表、次世代の人材発掘に乗り出している。K−POPは、日本だけですでに約90組がデビューしているほか、欧米へも続々と進出中。韓国エンターテインメントの勢いはまだまだ続きそうだ。
 
 [2012年2月8日9時8分 紙面から]

【韓国経済】K−POP等、海外で好調のハズの韓国文化産業のトータル収支は大赤字…知的財産権の使用料でも大赤字[02/07]
 
 昨年我が国が文化産業面において国外での収入が8億ドル(約8900億ウォン)に達し、歴代最高値を記録したことが分かった。韓流熱風の影響があったと見られる。
 6日韓国銀行国際収支統計によれば、昨年の我が国の文化・娯楽サービスでの収入は前年より24.7%増えた7億9400万ドルとなり、関連する統計を集計した1980年以後で最も多い金額となる。これは我が国が映画・ラジオ・テレビ番組・音楽・教育・娯楽サービスなどで諸外国で稼いだ収益をいう。
 
 我が国の個人・文化・娯楽サービス収入は1996年までは一銭の利益もなかった。1997年の500万ドルを皮切りに急増し2000年には1億3660万ドルを記録、2008年には5億2750万ドルとなり初めて5億ドルを越えた。国内大衆歌謡が海外で「K−POP」と呼ばれ、アジアを中心にヨーロッパや米国・南米などで高い人気を得ることで、関連する収入が急増したと分析される。 国内ドラマや映画も数年前から中国・日本・東南アジアなどの各地で人気を呼んでいる。
 
 しかし、現時点では文化産業に収入よりも支出が上回っており、文化・娯楽サービス面での収支は相変らずの赤字である。昨年の文化・娯楽サービス支出は10億1780万で、トータル収支の数字はマイナス2億2380万ドルと前年より赤字が1億6110万ドル減ったものの、今までに一度も黒字を出すことができないでいる。
 
 昨年の知的財産権など使用料の収入も43億2050万ドル(約4兆8300億ウォン)で史上最大値となっているが、こちらでも収入よりも支給が多くてトータル収支は29億8120万ドルのマイナスであった。
 
ソース 東亜日報(韓国語) 2012-02-06 08:52:51
http://economy.donga.com/total/3/01/20120206/43816231/1

支那事変を自主終息させれば陸軍省の国内統制権はなくなる。だから東條陸相は日米交渉を妨害した。同じように財政健全化をやめれば大蔵省
の統制権力はなくなる。だから【2012-1-18作文】

一。
 Bob Cox 記者による2012-1-17記事「Electronic Arts claims First Amendment rights to use weapons, aircraft images in video games」。
  コンピュータ・ゲームに米国製の兵器を登場させたら、ゲームソフトメーカーは、その兵器のイメージ使用料を各兵器メーカーに支払うべき
だと軍需メーカーどもが主張している。エレクトロニック・アーツ社が、そのクレームに大反撃。

 カリフォルニアの巡回裁判所に訴えを起こした。そうしたイメージの無料使用権がソフトハウスにはあるのだという確認を求めて。論拠は米国
憲法の修正第1条。
 名指ししている企業は、テクストロン社と、フォートワースにあるベル・ヘリコプター社。争点になっているモノ(イメージ)は、アクション
ゲームの『Battlefield 3』などに登場する V-22 オスプレイ や、AH-1Z Viper 戦闘ヘリである。

 テ社とベ社は、エレクトロニック・アーツ社に対して、V-22 と AH-1Z と UH-1Y のイメージを『Battlefield 3』の中で使うのをやめろ、と要
求。これをエ社がつっぱねたあと、エ社の方から先制訴訟に踏み切った。
 ※墜落シーンでも含まれているのか?

 テ社とベ社いわく。これらのヘリコプターは、米国民の税金とDoDの発注により開発され調達されているが、同時に、私企業の私的トレード
マーク財産でもあるのだ。

 エ社の反論。合衆国修正憲法第一条は、表現や発言の自由を保障している。これら航空機はパブリックドメインとして世界中で見られるものに
すぎない。よって商標だとかコピーライト保護の、対象外のはずである。

 昨年、米連邦最高裁は、ビデオ・ゲームに、他のエンタメや政治的発言同様の憲法上の保護を与えるとしている。

 商標関係の法の精神とはまず、人々に、ある製品を誰がこしらえたのかについての混乱をさせぬことにある。
 たとえば有名なコカコーラの商標は保護されている。他企業は「コカコーラ」だとか「Coke」だとかの商品名を自社の製品に付けることはでき
ない。しかしジェネリックな「コーラ」を製造し、赤白模様の缶に詰めて売ることは特に差支えないのだ。

 DoDでは、軍が映画やテレビに協力すること、それから、兵器が芸術の小道具として使われることは、良いPRになると考えている。

二。
 Gretel C. Kovach 記者による2012-1-16記事「Japanese forces and Marines train in Iron Fist」。
 来月、また、Camp Pendleton の海兵隊が、陸上自衛隊と合同で、上陸演習を行なう。
 陸自からは200人が参加する。佐世保の西部方面隊だ。
 鉄拳(アイアン・フィスト)演習は2006にサンディエゴ郡で始まった。いらい、年に1回実施されている。
 今年は海兵隊と海軍が400人出る。第15海兵遠征隊だ。
 陸自の第一陣は月曜午後に南加州に飛来した。基礎的漕舟訓練は日曜日に Coronado にて予定。
 なお豪州のダーウィンへのローテーション派遣は、サンディエゴの西海岸海兵隊だけでなく、Camp Lejeune(ノースカロライナ州)の東海岸
兵隊からも行くことになる。
 
 ※1941の日本軍は、今なら勝てるという目算があったので米国に挑戦した。ところが今のイランや北鮮には、米軍に勝てるという目算など終始
一貫まるで無し。だから米国がいくら挑発しても無駄である。

■最近のランドセルの金具に感心す。背嚢もこのくらい工夫すれば?【2012-1-19作文】

三。
 ストラテジーページの2012-1-18記事「Too Much Is Enough」。
 米軍はこれから兵力15%の削減に入るが、特殊部隊だけは逆に、増加される。
 米四軍の特殊部隊(コマンドー作戦可能な部隊)は現在、海外に1万人が展開されている。
 特殊部隊員を育成し維持するのはカネがかかる。予算が4倍となって、はじめて人数を倍にできる世界だ。
 新装備よりも新兵をあつめることが大変だ。特殊部隊員は死なないが「燃え尽きる」。常に補充が必要なのだ。
 戦地での情報収集にしろテロリスト狩りにせよ、肉体とメンタルをひどく消耗させる。何年も家族には会えない。燃え尽きた隊員は、去って行く。
 一人前のコマンドー隊員の育成には3年かかる。どんなミッションでも任せられるようになるまでには、さらに数年が。
 募集した特殊部隊員の半数は、「完成品」になる前に淘汰されていなくなる。
 イラクやアフガンの統計によれば、陸軍や海兵隊将兵よりも、特殊部隊の死傷率は低い。
 育成に年季の必要な特殊部隊員は、たいてい、年嵩であり、妻帯者である。所帯持ちである。これがまた個人の精神疲労を倍化する。
 特殊部隊の世界でODAといえば、それは Operational Detachment A、別称「Aチーム」である。

