いまや大学での研究も中国人留学生頼り

研究不正云々より、日本の最先端研究が中国人留学生に担われていることに衝撃を受けた。
以前からゾンビ大学を中国人留学生で穴埋めしている実態は知られている。
しかし研究まで彼らだよりとは。。。
日本の大学って存続することだけが目的の高学歴老人ホームになっちゃうのか?

China Report 中国は今
【第78回】 2011年7月1日 姫田小夏
魯迅ゆかりの東北大学で研究不正疑惑に失望する中国人留学生たち
http://diamond.jp/articles/-/12935
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 東北大学総長の井上明久氏は、新素材「バルク金属ガラス」の世界的権威と言われ、日本学士院賞、米国物理学会マックグラディ新材料賞など複数の賞を受賞する人物であり、ノーベル賞候補の一人とも言われている。
 だが2007年以降、その研究に不正の疑いが持たれ、データの捏造、二重投稿などが指摘され続けてきた。研究不正は名誉や地位、金銭にも結びつき、大学そのものの存立基盤を崩壊させ、また次世代を担う学生らのモラル荒廃をももたらすだけに、放っておくことはできない。
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 他方、井上総長による異常に多い論文の数が目を引く。
 
 井上氏が東北大学総長になったのは06年11月。東北大学のHP「研究者紹介」によれば、2011年までに合計2784本の論文を書いたとされている(6月24日現在)。同総長は05年までの登録数ですでに1900本の論文実績があることから、総長就任以後06〜11年の5年間で書いた本数は800本に上ることがわかる。年平均にして約160本、1週間に換算すれば約3本以上を書き上げる、超人的大量生産ぶりである。
 
 これにはさすがに「私は勤続40年になるが、40年で95本の論文を書くのが精一杯だった」と呆れる教授もいるが、さて、この超高速大量生産を支えた舞台裏はどうなっているのだろうか。そこには、裏方として疑惑に巻き込まれた中国人留学生の存在がある。
 
 井上総長をスターダムに押し上げた画期的な論文が「93年論文」だ。
 
 90年代前半までミクロンサイズの薄版や極細線しか作れなかった金属ガラスを「棒状」にしたことにより、同総長は注目を集めるようになるのだが、関係者によると、「直径16mmを超える棒状金属ガラスの作製に成功した」という画期的な研究成果を出した93年論文の実験を行ったのが中国人研究員だったという。
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 日本学生支援機構によれば、日本国内の留学生数は2010年5月に過去最高の14万1774人に達した。うち、中国からの留学生は8万6173人と、全体の6割を占める。東北大学では中国人留学生は744人に上り、アジアからの留学生1274人のうちの約6割を占め、その比率は高い。
 
 教授の手足となって研究をサポートする大学院生も、留学生への依存度を強めているように、今や定員割れする大学院経営を埋めるのは、アジアから引っ張って来た留学生だ。留学生の6割を中国人が占めるという東北大学の現実も、彼らなしには大学経営も成り立たない時代になりつつあることを暗示する。
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 その一方で、この事件を見守るある中国人留学生のコメントは興味深い。
 
「私は、東北大学教授ら4人がこの疑惑に本気で闘っていることに注目している。彼らが奮闘するのは金や名誉のためではないし、現総長を追い落として自分がその座につくためでもない。ただひたすら正義のためだけに闘っている。日本人にはそんなことができるのだと知って感動した」
 
 ちなみに、東北大学教授ら4人は今般出版された『東北大総長おやめください〜研究不正と大学の私物化〜』(社会評論社)の著者でもある。
 
 かつての東北大学(当時の仙台医学専門学校)には、魯迅の小説のタイトルともなる「藤野先生」という教授がいた。清国からの留学生に世間が冷たい時代に、藤野厳九郎氏は魯迅を正面から受け入れ、熱心かつ粘り強く指導を行った。それが東北大学を舞台にした魯迅の自伝的短編小説に残り、日中友好のシンボルとして語り継がれている。
 
 金でもなければ名誉でもない、自分が信じた正義の道を歩む――厳九郎にも見られる気骨は今もなお、人知れず脈々と続いているかのようだ。東北大学の責任と信頼を世に問う彼ら4人を、本当の師と仰ぐ中国人留学生たちも少なくない。