日本語の正体―倭の大王は百済語で話す

日本語の正体―倭の大王は百済語で話す

日本語の正体―倭の大王は百済語で話す

   
こちらも同じ三五館刊。   
まぁ、少しはものを知っている人なら百済語って時点でスルーする。(^_^)
いつ「百済語」が判明したんだろうねえ。
案の定現代朝鮮語のダジャレで古事記日本書紀を恣意的に読み解くといういつものパターン。
だいたい著者は言語学者ですらなくて数学の先生。
日曜学者を否定するものではないけど、こんなのが出版されたり翻訳されちゃうと言うのはちょっと問題じゃないか?
「日本人に心理的に勝利して得る活力」より「非現実的世界観を基盤に世界を判断してしまう弊害」のほうが大きいのでは?
なんだかサヨクのいう『自民党政権による愚民化政策』を思い出しちゃうよ。
   
それにしてもワッショイはワッソから来たとか、奈良はナラから来たとか。。。
誰の本だったか忘れたが、そもそも蝸牛考的にいえば日本語のほうが古形を留めているのだから、むしろ朝鮮語のナラは「均す」という日本語から来ているのではないか?という指摘があった。そのときは「保留」にしたけど、室屋さんのいう「日本→朝鮮」の文化伝播を考えればあり得る話だ。
このブログで取り上げた中国の学者も楽浪郡を除けば金属器の水準は日本列島のほうが進んでいて半島南部は列島から伝播したと普通に指摘していた。
すると、米・金属器の両方とも列島経由半島南部に伝わったことになる。
そして遙か後代の「漢字・仏教・建築」伝播の担い手はどう考えても支那の遺民だ。なにしろ秦氏に漢氏だからね。
だいたい朝鮮半島では律令国家を作れなかった。
偶々今年は平城遷都1300年祭りだが、朝鮮半島では条坊制の都市の遺跡すら発見されていないことを日本人はどれだけ知っているだろうか。
支那と倭の交易によって楽浪郡と倭が栄え、経由地としての半島南部が文明化されたという構図なんだよね。
まあ、こういうことを言うのは「政治的に不適切」なんでしょうが(^^)