■2月の「読書余論」は大ボリュームになります【2012-1-21作文】

三。
 ストラテジーページの2012-1-20記事「Chinese Sailors Amuse Themselves At Sea」。
 シナ海軍の駆逐艦ソマリア沖をパトロールするようになって4年だが、水兵たちはダレてきた。
 母港に戻るまで8ヶ月間もの長期遠征だ。無理もない。水兵がスパイにとりこまれるのをシナ軍上層部が警戒するあまり、彼等は上陸もさせて
もらえない。
 代わりに「ナンチャッテ病院船」がやってくる。これは上陸休暇の代わりに、バーチャル・リゾートを水兵どもに提供する「娯楽シップ」であ
る。しかし格好付けのため、アフリカ沿岸にも寄港し、独裁政権に対して安価な医薬を提供して去る。だが最近、現地のマラリア患者のあいだで
シナ製の偽薬が大量に出回っていることが、大問題となっている。
 シナ水兵たちの一般的な娯楽はインターネット・ゲームだが、シナ軍は将兵のあらゆるネット接続も嫌う。そこで、妥協の措置として、駆逐艦
内の兵員娯楽室にLAN環境をしつらえ、そこだけで完結して遊べる、シナ語版の「ネトゲ」が提供されている模様である。
 哀しいね……。
 

■イランが初号原爆には程遠いと分かり焦点はますますフィリピン【2012-1-9作文】

一。
 VLADIMIR ISACHENKOV 記者による2012-1-8記事「How threat of loose Soviet nukes was avoided」。

  ソ連崩壊直後に懸念されたのが、独立した旧ソ連諸国の兵器庫から戦術核弾頭が闇に流れテロリストの手に渡りニューヨークで爆発するこ
と。しかし旧ソ連将校は誠実に兵器庫を守り、米国は billions of dollars の資金を投じて、この拡散を阻止させた。

 ソ連崩壊から20周年になるが、ただの1発も流出しなかった。
 行方不明になったものもない。そんなものがあればとっくに大騒ぎになっている、とインサイダーが確言。

 元駐ウクライナ大使で国務省のキャリアであり現在ブルッキングス研究所で軍備管理の推進を唱道している Steven Pifer いわく。
 考えてみなさい。テロリストが核弾頭を入手したなら、一刻も早くそれを使うに決まってるでしょ。
 どこにも核爆発が起きてないってことは、核弾頭はすべてちゃんと管理されているという証拠なのです。

 1990年代前半はヤバい環境だった。それなりの待遇を得ていた旧ソ連将兵が市場に放り出され、タクシー運転手や警備員をせざるを得なかっ
た。誘惑とチャンスがあれば、軍の需品でも情報でも何でも換金しかねなかったろう。

 米国がいちばん心配したのが、核地雷と核砲弾。それらはコンパクトなので密かにニューヨークに持ち込んで起爆させるテロ用としてふさわし
い。しかも貯蔵場所が、紛争地区に近かったのだ。

 次の達成目標だが、それは、ベラルス、カザフ、ウクライナに未だ配備されたままの、ロシアの戦略核を撤去してしまうことだ。
 ベラルーシカザフスタンはロシアに協力的するといっているが、ウクライナの態度が不可解だ。何年も何年も彼らはゴネ続けている。その目
的が分からない。あきらかに彼らはその戦略核を自国のものとしたらどうなるかを想像している。なにしろ、それをすっかりじぶんのものにでき
れば、ウクライナは一躍、「世界第三位の核大国」になれるのだ。

 1992年にウクライナ政府は、そんな核兵器を維持する予算もないし、訓練された人材や組織も欠いていると結論したものだ。が、指導層内の一
部が、異論を抱いている。
 しかし1986のチェルノブイリ事故がウクライナ内で起こったことは大きい。あれ以来ウクライナ国民は、核は良いものだとは思わなくなってい
る。戦略核保有国になろうなんて騒いでいるウクライナ国民はいないのだが。
 核の引渡しを渋るウクライナ政府に対して米国は経済制裁をほのめかして強い脅しをかけている。
 ウクライナの大統領にいわせると、「金をやるから核弾頭を廃棄しろといわれてもねぇ……。核を捨てたあとのウクライナの安全を、すべての核
保有国が保障してくれませんとねえ……。そんな保障はないでしょう?」
 ウクライナに駐留していたジェット機の操縦将校が、「ロシアとウクライナ、どっちに忠誠を誓うのか」と迫られ、全員、ロシアへ飛んで帰っ
たという事件が1992-2には起きている。
 ナンとルーガーのふたりの上院議員のイニシアチヴで、米国はロシアに核弾頭運搬用の「特製鉄道貨車」をプレゼントしたり、原潜まるごとモ
スボールするのを手伝うという。
 イランがロシアの核技師を雇おうとしているのは間違いない。確認されている一人は、 Vyacheslav Danilenko である。彼は何年もイランにい
た。爆縮用の起爆システムの専門家も募集されている。
 騒がせ屋もいた。Gen. Alexander Lebed は1996に、スーツケース原爆などが数十個も行方不明だと発言した。ロシア当局はその発言内容につ
いて否定した。
 この大将、2002にヘリ事故で死んだ。
 核管理倉庫の警備をしているロシア部隊は、1996発言の後、総チェックをしている。失なわれた核部品は無かった。

■暖冬ですかね【2012-1-10作文】

四。
 星条旗新聞の2012-1-9 記事「Minnesota man admits to abusing 2 boys on Kadena a decade ago」。
  10年以上前、嘉手納に勤務していた Joshua Gardner(29)が10年以上前の性犯罪を告白。12歳以下の二人の少年を犯したという。
 この告白で被告は無期懲役を逃れるが、懲役10年になるかもしれない。
 ガードナーは1997から2002まで沖縄にいた。
 ところがこいつが軍人なのか、また、被害者は軍人家族なのか、嘉手納基地ではいっさいコメントをしていない。

