財政・金融政策は円高、経済危機の特効薬ではない by 福田慎一

真正面からインタゲ派に立ち向かう大蔵族のホープ登場!

(にゃんこによるまとめ)
アメリカは大丈夫だ
・日本と欧州は同じように財政危機だ
・TPP推進
財政再建
・福祉削減
増税やむなし

福田慎一(ふくだ しんいち、1960年 - )は日本の経済学者。東京大学大学院経済学研究科教授。
人物:石川県金沢市出身。金沢大学附属高等学校東京大学経済学部を経てイエール大学Ph.D(経済学博士)。東京大学時代の指導教官は浜田宏一現イエール大教授、イエール大での指導教官はノリエル・ルビーニ現ニューヨーク大学教授。専門は金融論、国際金融論、マクロ経済学。主として複雑系経済学
華々しくマスメディアに乗ることは少ないが、日銀、内閣府、大蔵省、そして日本経済新聞社などから高い評価を得ている。[要検証]
著書『マクロ経済学・入門』(照山博司との共著)は国家一種経済職受験者用の代表的な参考書である。。[要検証]
(略)
wikiより)

ソブリン危機――歴史的難局の選択肢
【第11回】 2011年9月2日
財政・金融政策は円高、経済危機の特効薬ではない 日本が学ぶべき「欧州・アメリカ財政危機の教訓」

――東京大学大学院経済学研究科・福田慎一教授
http://diamond.jp/articles/-/13843
(略)
 日本の場合、財政赤字を膨らませ続け、金融も過度に緩和し続けてきた。もちろん政策としては、大きな間違いだと思わないが、肝心な実態経済の成長や生産性向上にまで流れが達しなかったことが、結果として現在の低迷を生んでいる。
(略)
 まず、真剣に取り組まなければならない政策の1つがTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)だ。現在、完全に棚上げ状態ではあるが、日本が躊躇している間に他国の貿易自由化は進み、2国間ないし地域間で協定を結ぶ貿易の自由化が、国際貿易における世界のスタンダードになりつつある。日本もそれに乗り遅れず、有利な貿易協定を結んでいくべきである。
 
 さらに財政再建にも取り組まねばならない。現在、議論は復興財源に集中しているが、復興に関する資金は多く見積もっても数年にわたって20兆円ほど。それに対して既に日本は1000兆円にものぼる財政赤字を抱えている。今後は、最大の歳出項目である社会保障費を中心に歳出面を考えていく必要がある。すなわち、日本が「高福祉高負担」、「中福祉中負担」、「低福祉低負担」のいずれを選択するか決断すべきだ。
 
 しかし現在の日本は、「高福祉低負担」という実現不可能な選択をして赤字を膨らませ続け、その負担を後の世代に転嫁している。これは決していいやり方ではない。社会保障の費用膨張を抑える意味で、中福祉中負担、あるいはもう少し福祉をカットせざるをえない状況にあると私自身は考えている。
(略)
 私は歳出カットでも対策は可能だと考えている。しかし、歳出カットを選べば、社会保障関係費を大幅に削減するという“覚悟”をこの国は持たねばならない。それが嫌ならば、増税しか道はない。
(略)