(核心)新エネ“日陰者”を脱するか
経産省主導に消えぬ不安 本社コラムニスト 平田育夫
2011/7/4付 情報元 日本経済新聞
 
 一見だれも反対しにくい法案の成立を辞任の条件にする。菅直人首相の憎いやり方だが、法案の中身はよくご存じだろうか。



 再生可能エネルギー法案は、太陽光や風力による電気を固定価格で買い取るよう電力会社に義務づける。40カ国以上が採用するこの制度は新エネルギーの普及に確かに効果がある。

 ただし、旗振り役の経済産業省が法案に盛り込んだ新制度をよくみると、先輩格のドイツなどに比べ、及び腰の印象が強い。

 新エネの大幅な活用に乗り気でない電力会社への配慮があちこちに見える。経産省がすべてを仕切る新制度には不安が残る。>

 「我々は結局、経産省に日陰者扱いされてきた」。家畜の排せつ物などを利用したバイオマス発電機を扱う企業の経営者が嘆く。

 発電した電気の販売について電力会社と個別交渉する今の制度では売値がコストに届かず、機器関連の事業も赤字続き。「農家にも貢献しているのに農林水産省は応援してくれない」

 三菱重工業は1980年代に当時、世界最大の風力発電機を開発した。納入先は米国。その後も主な販売先は米国で、生産の95%は外国で販売している。

 「外国では、政府の自国品優遇策や、特許権をめぐる理不尽な動きなどもある。国内市場が伸びるのに越したことはない」と同社風車事業部の上田悦紀企画・営業部部長代理は話す。

 「再生可能エネルギー電力自由化に関する後ろ向きの政策が、ベンチャー企業の多くを苦しめてきた」とは日本総合研究所の井熊均創発戦略センター所長。

 そうした過去があるだけに経産省主導の新制度に不安を持つ自然エネルギー関係者も少なくない。

 温暖化対策の切り札と目された原子力の将来が福島の事故で暗転。自然エネルギーへの期待が高まる。

 加えて自然エネルギーが火力などに比べ割安になる可能性も見えてきた。

 「家庭での太陽光発電のコストは、10年以内に電気料金を下回る」と環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長はみている。

 家庭の太陽光発電は1キロワット時当たり約40円だが、量産効果や技術進歩で年に1割近く下がっている。約22円の電気料金は化石燃料への需要増で上がるから、両者はやがて逆転する。

 水力を除く自然エネルギーは2009年度の総発電量のわずか1%なので、原子力(29%)の代役はすぐには無理。それでも温暖化問題での責任を考えれば、普及を急ぎたい。

 そのため固定価格買い取りはカギとなるが、20年の歴史を誇るドイツと比べ見劣りする。

 たとえば、太陽光以外の風力、バイオマスなどによる発電の買い取り価格は一律にする。経産省は1キロワット時20円程度とする見通しだが、バイオマスの一部などはまだ採算に合わない。

 ドイツは風力、バイオマスなどで価格が異なる。それも規模が大きいほど安くしたり、多目的で貢献度が大きいバイオ事業には高くしたりと、芸が細かい。

 また法案第5条によれば電力会社の円滑な供給に支障が生じる恐れがある時、風力や太陽光の電気を買い取らなくてよい。投資する側にとっては不安だ。

 さらに法案の付則には施行後10年以内に法律廃止を含む見直しをするとある。ほかにも、風力発電などが集中する地域の送電網を増強する費用について、電力会社と発電業者のどちらが負担するか未定――など不透明な部分が実に多い。

 太陽光や風力の発電は天候により電圧や周波数が大きく変動するので電力会社は扱いにくい。ライバルとなる発電業者の増加も電力会社の悩みのタネ。そのあたりの事情が新制度づくりにも反映されたのだろう。

 それでも電圧変動への対応策がないではない。「送電網を広い地域で一体的に運用するか、電力会社間をつなぐ連系線を太くして広範囲で自然エネルギーを使えば変動を吸収しやすくなる」(A・T・カーニーの笹俣弘志パートナー)

 さらに一歩進め、送電と発電を分けて発電の競争を促せば、自然エネルギーの導入による電気代の上昇を抑える効果も望める。

 それらは電力会社の地域独占を脅かすから、経産省は二の足を踏むのだろう。

 新エネルギーは主役にはなれないが、せめて日陰から確実に出してやりたい。良い知恵はないものか。

 太陽光や蓄電池関連の企業がある京都の経済4団体は自然エネルギー庁の創設を提言した。「経産省ではなく文部科学省環境省に設置を」と関係者。

 ドイツでは経済技術省が火力発電などの電力行政を所管しており、自然エネルギー環境省の担当だ。

 これらは参考になろう。新組織をつくらなくとも、他省庁が口出しできれば電力業界に配慮しすぎない運用が可能かもしれない。

 法案は大震災直前の3月11日朝の閣議で決めたが、原発事故で事情は一変した。与野党とも「法案と首相退陣との方程式」に気を取られず、法案や新制度の中身を再考したらどうか。