五。
 Spencer Ackerman and Noah Shachtman 記者による2012-1-9記事「Almost One In Three U.S. Warplanes Is a Robot」。

  米四軍を総計すると、すべての航空機の31%がもはやドローンだという。軍用機の三分の一はロボット化しているのだ。
 これは陸軍の手投げ偵察機Raven の数がやたらに多いためだ。現在、陸軍は 5,346 機もRavenを有している。

 しかし2005には、米軍機のうちたった5%しか無人機はなかったのだから、途方もない拡大だね。

 いま、ドローンの総数は 7,494 機。有人機は 10,767 機だそうだ。

 プレデターは、161機。
 38機の Predators/Reapers がイラクとアフガンで墜落している。

 この墜落レートは順調に下がっていて、今では、F-16有人戦闘機と事故率において互角だという。

 グロホ1機で500 megabytes per second の周波数帯を消費する。これは1991湾岸戦争で米軍全体が必要とした周波数帯の5倍にもあたる。

 空軍は超音速巡航する無人機を2034までにつくる計画である。

■風呂の煙突の隙間は塞ごう【2012-1-11作文】

一。
 ストラテジーページの2012-1-10記事「China Rolls West」。
  ウズベキスタンカザフスタンタジキスタンキルギスタン。ロシアとシナはこの五カ国への支配力を確保しようと相争っている。
 シナ製製品は五カ国にあふれている。しかし五カ国はシナを恐れている。それでモスクワに外交的に接近している。

 中共による五カ国への経済侵略は、農地の買い上げと、工場へのシナ人派遣という形をとる。

 ロシアも五カ国も輸出品は石油や天然ガスであり、商品ではない。五カ国は商品をシナに依存している。
 他方、五カ国はロシアには何の商品も依存していない。

 五カ国は、中共が国内のインターネットを統制しているやり方をそっくり導入したい。五カ国はすべてあからさまな独裁体制である。

 五カ国のうち最も貧乏なタジクは、「人」を輸出している。海外への出稼ぎだ。GDPの三分の一は、出稼ぎからの送金なのだ。これは政府に
とっては都合が良い。政府をおそれぬラディカルなイスラム主義グループにリクルートされる若者が、国内のどこにも見られぬわけだから。

 中央アジアのドラッグ・ギャングはアフガニスタン産の阿片やヘロインをロシア国内に運び込むので昔から問題だった。彼らは今や、パキスタ
ン領内や海を経由して、そうした麻薬をシナへも密輸している。シナ国内での麻薬の最大消費地は、大都市の集中する太平洋岸だ。
 またロシアは、中央アジアから西欧へ麻薬を密輸するためのハイウェイにも利用されている。これにはロシア人ギャングが連携している。

 イスラム過激派と、麻薬ギャングは、対立関係にある。後者が優勢なので、現状では、五カ国内でのイスラム過激主義は、運動として、伸びない。

 トルコとイランも五カ国に影響力を及ぼしたい。トルコは見本になる。しかしイランは歓迎されていない。ちなみにイラン人の25%はトルコ系
だという。

 タジクの過激分子は、CDに過激文書を焼いて撒布している。
 タジクでは石油採掘現場の労働者が待遇改善を求めてストライキ。政府は解雇でそれに応酬している。


■寒過ぎるので『南太平洋』の特典映像バージョンを見たら、改めてカタリナ飛行艇の細部デザインに感嘆。しかし中尉以外はなんでマラリア
罹らん?【2012-1-13作文】

一。
 Bill Sweetman 記者による2012-1-12記事「New Threat Environment For Cyberattacks」。
  イランの核開発をステュクスネットが2010に止めたのはお手柄だが、話はそこで終わっていない。
 まず最近の用語。サイバーエスピオナージのことは、ネット搾取(cybernetwork exploitation=CNE)と呼ぶ。すべてシナ発だが、外交の世界
ではそれを「新型で持続的な脅威」(Advanced Persistent Threat=APT)と言い換えることにしている。
 こいつのおかげで米軍は兵器開発計画をすっかり遅くされてしまっている。シナ人の触れることのできない資源調達先を考えねばならないからだ。

 2006に世間公知となり、2011にいよいよあからさまで大々的となった、シナ発の、米国企業や政府機関への大規模侵入。特に防衛機関に対する
侵入のパターンには特徴がある。それは、国家スパイ機関以外(のたとえば個人の愉快犯罪者)には、まったく用のないターゲットを狙い続けて
いること。

 APTは、2011に大記録を達成した。3月に、24,000 files もの米国の国防計画関連の秘密データを盗取したのだ。
 そしてセキュリティ企業のマカフィーは2011、Operation Shady Rat という逆侵入作戦をやってつきとめた。敵が興味をもっているのは、政府
として興味のあることばかりである(個人の興味ではない)。そして、アジアではシナ以外のすべての国が被害に遭っている。

 1976-9にベレンコ中尉がミグ25Pで函館に亡命した結果、ソ連軍はレーダー・システムをぜんぶ作り変える必要に迫られた。同じことが米国に
も起きたのではないか。
 2011-3の中共によるサイバー盗取の結果、米国はいくつかの兵器開発を初めからやりなおさなければならなくなったはずだ。しかしペンタゴン
はその被害の実態を隠している。

 ひとつの措置がとられたことは判明している。米国では、ペンタゴン所轄の事業に関する秘密の情報を扱うコンピュータを、インターネットや
公共通信網に、有線もしくは無線で接続することが禁止された。
 これによって、すべての新兵器の研究や開発に要するコストが、20%増えてしまうと試算される。データのやりとりだけでも、えらく手間と時
間がかかるようになるからだ。

 これは、国防関連の話にはとどまらないだろう。
 programmable logic controllers (PLC) や、supervisory control and data acquisition (Scada) systems は、発電所や工場などで、広く採
用されている。しかし、そのシステムは、無線や有線で公共電話回線につながっている。そのようなシステムは、必ずシナ発のサイバー攻撃でや
られる。電子のパールハーバーだ。
 特に発電所や銀行決済システムなどは、普通の電話回線とは、遮断しておかなければならない。閉鎖的で固有な完結した通信網を各業界が構築
する必要がある。その投資が、これから必要である。
 ※もともと自衛隊は、電電公社とは別建ての「防衛マイクロ通信網」で全国の基地をネットしていた。オレはその基地間電話をロハでかけたこ
とがあるが、音質も上々だった(あたりまえだ)。要するに、その時代に戻せば良いだけじゃね?

