独仏原発対立

いや、漏れもドイツはずいぶん虫のいいこと言ってるなあと思っていたんだ。

時事深層
2011年6月7日(火)
“フクシマ”が生んだ対立の火種
ロンドン支局 大竹剛
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110603/220388/?P=1

(略)
 しかも、こうした脱原発国がフランスに依存する関係が、未来永劫、持続可能とは言い難い。CEAのビゴ長官は、「原発で作った電力を(フランスから)輸入する一方、自らは放射性廃棄物の管理などには責任を負わないという身勝手な話は、政治的に許されなくなるだろう」と警鐘を鳴らす。
 
 フランスは、高レベル放射性廃棄物の最終処分場も自国内に造ると決めている。原発事故のリスクに加え、放射性廃棄物を長期保管するリスクも、自ら背負う構えだ。ドイツなどの脱原発を目指す国が、原発を代替する発電手段を確保できないまま、リスクを負わずにフランスの原発に頼り続けたらどうなるか。フランス国民から不満の声が上がっても不思議ではない。
 
 もちろん、韓国や中国などと送電線網が接続されていない日本に、原発を巡って独仏間でくすぶる対立の構図を、そのまま当てはめることはできない。だが、逆に島国として孤立しているからこそ、独仏の不協和音は、日本に2つの覚悟を問いかけている。
 
 1つは、フランスのように最終処分場の確保も含め、原発にまつわるすべてのリスクを、この狭い島国で全国民が背負う覚悟があるのかどうか。そしてもう1つは、原発の依存度を下げるのならば、電力を安定供給できる代替手段の確保に向け、大胆なエネルギー政策の転換に踏み出せるのか。
(略)