- 作者: ジョンエリス,John Ellis,越智道雄
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1993/04/01
- メディア: 単行本
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ずっと積ん読だった本を読み終えた。面白かった。
技術ネタには「○○が世界史を変えた!」という話は多いが、こいつは確かにそれだけのものだ。日本とも縁が深い。
そもそも『ラストサムライ』の映画の最後で槍弓や剣で武装したサムライを撃ち倒したのはガトリング砲であった。あのシーンは2重の意味で象徴的だ。
・最初に実用化された機関銃がまさにガトリング砲。
それは南北戦争のさなか1862年のことだった。
しかし実際にはそれほど使用されることなく終戦。(1865年)
(参考:動員兵力、北軍160万人+南軍90万人=250万人→死者60万人/総人口5000万人)
あまった中古兵器は後進国に売りつけた。→これがラストサムライの背景。
・機関銃は正規軍にはなかなか採用されず、植民地軍がアフリカで原住民をぶっ殺すのに活躍した。
明治維新〜西南戦争はその真っ最中の出来事。
つまりラストサムライは植民地(予定)に住む野蛮人を機関銃でアボーンという話なわけ。
・ではなぜ機関銃が正規軍に冷遇されたかというと、
植民地主義と一体である白人選民思想では戦争は人種の優劣を競う場であり、
そこではフェアプレー精神が大事なので、
機関銃のような卑怯な機械はNGと思われた・・・というのが真相らしい。
スポーツエリート主義と植民地主義もつながっているのね。
・この均衡を崩した最初の近代戦が日露戦争。
ここでは日露双方とも機関銃を大量導入。
(参考:動員兵力、日本軍100万人+ロシア軍???万人=???万人→死者日本軍12万人+ロシア軍12万人)
欧米各国の観戦武官はこの様子をみて報告した。それでも機関銃の導入はそれほど進まなかった!
・WWⅠが始まってなし崩し的に機関銃が普及。
戦争は一変し、欧州人は茫然自失!!
麗しい人類進化の夢が破れた瞬間であった。
因みによく乃木希典が愚将だとかいう司馬遼太郎に洗脳された馬鹿者がいるが、
12年後のWWⅠで欧州がはまった近代戦の悲惨さを世界で初めて経験したのが日露戦争。
後知恵で偉そうに批判するな!
・機関銃で膠着した前線対策として戦車が登場し、毒ガスがまかれ、飛行機に機関銃を載せた戦闘機が登場する。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~yon-yon/history/MG/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E9%96%A2%E9%8A%83