衛星破壊とMD

 
これってさ、大昔の米ソ対決「スターウォーズvs衛星破壊ミサイル」の焼き直しだよね。
要するにMDを無力化させる能力がありますYO!と中国政府が宣言したわけだよね。
だったら自主国防よりMD協力と言ってきた親米保守の人たちはシュンとなるべきなんだけど、MDと絡めた社説が見あたらないのはどういうわけ?
それにしても中国も大胆に挑発するね。アメリカ様の商売を邪魔しちゃって大丈夫なのかしら??
 

【主張】衛星破壊 中国の真の意図を見抜け
  
中国政府がやっと弾道ミサイル人工衛星を破壊する実験を実施したことを記者会見で認めた。実験実施から10日もたっていた。なぜ公式確認がこんなに遅れたのか、何のために、こんな問題多い実験を強行したのか。軍事、安全保障にも重大な影響を与えるだけに、政府はこの間の事情と中国側の真の意図を早急に知る必要がある。
 
国際社会としては、中国への批判を強めるべきだ。乱暴な衛星破壊は、人類が共有する宇宙空間に危険な破片をまき散らし、宇宙の平和利用の願いへの重大な背信行為となったからだ。国連での非難決議にも値しよう。
 
公式発表の遅れから、胡錦濤国家主席ら中国指導部が実験の詳細を知らされていなかったとの推測が米政府内に広がったという。軍事委主席を兼ね、軍トップでもあるはずの胡主席が軍部を完全に掌握しているのかどうかも含め、再検証が必要だ。
 
それにしても、軍事に関する中国の不透明さは相変わらずだ。これでは中国がいくら軍事的脅威はないと叫んでも説得力はない。中国政府は今回の実験のあとも「宇宙の平和利用」を主張し続けたが、信じるものはいまい。むしろ、黒を白と強弁するその姿勢に不信感を強めることだろう。
 
中国は昨年9月の安倍晋三内閣発足を機に対日微笑外交に転じ、10月に訪中した安倍首相との間で、戦略的互恵関係づくりに合意した。しかし、今回の衛星破壊を含めた不透明な軍事拡大は、戦略的互恵の精神に反する。このままでは日本国民の間に、中国の微笑外交に惑わされるなという声が強まるのは遅くないだろう。
 
昨年の日中首脳会談後、与野党や政府幹部らによる中国訪問が相次いでいる。25日からは外務次官級による日中総合政策対話も予定されている。懸念される問題についても、正面から率直な意見交換を進めてほしい。
 
与党は今国会に、宇宙基本法案を提出する。これまでの研究開発中心から安全保障分野への活用も可能とする案だ。「宇宙戦争」の現実を見据えた適切な議論を期待したい。
 
宇宙での軍拡競争を防止するため、一部有名無実化している国連の「宇宙条約」(1967年発効)の見直しも必要となってこよう。
 
(2007/01/25 05:02)
  
URL:http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070125/shc070125001.htm