 
へぇ、経産省が悪者なんですね。
と思っていたら、たまたま「資源エネルギー庁次長」を勤めた審議官が逮捕された。
偶然邪魔者が消えたね!・・・なわけねえだろ。空き缶の差し金としか考えられないだろうが。

経産省幹部、インサイダーか…エルピーダ株巡り
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110707-OYT1T00556.htm
 経済産業省の元審議官(52)が、自身が関わっていた半導体大手「エルピーダメモリ」(東証1部、東京都)への公的支援策を巡って同社株のインサイダー取引を行った疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から、金融商品取引法違反容疑で強制調査を受けていたことが分かった。
 
 監視委は、東京地検特捜部への告発を視野に入れて調べを進めている。
 
 元審議官は、2010年7月から資源エネルギー庁の次長を務めていたが、強制調査後の先月22日、官房付となった。
 
 パソコンなどに搭載されるメモリー「DRAM」の国内唯一の専業メーカーである同社は、08年秋のリーマン・ショック以降、消費低迷から業績が急速に悪化。09年6月22日、公的資金による資本増強や税制の優遇措置などで国が企業の再建を後押しする改正産業活力再生特別措置法の適用を申請し、同30日、同省から認定された。同社は同日、法適用とともに、日本政策投資銀行などを引受先とする第三者割当増資で約500億円を調達し、設備投資や研究開発にあてる再建計画を公表した。
 
 同省では2005年にも、情報通信機器課の元係長によるインサイダー取引が発覚している。
 
(2011年7月7日12時05分 読売新聞)

経産省課長補佐を痴漢で逮捕 前日まで被災地に派遣
2011.6.2 13:16
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110602/crm11060213170009-n1.htm
 電車内で女子高生に痴漢をしたとして、警視庁が東京都迷惑防止条例違反の疑いで、経済産業省九州経済産業局地域経済課の男性課長補佐(46)を現行犯逮捕していたことが2日、警視庁への取材で分かった。警視庁によると、課長補佐は「福岡から離れた東京で開放的になってしまった」と容疑を認めている。逮捕2日後に釈放されているという。

 逮捕容疑は、先月28日午後0時15分ごろ、JR埼京線の電車内で、女子高生(17)の下半身をスカートの上からさわったとしている。近くにいた男性の乗客(23)にその場で取り押さえられた。

 警視庁などによると、課長補佐は5月中旬から27日まで、東日本大震災で被災した岩手県の沿岸部で中小企業を支援する現地対策本部に派遣されていた。28日は午後に羽田空港から勤務地である福岡に帰る予定だったという。

参考)
こっちはTPPがらみの「警告」ですね。
だいたい「容疑をみとめている」っての自体が強要された可能性が高いのは常識ですね。

痴漢容疑で農水省職員逮捕 「触っていない」と容疑を否認
2011.6.20 01:10
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110620/crm11062001120002-n1.htm
 埼玉県警川越署は19日、県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の疑いで、農林水産省職員、川添英記容疑者(36)を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は、19日午後4時40分ごろから同50分ごろにかけて、JR川越−南古谷間の川越線電車内で、隣に座っていた飲食店従業員の女性(18)の胸などを触った疑い。

 川越署によると、川添容疑者が腕を組んだ状態から女性に手を伸ばしているのを、向かい側の座席にいた乗客男性(23)が目撃。南古谷駅で降ろして取り押さえ、女性が110番した。「触っていない」と容疑を否認している。

「女性に手が当たって欲情した」 農水省係長を痴漢容疑で逮捕 千葉
2011.2.23 12:05
 通勤中に電車内で痴漢行為をしたとして、千葉県警市川署は23日、千葉県迷惑防止条例違反の現行犯で、農林水産省総合食料局食品産業振興課係長、増沢悟史容疑者(38)=千葉市緑区大膳野町=を逮捕した。同署によると、増沢容疑者は「女性に手が当たって欲情し、触ってしまった」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は23日午前8時12分ごろから約2分間、JR総武快速線君津発久里浜行きの列車内で、立っていた千葉市中央区の女性会社員(26)の下半身をズボンの上から右手で触ったとしている。

 同署によると、痴漢された女性が増沢容疑者の手をつかみ、市川駅のホームで駅員に引き渡したという。

 同省食品産業振興課は「事実関係を確認中でコメントできない。普段の勤務態度を見ていても、痴漢をするような人間とは思えない」と話している。