中国株式会社



 
というか中華帝国が商社だと喝破したのは岡田英弘先生。
国民がいない国家なんだから利権が目的になるのは当然だ罠
  

米大使館が報告した「中国株式会社」の実態
利権争いに終始し改革進まず
〜中国株式会社の研究〜その88
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5029
(略)

VZCZCXRO4533
OO RUEHCN RUEHGH RUEHVC
DE RUEHBJ #2112/01 2041059
ZNY CCCCC ZZH
O 231059Z JUL 09
FM AMEMBASSY BEIJING
TO RUEHC/SECSTATE WASHDC IMMEDIATE 5339
INFO RUEHOO/CHINA POSTS COLLECTIVE
RHEHNSC/NSC WASHDC
C O N F I D E N T I A L SECTION 01 OF 02 BEIJING 002112
SIPDIS
E.O. 12958: DECL: 07/23/2034
TAGS: PGOV CH
SUBJECT: TOP LEADERSHIP DYNAMICS DRIVEN BY CONSENSUS,
INTERESTS, CONTACTS SAY
REF: A. BEIJING 2063 B. BEIJING 2040
Classified By: Political Minister Counselor (筆者注:個人名は省略). Reasons 1.4 (b/d).

 最初の5行は電子処理用のコードで、3行目に公電番号、5行目には発電日時が記されている。6行目以降を見ると、これが在北京大使館発国務長官宛であり、コピーが中国内の米国公館とホワイトハウスNSCに送付されたことが分かる。
 
 10行目以降には秘密区分、秘密指定解除日時、内容別タグがある。さらに、公電の件名「接触者情報:コンセンサスと既得権に基づく最高指導部の意思決定」と書かれ、最後に関連公電番号、秘密指定責任者名とその指定理由が記されている。
 
やはり中国は株式会社
 
 今回筆者がこの公電を選んだ理由は内容が実にユニークだったからだ。ウィキリークスが暴露しつつある中国関連公電には中国政府高官らから直接、間接に聞いた話が多く、信憑性を欠くものも少なくない。
 
 ところが、この公電は共産党中枢に近い情報提供者の率直な意見を報告しており、ほかの公電とはかなり趣が異なる。特に、興味深い点を掻い摘んでご紹介しよう。
 
 公電は要約部分で次の通り述べている。
 
共産党指導部、特に政治局常務委員会における意思決定の主たる要因はコンセンサスの必要性と既得権益の保護である。
 
●政治局常務委員間の関係は「大企業の取締役」同士の関係によく似ており、巨大権益を巡る軋轢や「太子党」と「共青団」の競争が意思決定を左右する。
 
 何ということだ。中国人自身が米外交官に中国のシステムは「株式会社」に近いと伝えていたとは知らなかった。これまで何度も(中国株式会社の研究〜その10、その35など)、中国は「国家」ではなく、「株式会社」であると書いてきた筆者にとっては強力な援軍である。
 
中国株式会社の実態
 
 さらに、公電本文では、複数の中国人接触者からの情報として、次の通り報告している。
 
胡錦濤は大企業の取締役会議長か最高経営責任者(CEO)のようである。政治局常務委員会の意思決定は企業のそれに近く、大株主であればあるほど発言力は増す。
 
●最大株主である胡錦濤の意見は最も重いが、常務委員会は通常コンセンサスにより意思決定するため、事実上、すべての常務委員に拒否権がある。
 
●通常意思決定は常務委員9人により行われるが、北朝鮮や台湾のような重要問題については政治局メンバー25人全員による決定が必要である。
 
●最高レベルに「江沢民上海派」と「胡錦濤温家宝派」の確執はあるが、いずれのグループも優勢ではなく、主要意思決定にはコンセンサスが必要である。
 
共産党は様々な利益集団の集合体であり、そこには改革派はいない。彼らは競って中国経済のパイを奪い合うため、中国の政治システムは硬直化している。
 
●意思決定の原動力が既得権を巡る争いであるために、必要な改革は一向に進まない。
 
李鵬元首相の電力利権、周永康常務委員の石油利権、故陳雲元第1副首相一族の銀行利権、賈慶林常務委員の北京不動産利権、胡錦濤女婿のIT利権、温家宝妻の宝石利権などは特に有名である。
 
●彼らと結んだ地方・企業の幹部は利権ネットワークを形成し、短期間で元が取れる高度成長を志向するため、意思決定過程では常に経済改革、情報の透明性に反対する声が優勢となる。
 
といった具合である。
 
 まだまだ続くが、もうこのくらいにしておこう。本稿を執筆中にニューヨーク・タイムズが米政府の圧力でウィキリークス関連の連載記事を突然中止したというニュースが飛び込んできたからだ。

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