「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦−乃木将軍は無能ではなかった−
- 作者: 別宮暖朗,兵頭二十八
- 出版社/メーカー: 並木書房
- 発売日: 2004/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まえまえから思っていた「乃木さんは悪くないお!(○`ε´○)!!」という説にますます確信がもてました。
しかしこの本、軍事オタ的知識が中心となってるうえに、別宮さんの文章があまりうまくなくて文意が追いにくい。
そのせいでなぜ司馬遼太郎が駄目なのかがすっきりとはわかりにくい。
これは編集者が駄目なんだろうなあ。もしうまく編集できたらベストセラーになったかもしれないのに。
追記)
しかしそれはそうと日本人はWWⅠの世界史的意義に疎い気がする。
その意味で別宮さんのHPの充実ぶりはすごい。
民間知性ここにありって感じ。
http://ww1.m78.com/
追記2)
朝鮮戦争で有名な人民解放軍の人海戦術だけど、あれってようするにWWⅠ以前の横隊突撃のことなんだってね。
つまりWWⅡでまともな軍隊の無かった中共は1950年代になっても19世紀の運用知識しかなかったというわけ。
そして、(イギリス観戦武漢イアン・ハミルトンは)乃木が当時のヨーロッパの主要な軍事論文を全て読了しているのに驚いたという。[略]司馬遼太郎は乃木が横文字も読めず、戦例も研究していないとみなしていた。[略]乃木はドイツ語に十分堪能であり、ドイツ語で日記をつけていた時期があった。[略]現在日本人は大日本帝国が崩壊した後、その存立のための死闘、日露戦争、そしてその決戦的勝利の旅順攻防戦の記憶を拭い去り、勝利した将軍の思い出を辱める。[p276-278]