中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
映画は政治に奉仕するものではない
飢餓映画「無言歌」の抵抗
福島香織
2011年10月26日(水)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20111024/223394/?mlt
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 甘粛省酒泉の砂漠にある夾辺溝は、1957年から始まった毛沢東の反体制狩り、反右派闘争で右派知識分子のレッテルを張られた3000人あまりが送り込まれた。しかし1959〜61年の未曾有の大飢饉(三年自然災害)で、そこは壮絶な飢餓地獄となる。知識分子たちは重労働と栄養不良でばたばたと倒れた。生き残ろうとするものは、亡くなった仲間の墓を掘り起こし、その遺体を食うこともあった。しかし、そうやって地獄を生き抜いた者は3000人中、500人に満たなかったと言われている。

 甘粛出身の作家・楊顕恵氏は5年かけて生き残り100人を探し出し、インタビュー。それをもとに書いたルポタージュ文学「夾辺溝記事」(のちに「告別夾辺溝」に改編)を2000年から「上海文学」誌上で連載。これにより、この凄惨な史実の詳細を初めて、多くの中国人が知ることになった。
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