労働市場は縮小し徒弟制度が残る

教育業界ではドイツの後進性とか封建遺制とか散々言われていたのに。。。
もっともユーロ安という下駄を脱いだらどうなるかわからんけどな。

深刻化する若年失業:取り残されて
2011.09.20(火)
The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/22934
(英エコノミスト誌 2011年9月10日号)
現在の若年失業がもたらしている災いは、今後何十年にもわたって、被害者である若者と社会全体の双方に影響し続けるだろう。
(略)
 欧州連合EU)加盟国では、25歳未満の労働人口の5人に1人が失業しており、南欧諸国で特に悲惨な状況になっている。

 米国では25歳未満の18%強が失業中で、この世代の15%を占める若い黒人層の失業率は31%に達し、高卒資格を持たない場合は44%にも上る(白人の場合は24%)。
(略)
 ほかにも、「フルネスト症候群(エンプティーネストシンドローム=空の巣症候群の反対)」などの社会的な影響がある。2008年には、欧州連合EU)加盟国の18〜34歳の層の46%が少なくとも1人の親と一緒に暮らしており、大半の国では、自宅を出た人よりも残った人の方が失業率が高かった。
(略)
 英国の16〜19歳の3分の1近くが労働市場では無価値かほぼ無価値の低レベルの職業訓練コースに通っているという。調査結果は、企業が主体の見習い訓練と組み合わせた制度でない限り、1〜2年かけてこの種のコースを終了することは生涯所得の減少につながることを示唆している。
(略)
 この点で多くの人から模範とされているドイツでは、雇用主の4社に1社は正式な見習い制度を提供しており、児童の3分の2近くが実習を行う。職業訓練学校の学生は2〜4年程度、企業の有給見習いパートタイム社員として週に3日前後働く。コストは企業と政府が折半し、訓練期間が終了する時に実習生が仕事に就くことが多い。

 9.5%というドイツの若年失業率は、EU内では最も低い部類に入る。オランダとオーストリアで行われている見習い式の制度も似たような結果を生んでいる。

 専門特化した製造業者を多数擁するドイツの輸出主導型経済は、特に見習いモデルに適しているのかもしれない。よりサービス主導型の経済国がこうしたモデルをどれほど容易に取り込めるかは定かでない。
(略)
 「こうした若者が必要としてるのは、マンツーマンで対応する対象を絞り込んだ制度だ」と、プリンス・トラストのディレクター、ポール・ブラウン氏は言う。「すべての若者を狙った政策は単に、最も困窮している若者を放置することになるだけだ」