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カラテが米国でクールに見えるワケ 極真空手の猛者と対談、「『男なら泣くな』は通じない」
安西洋之,中林鉄太郎
2011年10月5日(水)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110926/222811/?mlt
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安西:それでは、一般的なところからお伺いします。空手と柔道で何が異なりますか?
後藤:柔道と違い、世界で統一の大会や団体がないことでしょう。数多くの流派があり、それぞれ稽古の体系や試合ルールが異なります。また町道場レベルが多く、空手人口の把握が困難です。世界で3千万とも6千万人とも言われるのですから。
安西:地域により組織の仕組みに違いはありますか?
後藤:日本で空手は武道です。流派ごとに組織、指導体系、大会が行われています。それがヨーロッパになるとスポーツとしての要素が強く、国からの認可の元に協会や連盟を作り、それをベースに活動しています。ただ、国はあくまでも空手としか見ていないので、流派に対する意識は低いようです。アメリカは国との関わりが一切ありません。そのため大きな組織はほとんどなく、大半は独立した町道場です。


NY道場では人種、年齢、性別を超えて稽古を行う
安西:どうして空手が海外で普及したのですか?

後藤:戦後、日本に駐留した米軍兵が空手を習って、米国内で広めたのがきっかけです。ヨーロッパへは1960年代以降に日本の空手指導員が海外へ派遣され、普及されていきました。

安西:だからヨーロッパは組織化が進んだのでしょうね。

米国の空手は精神面を重視
安西:米国の空手と日本の空手の間に、大きな違いとして何がありますか?

後藤:まず、強さに対する認識ですね。日本人は空手を習うことに対して肉体的な強さを求める傾向が強いです。特に極真空手の場合、「地上最強のカラテ」をキャッチフレーズにしていた時期があるので、肉体的強さへの追求や勝負に対するこだわりが強い。肉体的鍛練を通して、精神面も鍛えるという考えです。

安西:アメリカは?

後藤:銃社会なので誰が最強かという意識はほとんどありません。いくら肉体を鍛えたところで銃やナイフを持った相手に敵うわけはなく、肉体的強さの追求というよりも、どんな状況でも対応出来るような精神面に重きを置いている人が多いです。そのために肉体を鍛えることも大事という考えです。
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