ラテン語と英仏語

原始的な社会が進化するとき必要な語彙は先行社会から借りてくることになる。
日本語の概念語は殆どが古代シナ語から来ているし、そのシナ語のかなりの部分は仏教経由の古代インド語から来ている。
経典宗教(キャノン)というのはだから大事なんだね。
逆に中国語の近代用語の殆どは日本語を経由していたりする。
古代文明というのはそうやって文化の下層を支えるのだ。
 
仏教はインド哲学の高邁な概念を東アジア全体に普及させた。
実は東アジアの概念語はだいたい仏教由来なのだ。
東南アジアだってそう、イスラム圏は事情が違うけど、基本概念語の8割くらいは仏教由来なんだ。
中国は経典宗教を受け入れる側で、道教が真似したけどダメだった。神道はその道教の更に真似w
因みに儒教というのは哲学というより統治思想なので代わりにはならない。
東アジアで高度な哲学が展開しなかった理由だろう。
廣松渉さんも結局依拠したのは仏教だった。
仏教の起源はオリエント。
すべての文明はメソポタミアに通ずると。
 
で、言うまでも無くラテン語ローマ帝国の共通語。
そしてイギリスもフランスもローマに支配された蛮地。ケルトガリアですな。
ただし、英語がフランス語に似ているのはフランスがイギリスを占領した影響のほうが大きいかも。

第66話:英語とフランス語の共通点
http://www.alc.co.jp/eng/vocab/etm-cl/etm_cl066.html
 
英語とフランス語は東京弁大阪弁くらい似ている
 
学生:このコラムのなかに毎回フランス語が出てくるようになりましたね。だいぶ慣れてきましたが、フランス語も勉強しないといけない、というマインド・コントロールにかけられているような気がします。
 
松澤:フランス語の授業をとっていなかったのですよね。実は、これからフランス語を学習しようとしている人たちが、フランス語をスムーズに学習できるようにしようという意図もあります。日本語と英語は大きく違いますが、英語とフランス語は兄弟のようなもので、およそ東京弁大阪弁くらいの差しかありません。日本人で英語が使いこなせるようになった人は、英語にかけた時間の10分の1の時間でフランス語をマスターすることができます。
 
学生:大阪弁東京弁もアクセントや語尾が違うだけで、同じ日本語だとわかりますよね。
 
松澤:英語の語彙の目標は2万語でした。2万語の語彙があれば、辞書を引かなくても英語を日本語に近いスピードで読むことができるようになります。リスニングも100パーセント聞き分けられるようになるための土台ができ上がります。
 
学生:英語学習では、寝転んでも洋画を楽に聞くことができて、ペーパーバックをスラスラと読めることが夢です。2万語の語彙でその夢がかなうのですね。語彙が足りないと、聞いたり読んだりしてもわからないですよね。
 
松澤:その夢をかなえるためにこのコラムを書いています。英単語の2万語の語源別分布では、ラテン語系(イタリック語派)の単語が70パーセントを超えて、80パーセント近くを占めます。2万語の英単語の語源別分布を図にすると、以下のようになります。

2万語の英単語の語源別分布
ゲルマン語:2 英仏共通語彙(ラテン語系):8

 フランス語の語彙も同様にして表すと以下のようになります。つまり、英語の核となるゲルマン語の部分をフランス語の核となる部分で置き換えるとフランス語ができ上がります。英語からフランス語への学習もこの特徴を最大限に利用すればよいのです。
学生:すごいですね! フランス語を学ぶときは、上図の左側にある小さな部分をフランス語に置き換えるだけでいいのですね。

フランス語の単語の語源別分布
フランス語:2 英仏共通語彙(ラテン語系):8

松澤:英語を学習するときには、このコラムの考え方のように、語源となるラテン語の単語に慣れくといいでしょう。そうすると、フランス語を学習するときには、ゲルマン語の部分に相当するフランス語を集中して学習すればよいのです。このフランス語の部分とは、約2000語の基本単語、基本構文、そして単語の変化形です。そして何よりも「発音」が重要です。つづりと発音の関係と英語にはない発音を徹底的に学ぶ必要があります。ラテン語系の英単語をフランス語的に発音できるようになれば、フランス人とカタコトの会話ができるようになります。
 
 英語とフランス語の共通語彙は全体の80パーセントを占めます。発音が異なるので違う単語のように聞こえますが、英語とフランス語の両方が発音できるようになると、両者は同じ単語であることがわかります。フランス語の発音はスペルに忠実ですので、英語よりも短期間で習得できますよ。英語の発音ができている人は、英語の無声子音が使えるので、母音を学習することですぐにフランス語の発音ができるようになります。
 
学生:語源の勉強をする前は、英語とフランス語はまったく違う言語だと思っていました。でも、この語源の解説を聞いているうちに、フランス語と英語の共通部分が非常に大きいということがわかるようになってきました。
 
松澤:ラテン語系の言語はみんな兄弟です。語彙はほとんど同じですが、少しずつ異なります。ラテン語系というのは、フランス語・イタリア語・スペイン語ポルトガル語などです。英語はグローバル・スタンダードになってきていますが、そのほかのラテン語系の言語は世界中に広く分布しています。
 
学生:スペイン語ポルトガル語が理解できれば、南アメリカのすべての国で会話ができるのですよね。フランス語はアフリカの多くの国で使われているし、カナダでも使えますよね。
 
松澤:英語を語源と結びつけて学習しておくと、将来ラテン語系の言語の学習が必要になったときに、極めて効率よく学習することができます。トロイの遺跡を発見したシュリーマンが多国語をマスターしたことは有名ですが、欧米人がラテン語系の言語をたくさんマスターできる理由は言語の類似性にあります。