 英国は、サイバー・セキュリティを国家のアセットにする決意だ。暗号解読セクションであった Cheltenham の政府通信司令局が、民間の頭脳
も借りて、大々的にこれに取り組む。

二。
 Erin McCarthy 記者による2012-1-12記事「Why the Glock Became America’s Handgun」。
  『ビジネス・ウィーク』のPaul Barrett記者にいわせると、銃器産業くらい米国の歴史や政治や法律や文化や、絶え間ない論争と結びついた
ものはないそうだ。
 そのバレット君が一冊をものした。『Glock: The Rise of America’s Handgun』。今週発売だ。
 グロック拳銃は1980年代にデビューした。いまじゃ、世界中で見られる。
 なんでこんなに急速に人気商品に?


 ガストン・グロック氏は、大儲けしました。彼は最初、この拳銃を、オーストリー陸軍のために売り込もうとしたわけです。
 墺軍の拳銃はWWII時代のものしかなく、いいかげん、更新が必要でした。そこでグロック氏がコンペに手を挙げたのですが、彼は設計者では
ない。テッポウとは何の関係もない工場の経営者なんです。むろん、エンジニアではあったのですが、銃器関係じゃない。銃器の製造にかかわっ
た経歴も、ありませんでした。
 そんな門外漢の彼が、一枚の紙ペラに落書きしたようなアイディアをもとに、各部門のエキスパートを糾合して野心的な新拳銃を開発すると
言った。そのような無謀な提案が、墺軍によって採用されたものですから、世間はびっくりしました。また、じっさいに完成度の高い新ピストル
ができあがりましたので、二度、驚かされたという次第です。

 ちょうど米国では、犯罪者どもの「火力」が警官の スミス&ウェッソン .38スペシャル・リボルバーを上回るようになっていたんですよ。そ
れをハッキリとさせた事件が、マイアミで1986に起きた、精神のイカレた銀行強盗団とFBIとの間での銃撃戦でした。
 もっと新型の拳銃が公安官にも必要だぞ、と思い始めたところへ、ちょうどグロック氏がやってきて、「わたくしが未来の拳銃をご提供いたし
ましょう」と試供品を差し出したんです。

 その10年前、アメリカの自動車産業界は、後ろから知らぬうちに忍び寄っていた日本と西ドイツのメーカーによって、まんまとズボンをずりお
ろされちまいました。同じことが、こんどは、拳銃業界で起きたわけです。ガストン・グロックの名前は、アメリカでは全く無名だった。「未知
の強敵、あらわる」でした。

 警察に採用された実績を梃子として、民間市場でも売り上げを伸ばしました。

 業界の外に居たという立ち位置が、彼の拳銃眼を未来志向にしたのでしょうか?

 その通りです。グロック氏は、この新拳銃のために、まったくあたらしく工場を建設したのです。工場建設が、彼の専門でした。それはグロッ
ク拳銃を製造するためだけの専用工場で、ものすごい効率的なラインとなりました。

 だから、全世界の市場におけるライバルとのコスト競争に勝利したのです。米国では古なじみのスミス&ウェッソンは、敗退させられました。

 グロック拳銃と、従前のリボルバーを比較しましょう。
 タマは、グロックは17発、リボルバーは6発です。
 引き金を引くのに必要な力は、リボルバーはダブルアクションですから12ポンドですが、グロック拳銃は5ポンド強。

 銃口がブレないという点では、引き金は軽い方が良いわけです。あまり実弾の訓練をしていない警察官でも、初弾から当てることができます。
グロックならば、カラ射ち練習が、そのまま実弾訓練と同じになるのです。

 銃全体も軽いため、これを腰につけて8時間から10時間勤務しても、疲れません。なにしろ、文字通り、プラスチック製の拳銃ですから。
 プラスチックなのに素材は薄い。だからかさばりません。
 そして錆びませんから、手入れを怠けていても、ちゃんと動いてくれます。
 他の自動拳銃と異なり、銃の外側には、引き金を固定する安全装置はついていません。その代わり、メインの引き金とは別に「小引金(ベ
ビー・トリガー)」が設けられている。
 主引金とこの副引金の双方をいっしょに指で圧しない限り、タマは出ない仕組みなのです。

 部品点数は、タッタの36〜38個です。他の自動拳銃ならばどうしたってこの倍にはなる。
 『グロック17』と『グロック19』は部品に完全互換性があります。どちらの部品をどちらに使ってもOK。
 警察署にはたくさんのグロックが置いてありますから、これは便利でしょう。

 さいしょ、この銃が米国に紹介されたとき、空港の金属探知をすりぬけるのではないかと、大問題にされました。1986と87にはこの問題が連邦
議会の公聴会に発展しています。そしてNY市は、グロックを禁止しました。

 しかしこれらのイチャモンは不当なものだったのです。空港のX線装置は、プラスチックだってそのまんまの形でちゃんと映し出します。それ
と、グロックのスライド部分は鋼鉄です。バレルやバネはもちろん金属ですが、スライドも、プラスチックではないんです。金属探知機には間違
いなくひっかかりますよ。

 グロックが犯罪人によく使われるという説も間違いです。ほとんどの犯罪者は、貧乏人です。グロックは、高級品の中では価格競争力がありま
すが、「サタデイ・ナイト・スペシャル」と呼ばれる路上強盗御用達の安物拳銃とはくらべものにならぬほど良い値段がついています。
  .38 Smith & Wesson revolversの方が、よっぽど、犯罪者の間でたくさん所有されているでしょう。つまり、かつての警察官の標準拳銃です
がね。

 ところでトリビアグロックが最初に映画に使われたのは?
 『ダイハード2』です。誰か頭の良い小道具係が入れたんでしょう。脚本家は、ブルース・ウィリス(ロサンゼルス市警の捜査官の役)にこう
独白させています。「あのパンク野郎はオレに『グロック7』を向けた。そいつがどんなものか知ってるか。ドイツで造られた磁器製の拳銃さ。
空港のX線映像では見えない。値段はお前の月給よりも高いんだ」。
 ムチャクチャな言及です。ひとつとして正確な情報はありません。ところが、それが良かったのです。マニアは、テレビや映画の中に出てく
る、関心があるアイテムについての嘘や誤りを見つけて、パブリックに語るのが大好きなのですから。これでブームに火が付きました。

■映画の『大脱走』の収容所の位置は謎だ。スペインにはボートで、スイスにはオートバイで辿り着ける場所とは?【2012-1-14作文】

一。
 JOHN F. BURNS 記者による2012-1-11記事「Latter-Day Dig of ‘Great Escape’ Tunnels Humbles Modern Engineers」。

 1944にドイツの収容所から脱走したRAFのスコードロンのリーダー、Roger Bushell は、処刑された。
 その収容所は、当時はドイツ領内だったのだが、今はポーランド領になっている。
 ベルリンからだと130マイル南東にある。町の名は Zagan。

 1963年の映画『The Great Escape』は実話に基づいている。集団脱走が決行されたのは、1944-3-24の夜であった。
※てことは掘っていたのは冬の間かい。だからポーランドでありながら排水の必要はなかったんだな。

 76人が逃亡して、そのうち73人はまた掴まっちまった。そして50人はヒトラーの命令で銃殺された。
※3人は逃げ切ったのかよ!

