ふたつの改革

         
近代以降、純粋な保守(旧守)はありえない。
経済競争のためには変化する世界への適応=カイカクは必須である。
では何を守り何をカイカクしてゆくのか?
          
小泉改革に国民が期待したもの。
          
それは官僚制度カイカクである。要するに官僚のリストラだ。
             
郵政民営化とは「郵便局官僚の増殖を阻止し、特別勘定経由の無駄遣い構造を破壊する」、そう国民は理解して賛成した。じつはその限りでは漏れもカイカクに賛成だ。しかし、それなら官僚から取り上げられた国民貯蓄が国民経済に有効に還元される仕組みを示されたか?外資に貯金をのっとられない安全策はとられたか?それを小泉は意図的にサボタージュした。そのため最終的に国民貯蓄はアメリカに献上されたことになった。
         
国民が期待したのは官僚のリストラである。
ところが小泉が実行したのは国民のリストラだった。
         
日本における新自由主義の意味は、日本人を中国人と競争させるために労働条件を切り下げるということである。
          
イカクという言葉にはまったく異なる2つの意味がある。それを常に意識せよ。
官僚のリストラなのか?国民のリストラなのか?
詐欺師は必ず両者を混同するだろう。