国土面積の1%がお墓

日本と韓国の交差点
お盆にお墓参りする習慣がなくなる? 土葬文化の韓国で火葬を望む人が増加
趙章恩
2011年9月21日(水)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110914/222637/?mlt

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 韓国は、高麗時代までは仏教が盛んで、遺体は火葬していた。これが朝鮮時代に入って、儒教の教えを大事にする「抑佛崇儒」が起こり、火葬を禁じた。代わりに、遺体を棺に入れて土葬をしてきた。特に田舎では、家ごとに山を買って代々の先祖のお墓――丘のように丸い封墳――を作る。
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 土葬に伴う封墳には広い面積が必要だ。このため、国土活用においてとても重要な課題になっている。韓国の葬儀関連政策を担当している保健福祉部によると、1996年末時点でお墓が占める面積が国土の1%を超えているという。

 韓国の高速道路を走っていると、景色がきれいで日当たりの良い山の中腹は全部お墓だらけである。山の木を全部抜いてお墓を作るので、環境破壊の心配もある。国道の真ん中にお墓があったり、国立公園の中にお墓があったりすることも珍しくない。風水を理由に絶対移葬できないと拒む遺族もいるからだ。

 同じく1996年末時点で、韓国人の1人当たり住居面積の平均は4.3坪。これに対して封墓1基の平均面積は15坪であった。しきたりも大事だが、生きている人のことも考えないといけない。
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 これを裏付けるデータが発表された。保健福祉部が行った調査によると、2010年度の全国火葬率は67.5%。2000年調査の結果は33.7%だったので、10年間で約2倍に増加している。
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