 ロンドンの物好きなTV番組『Wildfire Television』は昨年夏、英軍工兵隊の専門家を帯同して、いまや埋め戻されているといわれるその
「ハリー」&「ジョージ」トンネルの現場を検証し、同じようなものを掘ってみた。しかし危険すぎるため、うんと浅い地中で再現した。
 ロンドンでは昨年後半に放映済み。

 もとのトンネルは、地表から30フィートも下を水平に掘り進んだ。土地は砂成分が多くて崩れやすい。

 旧収容所は60エイカーの広さで1万人の捕虜を収容できた。

 現代の専門家いわく。当時の捕虜たちには時間という資源がふんだんにあったので、いろいろな智恵を出し合って、トロッコや通風装置をこし
らえたんでしょう。

 映画は、Paul Brickhill が書いた原作に基づいている。
 ちなみに史実では、そこには、アメリカ人空軍兵の Virgil Hiltsは存在しなかった。したがって、BMWオートバイでドイツ兵に追いかけら
れることも、クーラーでの一人キャッチボールもなし。
 ※登場人物全員がイギリス人だとアメリカ市場でウケるわけがないので、誰が見ても英国兵ではないスティーヴ・マックィーンを混ぜて何かを
させる必要があったわけ。

 収容所は、ソ連軍がやってくる直前にドイツ軍の手で破壊された。
 TVチームは、ハリーは発見できなかったが、ジョージの痕跡には到達できた。ハリーは砂の崩壊で自然に埋まったと思われる。

 トンネルの天井と側面は、やはり、板で支えられていた。
 2011時点で、この収容所にいたことのあるFrank Stoneが 89歳で存命。
 収容されていたとき、ストーン氏は、ビスケット缶でラジオをこしらえたという。ストーン氏は脱走に参加せず、よって生き残り、1945にソ連
軍によって解放された。

二。
 AFPの2012-1-13 記事「N. Korea Test-Fires Short-Range Missiles: Official」。

  北鮮は東海岸で3発の短射程のミサイルを発射した。
 これらは KN-02 missiles (射程 75 miles)らしい。


 金正日が死んだとアナウンスされた12-19にも2発の短射程のミサイルが日本海に向けて発射されている。

 先軍のことは "songun" という。

 1-8には三代目がナンチャッテ戦車を操縦するシーンが。
※これは金一家の逃亡用の車両だね。シナまで逃げるためには水陸両用である必要がある。

YouTube: 金正恩大将が戦車・戦闘機を操縦する場面

三。
 ストラテジーページの2012-1-13記事「The Ultimate Reality Show」。

  マラッカ海峡は1日に200隻が通過する。
 昨年、シナは、船舶建造世界1位の地位を韓国に譲り渡した。
 過去3年、シナと韓国はこの分野で首の差の競争をしてきた。
 シナ、韓国、日本を合計すると、この3国で、世界の船舶の8割以上を造り出していることになる。

 世界不況はシナの造船所も直撃した。なんと、仕事量が半減したという。

 1世紀前の米国の経験によると、商船をやたら造った国は、そのノウハウを次に軍艦に活かしてくる。

 シナは韓国や日本と違ってイラン原油の買いつけを絞るつもりはサラサラない。結果として、イランにとってシナだけが原油の買い手になる。
するとシナの立場は強まり、イランに対して安い価格を命令することができる。

 1-6、インド空軍は、30名でシナを訪問する予定をキャンセルした。理由は、シナ政府が、Arunachal Pradesh地区出身のインド士官1名にビザ
を発給しなかったから。この地区についてシナは領有を主張している。チベットの一部だというのだ。
 同地区は 84,000 square kilometers の山岳である。

 1-4に日本のオフィシャルが、尖閣諸島のひとつの島に上陸して2時間そこにいた。

■10円を節約しても10万円の無駄をしたら家計は成り立たぬ。【2012-1-15作文】

二。
 AFPの2012-1-14 記事「U.S. Draws Up Contingencies in Case Israel Attacks Iran: Report」。
  『WSJ』の1-13号によれば、米政府は、イスラエルがイランを空爆した場合の対応をすでに策定し終えた。

 たとえば、バクダッドにある米大使館を、プロ・イランのシーア派の暴徒が怒って襲うという事態が考えられている。
 イラクからは米軍は撤収したが、1万5000人ものアメリカ籍の文官や民間人がひきつづいて滞在中である。

 クウェートには、イランを抑止するために15000人の米軍部隊が駐留中。また、すでに遊弋中の空母艦隊に加え、さらにもうひとつの空母艦隊
ペルシャ湾に向けて移動させているところだ。

三。
 Kalee Thompson 記者による2012-1-13記事「Almost Nome: U.S. Icebreaker About to Reach Cut-Off Alaska Town」。
 
 米コーストガードの砕氷船が、アラスカでとつぜん石油飢饉に陥った Nome市にやっとこさ、物資を届けましたとさ。(略)
 米国は北極海域に砕氷船をたったの1隻しか配備していない。それが、長さ420フィートの『Healy』である。母港はシアトル。地理学者たちの
海底地形地図作りに協力しおえたところだった。しかし85人の乗員の上陸は延期になった。
 ロシアの船舶はすべて、軽度の自力砕氷能力がある。しかし、本当の砕氷船ではないから、ヒーリーが先導しないとノームまではやって来られ
ないのだ。
 ※南氷洋捕鯨調査も、モノホンの砕氷船にさせるのが利口なのである。なぜならシーシェパードのボロ船や高速ボートには砕氷能力がないの
で、氷海を突っ切れば敵をまいてしまえるからだ。ちなみに水産大学出の若い元気な乗組員たちは全員、ガタイが異常に良く、もし船の上にテロ
リストどもが乗り込んでくれば、肉弾格闘戦ではまず負けないだろうという下馬評である。むしろ、手薬煉引いて待っているのだ。
(略)

■橇は撓んだ方が良いのか撓まない方が良いのか?【2012-1-16作文】

二。
 ポーランド軍参謀総長の Gen. Mieczyslaw Cieniuchへのインタビュー記事。2012-1-16公開。
 
 大将は先週、はじめて米国を公式訪問した。(略)

