外国暮らしが長いと、「日本人らしさ」を失うのか?

岡倉天心が完全なバイリンガルだったってしらなかった。
なんだ、あるべき国際人のモデルは維新直後からいたんだね。
 

外国暮らしが長いと、「日本人らしさ」を失うのか?
国際社会で活躍するバイリンガルの日本人
河合 江理子
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101111/217040/?P=3
(略)
 明治時代になり、日本人が全く見向きもしなかった日本の浮世絵や仏像を西洋に紹介した岡倉天心は完全なバイリンガルであった。私がアメリカに留学する際に奨学金を支給してくれたグルー・バンクロフト基金の先輩から、「日本文化について理解を深め、説明ができるように岡倉天心の書いた『茶の本』を読みなさい」というアドバイスを受けた。

 岡倉天心が自ら英文で書いた。翻訳されたのではない。岡倉天心は英語が得意であったことから、アメリカ人の東洋美術史家でお雇い外国人として来日したアーネスト・フェノロサに付いて、その頃の日本人は見向きもしなかった美術品を海外に紹介した。

 これからもっとバイリンガルで日本の文化に通じた日本人が、欧米人と同等に日本の立場や文化を海外に紹介し主張してほしいと願っている。英語も日本語もでき、かつ日本と海外の文化に詳しい日本人が多く活躍することが、「ソフトパワー」としてこれからの世界における日本の地位の発展につながると考えている。

 「外国では」と日本をけなして海外のことばかりほめる「出羽守」と言われる海外かぶれの人たちがいる。そのような人たちは日本語・日本文化のみならず、どの言語・文化の理解も中途半端になってしまいがちだ。

 日本語以外に英語あるいはほかの言語やその文化や慣習をしっかりと身につけることは、逆に日本語・日本文化を再認識することができ、精神生活の幅が格段に広がると思う。両方のいい面を理解し、取り入れるチャンスが与えられるからである。