建設国債でデフレ脱却!

増税派の目の上のタンコブ三橋さんの連載も最終回。
今目の前に喫緊の支出すべき商品=安全があるではないか、という話。
三橋さんも書いているように「また、土建屋と政治家の汚職が始まるだけだ」という感情的反発が最大ネックだろうな。
逆に官製利権排除の透明性確保の仕組みをうまく組み合わせた法案を作れれば突破口になるかも。

2011年5月30日(月)
あなたは「安全という商品」を十分に手に入れたか
復興そして成長へ、日本にはリソースが豊富にある
三橋貴明
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110526/220257/

(略)
「日本は成熟化し、我々日本人は、欲しい物はあらかた手に入れた。これ以上、経済成長するなどということは無理なのではないだろうか」(略)
「あなたは『安全という商品』を十分に手に入れたと思いますか」
(略)
 現時点で日本政府や民間が「国民の安全を守るために」投資することで、将来の日本国民に素晴らしい国土を残せる。長期金利が低迷し、建設会社の仕事が少ない「今」こそ、実施するべきなのだ。インフレ時、あるいは長期金利が高騰した時期に大々的に事業を行おうとすると、将来の日本国民に余計な負担を押し付けることになる。
 現在の日本国民が「安全」を手に入れるために投資をすることで、我々の子孫に感謝されるのみならず、現在の「需要不足=デフレ」という問題も解消できるのだ。何を、躊躇う必要があるのだろうか。
(略)
 日本は「復興税」などに頼らずとも、十分に復興の原資を確保し、かつ成長することができる。別に、難しいことをやれとは言わない。「普通に」国債を発行し、「普通に」財政出動を拡大すればいいだけの話だ。日本が「普通の」デフレ対策を実施し、名目GDPが成長路線に戻れば、税収が増え、数年で財政健全化が達成されることになるだろう。
 逆に、現時点で増税に走ると、97年の橋本政権同様に、「税収減」と「デフレ悪化」という、日本経済にとって最悪の事態を招き入れることになる。結果、政府の負債残高は増えざるを得ないため、またもや「財政健全化のための増税」を叫ぶ声が高まり、増税が実施され、デフレが悪化し、税収が減る、すなわち財政が悪化するという悪循環に嵌る。
(略)

追記)
ところで、ネット記事には賛否投票ができるので見ていて面白いのだが、今回はコメント欄が大荒れ(笑)
典型的な反対意見は「公共投資は「狐が通る道路」になり「政治家と官僚」が「利権」を吸うだけで国民には利益が無い」というもの。
誰も無駄な公共投資しろとか建設利権を復活させろなんて言っていないのにw
すごい思い込み。
(もっともケインズ的には無駄な公共投資でもいいんだけどね)
「GDPは幸福の指標にならないから無効」なんてすべての経済議論を終了させる書込みにはずっこけた。
日経BP読者のレベルもいろいろだ。
笑えたのは次の意見。
「そして国の赤字とは、その国民の財産を税金なり国債なりで没収することでしかファイナンスできないのだから、それならば国債というごまかしの先送りなどせずに今のうちに税金で払ってしまうべきだ」
三橋さん脱力(笑)
たぶんこの人も家計と国家財政の違いがわからないんだろうね。
「ローン分割払いなんかしないで、貯金してから現金で買い物しなさい」なんて感覚なんだろうね。