 ポーランドはGDPの1.95%を国防に投じており、その額は縮減傾向にはない。これは欧州の国家としては珍しい。

 米軍はいつでもポーランド領内で演習してください。合同演習をしましょう。
 米軍には、できればポーランド国内に大きな基地を持って欲しい。ドイツにあるような基地をね。しかし私は大蔵大臣ではないので、その建設
資金をポーランドが出しますよ、とは約束できないのです。(略)

■視察旅行は何が困るかといって、入間が都内から遠いため日程の前後1日づつ東京で私費泊しなければならない。そのカネがない。3月だと借
家前の雪掻きもできなくなる。だから辞退。【2012-1-17作文】 »
一。
 Chris Carroll 記者による2012-1-16記事「As technology evolves, military wrestles with preserving vital engineering data」。

  米軍の航空機や車両、そのエンジンや電装のデータは、CAD (computer-aided design) にされて管理されている。
 整備員はラップトップPCにアクセスし、そのデジタル・データを頼りに仕事をしているのだが、大問題がある。部品の仕様がアップデートさ
れたときに、その情報が、すでに整備員が愛用しているラップトップ内には反映されないこと。(略)

 三次元CADは軍の装備の世界には15年くらい前から普及した。それ以前は2次元の図面しかない。

 いま、あたらしい軍艦を進水させますと、その現役寿命は50年と予測できます。ところがそれを設計するときに使ったCADのソフトウェア会
社は、18ヵ月後にはもうバージョンを変えてくるのですよ。
 このときいちばん迷惑なのが、ソフトウェア会社が最新バージョンに盛り込んでくる、余計な「便利機能」です。リリース当時には売り物で
あった「便利機能」は、バージョンが変わると、もう使えないんですからね。

 軍用機の世界ではまだ事故は起きていない。民航機の世界では典型的なトラブルが報告されている。すなわちエアバスA380を国際共同で製
造するときに、CADのメーカーは同じだったのだが、各社で使用していたバージョンが異なり、このためにできあがった部品の寸法が相互に合
わなくなって、部材がうまく接合しなくなり、製造は遅延した。

 伝言ゲームと同じですよ。どんどんズレていく。
(略)

二。
 AMY TEIBEL 記者による2012-1-16記事「Hackers disrupt Israel airline, stock market sites」。
  月曜日に、サウジアラビアハッカー集団その他が、イスラエル証券取引所と、国営航空会社のネットを荒らした。

 ある犯行グループは、40万人分のイスラエル人のクレジットカード番号を盗取したと声明。

 イスラエル国内には、ヘブライ語のラジオ放送中に英単語を用いるのをやめろと叫ぶグループも存在する。彼等は、「ハッカー」の代わりに
「パッチャン(patzchan)」と言え、と主張している。

経済コラムマガジンから

アクアデータ企画を営む荒井彰さんが発行。
http://adpweb.com/index.html
しかしHP作成を業務に掲げる割には一昔前の佇まい。せめてリンク切れは直したほうがいいのでは。
そして結構アンチもいるようで、原発でミソつけたらしい。
で、荒井さんが所属するのが丹羽塾。
日本経済再生政策提言フォーラム 丹羽春喜
http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/
フォーラム代表は加瀬英明さん。。
経済論には賛成するものの、やはりセンスの無いHPと怪しいリンク先で信頼感を損ねていると思う。
 
財政破綻論=国債増発財政支出論には敵が多い。
破綻論は「わかりやすい」のに対して反破綻論は、荒井さんも書かれているが、まどろっこしい。
借金増えても破産しないというのは庶民の家計簿感覚に反している。
反破綻論者はこれを分かりやすく説得しなくてはならない。
 
(以下単純化した論理)
 
(1)政府の借金は借入と返済が廻っている分には中立。(金利は掛かるが貨幣価値は長期下落)
(2)政府の収入=民間からの資金吸収。政府の支出=民間への仕事の発注。
(3)増入・減出=景気悪化。減入・増出=景気好転。
(4)政府の行動と景気の変動にはタイムラグがある。
(5)増入・減出=(短期)財政好転(中期)景気悪化。減入・増出=(短期)財政悪化・(中期)景気好転。
(6)景気好転を目指すとして、問題は、(短期)財政悪化<(中期)景気好転、と言えるかどうか。
  
どうも反破綻論者は(6)の観点を飛ばしガチである。
日本は供給能力=稼ぐ力のある国なのである。
仕事があれば稼げるガタイの良いあんちゃんみたな国なのだ。
反破綻路者は、日本だから積極財政でよいのだ。ということを付言すべきだ。
そうじゃなかったら北朝鮮ギリシャも積極財政すりゃいいじゃないか?という話になる。
もちろんダメだ。なぜなら供給能力が無いからだ。供給能力が無いのに積極財政すればインフレになって終わりだ。
 

財政破綻のすすめ
http://adpweb.com/eco/eco690.html

(略)
経済学が数学を利用するのは分るが、彼等は数式に乗るよう経済現象を過度に単純化したり、非現実的な仮定を用いまた現実離れした前提条件を置いてモデルを構築し分析する。例えば「生産要素(生産設備・労働)は常に100%使われている」といったばかげた仮定を平気で用いたモデルで「財政支出による追加的な需要はハイパーインフレを招くだけ」という、絶対に有り得ない結論を導き出しこれを喧伝している。

彼等は得意の数学を駆使し精緻な分析を行うが、肝心の前提条件がボロボロであるため、現実離れした結果が出る。ところが一頃、ケインズ経済学への反発からか(ソ連の崩壊前後から)、この手の経済学者がノーベル経済学賞を受賞するケースが増え、彼等こそ経済学者の本流と勘違いされた。日本では彼等の一派が長らく「そのうち円や日本国債の暴落が起る」と主張している。ところが現実の経済の動きは全く逆に動いている。

しかし彼等は、現実の方が間違っていると言い訳を捜し回る。(多くの場合「国民の金融資産が大きいから破綻の時期が遅れているだけ」と苦しい弁明を行う。これを言い始めてどれだけの歳月が過ぎたのだ。)自分の経済モデルは正しいが、規制緩和が進んでいない現実経済の方が間違っていると言って逆ギレする新古典派(ニュークラシカル)のエコノミストと似ている。

彼等にとって現実の経済の動きより、自分達のモデルの正統性の方が大事なのであろう。とんでもないこの種の経済学者は、自分達のいい加減なモデルに合うよう社会の方を変えることを主張する。まさに「構造改革派」とは彼等のことである。

