「水滸伝」から中国史を読む

   

    
北方謙三キューバ革命をモチーフに水滸伝を書いちゃうぐらいだから団塊ロマンチスト=薄らサヨなのだけど、その彼にして「良い悪いは別として」中国では秦帝国を境に王道は廃れ覇道による革命史の繰り返しに陥ったが、日本においては王道=天皇制の持続と覇道=幕府の執権というシステムが残った、と言わせた。ウヨクにはこの番組が薄らサヨ的だと批判する向きもあるけど、NHKのくせに皇室の意義の正論を述べているのでちょっと意外だった。
   

第三回 王道と覇道
   
原典にはない数々の新エピソードが盛り込まれた北方版「水滸伝」。その最たるものが、アメリカのCIAをモチーフにしたという政府の諜報機関「青蓮寺」だ。それにより北方さんは、権力が持つ現状維持への強いエネルギーを描くことに成功した。幹部の人物像からは、権力と組織に縛られた人間の悲哀が見えてくる。超難関の試験を通って高級官僚の座を射止めた者たちは、何を目指し、実際にはどう機能していたのか。長く続いた王朝が弱体化する中で、政治的な実力者(覇者的な存在)を支えた高官たち。その苦悩を見つめ、中国史における国家観に思いをめぐらせる。
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200809/thurseday.html

   
追記)北方健三さんって左右の目が大きく違っている。右目が大きく左目が潰れがち。漏れが昔興味をもった人相学的には父母との葛藤を暗示させる顔だった。