寄生虫は宿主が衰弱するほど肥満する

失政といいますが、実は失敗していないのです、官僚的には。
彼らは社会の繁栄ではなく官僚共同体の最大利益を追求しているのです。
明朝官僚はギリギリまで利益を享受した。
たまたま崩壊時点に居合わせた末裔がアンラッキーだっただけです。
完成された社会では必ず「規制寄生厨」が増殖する。
この蟲毒を駆除できないと衰亡するのです。

2011年3月14日(月)
人類はこれからも『繁栄』する 〜未来悲観論をメッタ斬り
麻野一哉
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110310/218933
『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』著:マット・リドレー、訳:柴田裕之、大田直子、鍛原多惠子、早川書房、上下巻各1890円
(略)
 1000年代末期、中国はとても繁栄していた。紙、印刷、絹、茶、磁器、羅針盤、火薬などを生み出し、世界的にも群を抜く豊かな国だったのだ。ところが、その後は停滞と衰退を繰り返し、なんと1950年時点のGDP国内総生産)は、1000年より低くなっていたという。なぜそんなことになったのか。原因はひとつではないが、著者は、大きな人災として、明王朝の抑圧的な統治をあげる。この王朝のやったことは、「こうすれば経済が衰退する」例として最高のものらしい。
 産業と交易のすべてを国有化。服の色、音楽、祭りのすべてを規制。農民が市場用作物を作るのは禁止。1万倍のインフレを容認。莫大な費用をかけて遷都。船の建造と海外交易の禁止。これらが、繁栄の基礎になる「分業」と「専門化」を根絶やしにし、衰退し、やがては清に滅ぼされることとなった。
 昨今のサブプライムローンの問題などで、「市場の失敗」ということがよく言われる。しかし、著者は、「市場の失敗」ももちろんあるが、それよりも「政府の失敗」の方が恐ろしいという。明王朝ほどでなくても、独占的な権力をもった政府が、意図的な政策をたてると、たいていは「分業」と「専門化」の排除につながり、衰退をまねくのだ。
(略)