(略)
ここで小林教授の文章で最重要なキーワードである「財政破綻」の説明をする。教授は、増税財政支出削減は無理であり、結果的に足らない財源は国債を発行し、これを中央銀行(日銀)が買入れる他はないと結論付けている。そしてこの中央銀行国債を買う事態をまさに「財政破綻」と定義している。

つまり何てことはなく筆者達が主張しているセーニアリッジ政策を「財政破綻」と呼んでいるだけである。おそらく日銀による国債買入れだけでなく政府紙幣発行も「財政破綻」と言うのであろう。しかし日銀による国債買入れは毎月行われていることであり、日銀の国債保有残高は70兆円程度あると推定される。つまり日本は既に教授の言うところの「財政破綻」状態がずっと続いていると言える。

しかし一方の「財政破綻」(中央銀行による国債買入れ)の「経済厚生上のコスト」を測る計量モデルがないことを教授は指摘する。そして「財政再建増税財政支出削減による)と破綻のコストの比較考量が重要」と一つの結論を出している。

そしてもう一つの結論が「財政が破綻するとインフレや銀行危機誘発」ということである。ここでいう銀行危機誘発とは、中央銀行による国債買入れによって大幅なインフレが起り国債価格が下がり、つまり国債価格の暴落によって銀行の経営が危機に陥るという話である。

ここから小林教授の文章の中で明らかに事実と違う点を指摘する。まず「中央銀行による国債買入れによって大幅なインフレが起る」という箇所である。今日の日本のように大きなデフレギャップが存在する場合、中央銀行国債買入れによる追加的な需要増(財政支出の増加)があっても簡単には物価上昇は起らない。さらに今日の消費の構成は、需要が増えることによってむしろ価格が下がる物の割合が大きくなっている(電化製品や通信関連消費など)。

実際、日本で日銀が国債の買い切りオペを始めてからそれが原因で物価が上昇したという話は聞かない。むしろ財政支出を増加させるため、もっと大胆に国債を発行し日銀がそれを買入れるべきと筆者達は言っているのだ。またもちろん筆者達は、無制限に日銀の国債購入や政府紙幣の発行をしろと言っているのではない。国民が容認できる物価上昇の範囲内のセーニアリッジ政策である。

また「中央銀行による国債買入れによる大幅なインフレが国債の暴落を招き、国債保有している銀行の経営を危機に陥らせる」という表現がまことに奇妙と言いたい。中央銀行国債を買入れるのに、なぜ国債価格が暴落するのか明らかに矛盾している。極端な話、発行している国債の全てを買い切っても良いのである。

ただ文章の全体を通して面白いという部分がある(もっともそれがないのなら本誌でわざわざ取上げることはない)。前述のように「財政破綻」の「経済厚生上のコスト」を測る計量モデルがないことを教授が指摘している点である。小林教授は財政再建増税財政支出削減による)と「財政破綻」(中央銀行による国債買入れ)の経済厚生上のコストを測り、より厚生上のコストの小さい政策を選択すべきと述べている。

まさにこれこそ筆者が日頃主張していることである。セーニアリッジ政策によって有効需要が増え物価が上昇する可能性はあるが、これによってGDPが増え国民所得が増え消費が増える。一方、増税(消費税増税)や財政支出削減という財政再建政策なら確実に物価が上昇するが実質国民所得は減少する。両方とも同じ物価上昇が起ると想定されるが、筆者は明らかにセーニアリッジ政策(教授の言う財政破綻)の方が厚生上のコストは小さい(むしろコストはマイナスと思われる)と考える。

そして小林教授には是非ともこの研究を進めてもらいたい。ただ新古典派一般均衡モデルを使うのはやめてもらいたいものである。他にもっとましなモデルがあるであろう。

バーチャルな話
http://adpweb.com/eco/eco692.html

(略) 
世間には世界の経済の中心は既にアジアに移っていて、EUの金融・経済の混乱の影響は軽微という意見がある。しかしユーロの大幅な下落の影響は、世界中に波及し、おそらくこれが各国の通貨安競争を招くと思われる。増税による財政再建を進めようという日本の「円」は一番のターゲットとなりうる。財政再建政策を実行することは、ユーロについてはユーロ安要因、そして日本円に対しては円高要因になると筆者は見ている。

日本では、連日、民主党政権の「税と社会保障の一体改革」という話が話題になっている。増税を行って財政規律を回復しようという動きである。まさにドイツ主導で欧州が進めようとしているのと同じ政策である。

しかし不思議なことに日本の財政がどの程度悪いのかと言った根本の議論がほとんどなされない。政府の総債務残高がいつも問題にされているが、本当は総債務残高から政府が持っている膨大な外貨準備などの金融資産や公的年金の積立額を差引いたところの純債務額が問題のはずである。さらに10/1/25(第600号)「日本の財政構造」で取上げたように、日本の場合、日銀による国債の買い切りオペの残高もこれから差引く必要がある。筆者は、05/5/23(第390号)「ヴァーチャルなもの(その2)」で述べたように、日本政府の債務問題は「バーチャルなもの」の一つと考える。

しかしバーチャルなものだからと言って、これらを軽視しても良いという話ではない。歴史を振返ってみると、むしろ日本も世界もずっとこのバーチャルなものに振り回されてきた。日本も過去にバーチャルで虚構のようなスローガンに引張られ、大戦にのめり込んでいった。ところが戦後も物事の本質や根本を考えることを止め、「バーチャルなもの」を掲げこれを実現する事こそ「正義」と思い込む大バカ者が次々と現れる。彼等はよく「ネバーギブアップ」と唱える。

「バーチャルなもの」だったはずのものが稀に実現することがある。ロシアの共産主義革命や中国の文化大革命もその例ということになろう。しかし元々「バーチャルなもの」で虚構なのだか永続・発展するわけがない。人々の大きな犠牲を伴いながら、そのような体制は崩壊してきた。日本政府の債務問題も「バーチャルなもの」であり、これに対する財政再建運動が始まってから人々の不幸が大きくなり、むしろ日本の財政は悪くなった。

「バーチャルなもの」に取付かれやすい人がいる。物事を論理的、あるいは合理的に考えない人々に多い。彼等は科学性が欠落した思考を行い、また考えが元々論理的でないからどれだけ間違いを指摘されてもめげない。昔習った古い財政学の教科書が全てと思い込んでいる人々もその一種である。

彼等は日本の財政状態を世界中で最悪と決め付けるが、日本の国債の利回りが世界最低という事実については目をつぶる。また財政状態がそれほど酷い国の通貨が買われるはずがないのに、今年の日本経済のリスク要因の一つが円高懸念となっている。しかし彼等はその事については聞かないふりをする。また彼等は為替介入で誤魔化しておけば良いと目論んでいる。実際、昨年は7〜8兆円もの為替介入を行った日もあった。おそらく増税が実現する可能性が高くなるにつれ、前段で述べたように円高圧力は強まるものと筆者は見ている。

