岸博幸のクリエイティブ国富論
【第155回】 2011年9月16日
岸博幸
野田首相所信表明演説で改めて底が知れた 地味な官僚依存政権
http://diamond.jp/articles/-/14047
(略)
 おそらく所信表明演説の全文を読まれた方はそう多くないと思いますが、是非ご一読することをお勧めします。野田政権の限界がよく分かるからです。
 
 演説の最初の部分は、野田首相の人柄と演説のうまさを反映して、ある意味それなりにしっかりとした問題意識が提示されています。しかし、政策の具体論になると、途端に官僚的な“ダメな”表現が増えます。具体的にどうダメかと言うと、3種類くらいに分類されるのではないかと思います。
  
 第1は、官僚がやりたいことだけはしっかりと記述されているというものです。(略)
 第2は、官僚がやりたくないことはしっかりと骨抜きにされているというものです。(略)
 そして第3は、前政権で作られた既定路線を、間違っていても表現でごまかしてそのまま踏襲しようというものです。(略)
  
 このように所信表明演説を分析すると、結論として、野田政権は官僚依存政権になると言わざるを得ません。
 
 メディアは“どじょう”とか“地味だけど、、、”という言葉に触発されて新政権を評価しているようですが、その実態は“地味だけど官僚に依存して実務能力もない政権”となるでしょう。
 
 所信表明演説に対する野党の評価は正しいと言わざるを得ません。この政権にまともな改革や経済政策はとても期待できないのではないでしょうか。