英仏米イスラエルによるリビア侵略弾劾

日本は陸海軍独裁政権によって占領されていた。よって米軍は解放軍である。
こんな愚論がどうどうと流通していたし今もしている。
しかし小室直樹先生の述べたごとく、民主主義は自ら勝ち取るもので、外国勢力による民主化など語義矛盾なのだ。
 
漏れは日本のニュース番組は見ないが、欧米メディアは見ている。
しかし、ことリビアに関する反体制派ヨイショぶりは気色悪くて見ていられなかった。
マスゴミが走狗なのはどの国も同じだ。
カダフィーに止めを刺すために英軍特殊部隊まで導入だと。
反体制派の指揮は実質英仏軍が執っていたらしいことまで仄めかしていた。
よくもヌケヌケと民主革命なんていえるな。
まさに城門の鍵は内側から開けられたのだ!
それを指摘する識者が日本にいたことは、せめてもの慰めだ。
帝国主義者どもよ、歴史の審判を怖れるがいい!

【緊急寄稿】
革命後の国民は本当に幸福になれるのか?リビアの富を奪うために欧米諸国が仕掛けたカダフィ打倒
――笹川平和財団アドバイザー・佐々木良昭
http://diamond.jp/articles/-/13752
(略)
 今回のリビア革命を、最初の段階から支援してきたイギリスとフランス、そしてアメリカは、当然のこととして新生リビア政府に対し対価を求めよう。もちろん、最初の段階ではこれらの国々はリビアに対し経済支援をするのであろうが、結果的には、これらの国々によって膨大なリビアの富が持ち去られるということを忘れてはならない。
 そもそもイギリスとフランスがリビアに乗り込んで行ったのは、自国経済が破たん寸前だったからではないのか。リビアの富と石油を支配することによって自国の経済を復興させようとしたのであろう。
(略)
 リビアの今後で不安なのは、今回の革命で主導権を握ったメンバーの中には外国逃亡組が多数いるということだ。彼らはよく言えば穏健なイスラム教徒、きつい言い方をすれば欧米かぶれの世俗派である。
(略)
 今回のリビアの革命で、忘れてはならない疑問点がある。今後の不安材料に繋がっていくのだが、そもそも誰が最初に今回の革命の火を放ったのかということだ。
 単純に言えば、リビア民主化を求めた国民、ということになろうが、そんな単純なものではない。実は反体制の動きが起こった当初の段階で、パキスタンの情報部が、イギリス、フランス、アメリカが軍事顧問をベンガジに送り込んだ、という情報を伝えていた。
 
 カダフィ大佐に嫌われ、チャドに長い間派兵されていたハリーファ・ヘフタル大佐がチャドから他のアフリカの国に移動した後、彼と彼の部隊をアメリカが受け入れ20年もの間バージニアに匿っていた。そのハリーファ・ヘフタル大佐も内戦勃発と同時期にリビアベンガジ市に戻っている。しかし不思議なことに彼の名は、いまだ全くリビアから聞こえてきていない。
 
 イギリス、フランスは反政府派が軍事行動を起こし始めると、彼らの軍事行動への具体的な支援を始め、飛行禁止区域の設定に加え、空爆、武器の供与が行われた。それにアメリカが後発で加わる。アメリカは無人機を多数送り込み、空爆を実行した。もちろん偵察衛星偵察機で集めたカダフィ大佐側の軍の動きも逐一、反体制側に送られていたものと思われる。
 
 そして最終的には、カダフィ大佐側が追い込まれ、彼の住居とされていたバーブ・アジージーヤも反政府側によって落とされた。
 
 これで一件落着と言いたいところだが、そうは行かない。カダフィ大佐側が拠点を移して反攻に出る可能性が否定できない。彼にはいまだに、多数の武器と莫大な資金がある。
 
 だからと言ってカダフィ大佐にもこの革命の流れを変えることはできなかったはずだ。それは時代の変化ということに加え、リビアで起こっている革命戦争に欧米が全面的に介入しているからだ。ここまできて反政府側がカダフィ大佐側によって敗北させられたのでは、欧米の面子が丸つぶれになるばかりではなく、戦争に費やした費用が回収できなくなるからだ。欧米はなんとしても、カダフィ体制を打倒しリビアの富とエネルギー資源を、手中に収めようと考えている。
 
植民地と化すリビア
 
 こうした欧米側の考えを裏付けているのが反体制側の要人たちの発言だ。現在反体制側の代表者となっている、ムスタファ・アブドッジャリール氏は「リビアに居住していたユダヤ人に帰ってきて欲しい」と呼びかけ、彼らがリビアの政治活動に参加することを期待している。彼以外にも、王制時代の閣僚の子息である、アハマド・シェイバーニ氏は「イスラエルとの協力関係が重要だ」と語っている。彼に言わせれば、イスラエルの持つ国際的な影響力を通じて、新生リビアが国際的認知を受けていく必要があるからだというのだ。
 
 何のことは無い、イギリスやフランスに加え、最初の段階からイスラエルユダヤ人がリビアの革命に深く関係していた、ということではないのか。つまり、今回のリビアの革命騒ぎは、欧米諸国やイスラエルなどが、こぞってリビアの富を奪うために仕掛けたものだったということであろう。
 
 そのことをカダフィ大佐ははじめから分かっていたのであろう。だからこそ欧米に支援される革命派に対し、徹底抗戦を叫び続けたのだと思われる。結果的に彼は妥協するタイミングを失い、敗北していくことになった。この結果、リビアは欧米の新しい形の植民地支配下に置かれることになった。