今日、日本の財政についての考え方で三つのグループに別れる。まず筆者達のように日本の財政には大きな問題はないという者は少数派であるが一つのグループといえる。我々は政府紙幣の発行という手段があり、またそれが無理としても日銀が国債を買えば良いと考える。

後の二つのグループは本当に日本の財政が悪いと思い込んでいる。一つのグループは純粋に財政再建には大きな増税が必要と考えている。おそらく20〜30%の消費税増税が必要と思っている。もう一つのグループは小さな政府を指向するグループであり、彼等は増税ではなく歳出のカットで財政を再建することを主張している。特にこのグループは、公務員の給与カットと議員の定数削減を唱えて増税派を牽制している。給与カットと議員の定数削減ぐらいではたいした歳出カットにはならないが、両者は空中戦を始めている。

筆者は、冷静な議論よりバーチャルなスローガンの方が強くて、人々により浸透しやすいことに注目する。増税派は、とにかく日本の財政が悪いことを強調しキャンペーンを行っている。もう一つの小さな政府を指向する構造改革派は、このデフレ経済でも安泰な公務員の存在をクローズアップし一般の人々を刺激する。たしかに両者の主張はともに単純で分りやすい。

筆者が、日本政府の巨額の債務残高は巨額の日本の過剰貯蓄の裏返しと話してもなかなか理解してもらえない。また過剰貯蓄によって大きな有効需要の不足が発生したため、これまで日本政府が財政赤字を増やし、また今日の円高を招くほど外需依存を大きくしてきたと説明しても頷く人は少数である。総じて筆者達の話はまどろっこしいのである。
(略)

12/1/16(693号)
過剰貯蓄による災い
http://adpweb.com/eco/eco693.html
(略)
筆者は、日本においては凍り付いたマネーサプライに見合う金額が丁度政府と地方の累積債務額になっているとずっと言ってきた。実際、日本の金融機関(銀行、生保、郵貯など)は、この凍り付いたマネーサプライで国債や地方債を買ってきたと言える。ところがいまだに頭のおかしいエコノミストは、日本の巨額の財政赤字は無駄な公共事業やバラマキ政策の結果と主張している。もし政府と地方が財政赤字を増やしてこなかったら、今頃日本経済は本当に破滅状態になっていたと筆者は思う。

筆者は、政府は過剰貯蓄に見合う債券を発行しそれを中央銀行などが購入して、これを財源に財政支出を増やすことを主張してきた。どうせ凍り付いたマネーサプライは簡単には溶け出さない。仮に民間の経済が回復し支障が生じるほどの物価上昇が見られたならば、その時にこの政策を縮小すれば良いのである。

資本主義経済はバブルが付き物

ドイツ主導のEUは、経済がデフレに陥っているのに、財政赤字GDPの3%に抑えるよう各国に強制しようとしている。何と無茶でばかげたことであろうかと筆者は思うが、EU首脳は本気でこれを進めるつもりである。そもそも3%という数字自体にも科学的根拠は全くない。

先週号で述べたように、本当にEU経済の活路は通貨安(ユーロやポンド)しかないと思われる。しかしECBは2ヶ月続けてきた利下げを今月は見送った。本当に通貨安を狙うなら利下げを実施すべきであったが、通貨安による物価上昇を恐れたのであろう。政策の全てが中途半端である。ただフランスなどの国債の格下げによってユーロ安は一段と進むと思われる。

一方でECBは金融緩和を続行している。低利で銀行に資金を流し、イタリアやスペインなどの高利の国債を買わせている(これによって国債の借換えも順調に進んでいる)。したがって銀行にはかなり大きな利鞘が発生している。この利益で銀行の不良債権の処理を進めさせるつもりなのであろう。

ただこれにはイタリアやスペインなどが財政破綻しないということが条件となる。ギリシャのように債務の大幅なカットを求められる事態に陥れば、欧州の銀行は本当に潰れる。筆者は何らかの密約(イタリアやスペインなどは財政破綻させない)でもあるのではと思っているが確信はない。昔、日本でも農林系金融機関の住専への融資について財務当局が保証するという約束があったが(念書があった)、結果的に反古(ほご)にされている。

資本主義経済はバブルが付き物である。しかし筆者は、バブル発生そのものが絶対悪とは考えない(今日のようなデフレ経済が続くよりずっとまし)。またバブルを発生させない経済成長を唱える人もいるかもしれないが、それは難しい事と考える。筆者は要するにバブル崩壊に対する正しい対処法さえ確立されれば良いと考える。
(略)
バブルが崩壊すると人々の関心は金融機関の不良債権に向く。またせいぜい債務者のバランスシートが傷ついていることに言及する程度である。したがって不良債権の処理さえ済み、時間が経てば経済は自然に回復すると人々は思っている。しかし一方で膨大な有効需要が失われていることに人々は思いが到らない。
 
バブル経済が崩壊したならば、政府が前面に出る他はないと筆者は考える。前段で述べたように、どうせ過剰貯蓄は凍り付いたマネーサプライとなって動くことがないのだから、大胆な財政政策を行えば良いのである。ところが人々はバーチャルな財政問題とインフレを気にして腰が引ける。バーチャルな政府の財政赤字の数字が気になるのなら、政府紙幣を発行したり国債中央銀行が購入すれば済む話である。
 
今回のユーロ圏のソブリンリスク騒動を見ていて分かったことは、人々が今日の経済を18世紀、19世紀の状態と勘違いしていることである。生産力が現在よりずっと乏しかった時代である。今日の経済では、追加的な需要があっても物価は簡単には上昇しない。
 
ところでドイツでは第一次世界大戦後にインフレが起り大幅な物価上昇を経験した。これがトラウマになっていて、特にドイツ人はインフレに対して異常な警戒心を持っている。しかし彼等は第一次世界大戦でドイツの生産設備が壊滅状態だったことを完全に忘れている。とにかくドイツ人というのは何事にもノイローゼに陥る性質を持っている。

世界的な金利低下
http://adpweb.com/eco/eco694.html
(略)
金融機関に資金が有り余っているのだから、中央銀行が単に国債や債券を買って金融緩和を行っても効果は薄い。もし本当に経済を立直すという決意があるのなら、この資金を財政支出に充てるべきである。しかしどの国でも財政が悪くなっているという事になっており、財政の無駄が真っ先に問題になっている。この状況で財政支出を増やすには、政治家に大きな勇気と決断力が必要となる。
(略)