支那事変を自主終息させれば陸軍省の国内統制権はなくなる。だから東條陸相は日米交渉を妨害した。同じように財政健全化をやめれば大蔵省
の統制権力はなくなる。だから【2012-1-18作文】

一。
 Bob Cox 記者による2012-1-17記事「Electronic Arts claims First Amendment rights to use weapons, aircraft images in video games」。
  コンピュータ・ゲームに米国製の兵器を登場させたら、ゲームソフトメーカーは、その兵器のイメージ使用料を各兵器メーカーに支払うべき
だと軍需メーカーどもが主張している。エレクトロニック・アーツ社が、そのクレームに大反撃。

 カリフォルニアの巡回裁判所に訴えを起こした。そうしたイメージの無料使用権がソフトハウスにはあるのだという確認を求めて。論拠は米国
憲法の修正第1条。
 名指ししている企業は、テクストロン社と、フォートワースにあるベル・ヘリコプター社。争点になっているモノ(イメージ)は、アクション
ゲームの『Battlefield 3』などに登場する V-22 オスプレイ や、AH-1Z Viper 戦闘ヘリである。

 テ社とベ社は、エレクトロニック・アーツ社に対して、V-22 と AH-1Z と UH-1Y のイメージを『Battlefield 3』の中で使うのをやめろ、と要
求。これをエ社がつっぱねたあと、エ社の方から先制訴訟に踏み切った。
 ※墜落シーンでも含まれているのか?

 テ社とベ社いわく。これらのヘリコプターは、米国民の税金とDoDの発注により開発され調達されているが、同時に、私企業の私的トレード
マーク財産でもあるのだ。

 エ社の反論。合衆国修正憲法第一条は、表現や発言の自由を保障している。これら航空機はパブリックドメインとして世界中で見られるものに
すぎない。よって商標だとかコピーライト保護の、対象外のはずである。

 昨年、米連邦最高裁は、ビデオ・ゲームに、他のエンタメや政治的発言同様の憲法上の保護を与えるとしている。

 商標関係の法の精神とはまず、人々に、ある製品を誰がこしらえたのかについての混乱をさせぬことにある。
 たとえば有名なコカコーラの商標は保護されている。他企業は「コカコーラ」だとか「Coke」だとかの商品名を自社の製品に付けることはでき
ない。しかしジェネリックな「コーラ」を製造し、赤白模様の缶に詰めて売ることは特に差支えないのだ。

 DoDでは、軍が映画やテレビに協力すること、それから、兵器が芸術の小道具として使われることは、良いPRになると考えている。

二。
 Gretel C. Kovach 記者による2012-1-16記事「Japanese forces and Marines train in Iron Fist」。
 来月、また、Camp Pendleton の海兵隊が、陸上自衛隊と合同で、上陸演習を行なう。
 陸自からは200人が参加する。佐世保の西部方面隊だ。
 鉄拳(アイアン・フィスト)演習は2006にサンディエゴ郡で始まった。いらい、年に1回実施されている。
 今年は海兵隊と海軍が400人出る。第15海兵遠征隊だ。
 陸自の第一陣は月曜午後に南加州に飛来した。基礎的漕舟訓練は日曜日に Coronado にて予定。
 なお豪州のダーウィンへのローテーション派遣は、サンディエゴの西海岸海兵隊だけでなく、Camp Lejeune(ノースカロライナ州)の東海岸
兵隊からも行くことになる。
 
 ※1941の日本軍は、今なら勝てるという目算があったので米国に挑戦した。ところが今のイランや北鮮には、米軍に勝てるという目算など終始
一貫まるで無し。だから米国がいくら挑発しても無駄である。

■最近のランドセルの金具に感心す。背嚢もこのくらい工夫すれば?【2012-1-19作文】

三。
 ストラテジーページの2012-1-18記事「Too Much Is Enough」。
 米軍はこれから兵力15%の削減に入るが、特殊部隊だけは逆に、増加される。
 米四軍の特殊部隊(コマンドー作戦可能な部隊)は現在、海外に1万人が展開されている。
 特殊部隊員を育成し維持するのはカネがかかる。予算が4倍となって、はじめて人数を倍にできる世界だ。
 新装備よりも新兵をあつめることが大変だ。特殊部隊員は死なないが「燃え尽きる」。常に補充が必要なのだ。
 戦地での情報収集にしろテロリスト狩りにせよ、肉体とメンタルをひどく消耗させる。何年も家族には会えない。燃え尽きた隊員は、去って行く。
 一人前のコマンドー隊員の育成には3年かかる。どんなミッションでも任せられるようになるまでには、さらに数年が。
 募集した特殊部隊員の半数は、「完成品」になる前に淘汰されていなくなる。
 イラクやアフガンの統計によれば、陸軍や海兵隊将兵よりも、特殊部隊の死傷率は低い。
 育成に年季の必要な特殊部隊員は、たいてい、年嵩であり、妻帯者である。所帯持ちである。これがまた個人の精神疲労を倍化する。
 特殊部隊の世界でODAといえば、それは Operational Detachment A、別称「Aチーム」である。

■2月の「読書余論」は大ボリュームになります【2012-1-21作文】

三。
 ストラテジーページの2012-1-20記事「Chinese Sailors Amuse Themselves At Sea」。
 シナ海軍の駆逐艦ソマリア沖をパトロールするようになって4年だが、水兵たちはダレてきた。
 母港に戻るまで8ヶ月間もの長期遠征だ。無理もない。水兵がスパイにとりこまれるのをシナ軍上層部が警戒するあまり、彼等は上陸もさせて
もらえない。
 代わりに「ナンチャッテ病院船」がやってくる。これは上陸休暇の代わりに、バーチャル・リゾートを水兵どもに提供する「娯楽シップ」であ
る。しかし格好付けのため、アフリカ沿岸にも寄港し、独裁政権に対して安価な医薬を提供して去る。だが最近、現地のマラリア患者のあいだで
シナ製の偽薬が大量に出回っていることが、大問題となっている。
 シナ水兵たちの一般的な娯楽はインターネット・ゲームだが、シナ軍は将兵のあらゆるネット接続も嫌う。そこで、妥協の措置として、駆逐艦
内の兵員娯楽室にLAN環境をしつらえ、そこだけで完結して遊べる、シナ語版の「ネトゲ」が提供されている模様である。
 哀しいね……。