愛人

        

愛人 5 (ジェッツコミックス)

愛人 5 (ジェッツコミックス)

        
といってもマルグリット・デュラスじゃないのだ。
べたべたの純愛マンガなのだ。
しかも少年誌の(^_^;)
       
もともと今は亡くなった友人がくれたマンガ雑誌ヤングアニマル』に載っていたのをなんとなく読んで続きが気になって読み始めたのだった。
基本設定はSFだったし、僕の読んだ回は非常にSF的だったので、そういうものかと思って読み始めたら、ラブラブの話なので驚いた。でも面白くてやめられず、発刊されていた1〜4巻を取り寄せて一気に読んでしまった。涙ぐみながら。(笑)
ところがその後最終巻がでない。作者の田中ユタカさんが思い入れが強く、納得がいくまで最終巻を出せなくなったらしい。
で、ずっと気になっていたのだが、昨日作者のHPで昨年9月に出版されていたことを知った。そこで今日書店に行ったが・・・見つからない。でも恥ずかしくて店員に聞けない。で、スゴスゴ帰ってきたのだった。(涙)
いい歳こいて純愛マンガを買う勇気がない・・・フランス書院のほうがまだ平気なんだけどな・・・ああ、気になる。
           
●追記 2005.01.16
       
氷雨降るなか神保町の高岡書店で買ってそのまま近くの茶店で読んだ。
なんかちょっと拍子抜け。
結局アイもイクルも死んだけど二人の「コドモ」は育っていく、というところで終わっている。
生物兵器『呪い』の正体もよくわからないままだし、アイや呪い感染者がなるという「人の形をしているが決定的に違う何か」ってのもよく分からない。(人の形をして人と見分けが付かず直ぐに発症死亡するわけでもないなら、それって人間と何が違うの?)イクルにつきまとい死の瞬間まで誘惑しにくる『他者』というのもわからない。『他者』と『死神』と『アイ』の関係は?『呪い』は人間の進化?を望んだスウィックスの似非神様=キリトの陰謀?
ああ、結局俺はSF的設定が明確にならないとスッキリしないのだ。たぶんそれはラブラブ漫画家としての田中ユタカ先生の本意ではないのだろうが・・・
しかし、それにしても作者は38歳だ。妻も子もある中年男だ。それがこんな超純愛を描ける。羨ましいね。汚れちまった悲しみになすところもなく日は暮れる・・・