3.11と9.11

2011年5月20日(金)
原子力政策を加速させるドイツ
「全廃」へと挙国一致でまっしぐら
熊谷徹
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110516/219996/
(略)
 しかし福島第1原発の事故は、その「常識」を覆した。ドイツ政府は「社会主義圏だからレベル7の事故が起きた」という言い訳は使えなくなった。彼らは「外部電源が完全にストップして冷却機能が失われれば、同様の事故は欧州でも起こりうる」ことを悟った。つまり様々な安全措置を講じても、完全に消し切れない「残余リスク(Restrisiko)」がこれまで考えられていたよりも大きく、欧州でも大災害が起こり得ることを理解したのである。
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 テューリンゲン州政府のクリスティーネ・リーバークネヒト首相(CDU)は、「2011年3月11日は、2001年9月11日と同じように、歴史の区切りとなる日付だ」と語る。多くのドイツ人が、いまこうした印象を抱いている。彼らにとって、福島第1原発の事故が起きた3・11は、米国の同時多発テロ並みのインパクトを持っていたのだ。
 また、連邦環境省のノルベルト・レットゲン大臣(CDU)は、「すでに原子力廃止については、社会の合意が出来上がっている。この政策に追随しない政党や企業は、恐竜のように絶滅するだろう」とまで述べている。
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