東京・ロンドン放射線量大差なし

こういう思いついてすぐ実行するひとって好きw

金融市場異論百出

【第185回】 2011年7月6日 加藤出
中央銀行前で放射線量調査 東京とロンドンにて差なし
http://diamond.jp/articles/-/13001
 先日の欧州出張時に、日本で買ったガイガーカウンター放射線計測機)を持っていった。といっても数十万円もする本格的な機種は買えないので、5万円弱のお手軽な中国製である。
 
 その程度のカウンターであることを前提に以下の話を読んでいただきたいのだが、弊社や日本銀行がある東京都中央区アスファルト表面から1メートル前後で測ると、0.08〜0.1マイクロシーベルト/時だった。千葉県のいわゆる“ホットスポット”と呼ばれる地域に住む友人に貸したところ、彼の子どもが通う小学校の校庭で0.5マイクロシーベルト/時になったと心配していた。
 
 海外の中央銀行の前ではどうだろうか? 妙な中央銀行ウオッチングだが、東京と比較するためにやってみよう。まず、ドイツ・フランクフルトで測ってみた。ECB本部の前に有名な大きなユーロマークのオブジェがある。その下で0.08〜0.13マイクロシーベルト/時だった。日銀の前と同程度か、少し高い。
 
 写真を撮っていたら、「君は放射線量を測っているのか?」と散歩中の男性に英語で話しかけられた。驚いたことに、彼はこの小型の無愛想な黒い機器がガイガーカウンターであることに気がついたのである。なにか注意されるのかと思ったら、「数値はどうだね?」と聞かれた。「高くないようです」と伝えると、「それはよかった」とニッコリ笑って彼は去っていった。ドイツに住む人びとの原発問題に対する関心の高さがうかがわれる。
 
 ロンドンの金融街シティにあるイングランド銀行前は0.08〜0.11マイクロシーベルト/時だった。馬に乗った警官2人がじろじろこちらを見ていたが、職務質問はされなかった。
 
 オランダ銀行はアムステルダム中央駅から南にタクシーで15分程度のところにある。街並みと異なり近代的なビルだ。警備員の視線が気になったが、計測値は0.09マイクロシーベルト/時前後だった。
 
 パリのルーブル美術館から北東に数分歩くと、フランス銀行がある。現金輸送車が出入りする西側は機関銃を持った警官が数人いた。そちらは避けて反対側で測ったら0.1マイクロシーベルト/時前後だった。ちなみにパリから帰る機内では1.9マイクロシーベルト/時近くまで上昇した(寝てしまったので、最高値は不明)。
 
 このように欧州の主要都市も東京都中央区放射線量はあまり変わらない様子だ。欧州の金融マンには、あまり神経質にならずに東京に来てほしいと言って回った。しかし、食材に関しては政府・自治体の検査・情報開示が限定的であるため、「安心してどんどん食べてください」とは残念ながら言いにくい面がある。
 
(東短リサーチ取締役 加藤 出)