中国マネーはQE2の米国より多い!?

「狼が来る」がついに現実へ!?中国の不動産バブル崩壊の兆し
藤和彦 2011年6月15日(水)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110613/220730/
(略)
 人民銀行の呉暁霊元副総裁は2010年11月に発行された雑誌「中国経済週刊」のインタビューの中で「中国のマーシャルのk(GDPに対するマネーサプライの割合)は現在260%にまで膨張している。資産バブルとインフレの原因になっている」という注目すべき発言を行った。マーシャルのkは先進国では50〜100%が一般的だ。1980年代末の日本でさえ120%程度であったことを考えれば、260%という数字は異常である。
 同氏によれば、2009年末時点の中国のGDPは、1978年に比べて92倍に拡大した。この同じ期間にマネーサプライは705倍に拡大した。さらに、リーマンショック以降の2年間でマネーサプライは50%以上増加したという。 (略)GDPの規模で米国の2.5分の1にすぎない中国のマネーサプライは米国の1.2倍になっている。
(略)
 クレデイ・スイスによれば、中国全土の土地の平均取引価格は、4月に前月比32%下落した(大紀元、6月7日)。年初と比べて51%も下落しているという(同)。中国の民間シンクタンクも「中心都市の地価が4月に、前月と比べて18%下落した」との見解を示した(同)。 3月の北京の住宅価格は前年比10%下落している(サーチナ、4月12日)。6月9日付ウオール・ストリート・ジャーナルは「中国で不動産バブルの崩壊が始まった」と報じた。
 80年代末に起きた日本のバブル崩壊にならえば、全国の不動産価格は今後3年で半減する可能性がある。
 不動産バブル崩壊を念頭に置いてだろうか、英格付け会社フィッチは「中国の銀行の不良債権比率は30%に達する」との警告を発した(ブルームバーグ、4月13日)。
 「中国の不動産バブルがいきなり破裂しませんように」と祈っても、「狼少年の予言」は最後には現実のものになる。
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