本当は恐ろしい江戸時代

  

本当は恐ろしい江戸時代 (SB新書)

本当は恐ろしい江戸時代 (SB新書)

  
最近の再評価ブームに水を差す本。
田中優子をはじめとした江戸文化の過剰美化については小谷野敦をはじめ批判は出尽くしているが、それでも嘗てあった理想の時代を見いだそうとする流行は収まりそうもない。
著者の八幡和郎さんは「江戸時代は北朝鮮とそっくりだった!?」と挑発する。
・・・しかし
正直八幡さんの江戸時代批判は現代を基準にしたお気楽批判にしかみえない。
そもそも明治より江戸がよかったと考えている日本人はほぼ皆無だろう。明治維新をこれだけ評価しているわけだし。
江戸再評価問題は、左翼全盛時代に江戸時代が暗黒時代だと喧伝されすぎたことのリバウンドなのだ。
八幡さんはサヨクなのか無知なのか知らないが、それに触れていないのが痛い。
だから読んでいるとなんだか