原発は全廃できる!切り札は「新火力発電」だ!

原発の旗手・広瀬隆が断言!
原発は全廃できる!切り札は「新火力発電」だ!
期待されている風力発電太陽光発電も完全な絵空事
(『フラッシュ』2011年5月10日・17日合併号p14-17)
 東日本大震災が起きた3月11日の午前中、ある法案が閣議決定した。「全量買取法案」と呼ばれるもので、簡単にいえば自然エネルギーで発電した電力をすべて電力会社に買い取らせるというもの。太陽光、風力、地熱発電などで作られた電力の買取を保証することで、再生可能な自然エネルギーを普及させるのが狙いだ。(略)それに異をとなえるのが作家の広瀬隆氏だ。広瀬氏といえば反原発の旗手だが、それでも自然エネルギー絵空事だと言う。
自然エネルギーはまだ総発電量の1㌫程度です。それを今からメインにするような悠長な時間はありません。電力消費は9割が産業用で家庭は1割。産業用の電力を天候に左右される発電に頼れますか。(略)でも、原発を止める方法があるんです。従来の火力発電をガスコンバインドサイクル方式の火力発電に切り替えればいい。天然ガスは最もクリーンだし、もっとも熱効率の高い発電なんです」
3割を新火力にすれば原発は全廃できる!
 ガスコンバインドサイクル発電は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたもので、いま世界中で脚光を浴びている新火力発電だ。まずガスを燃やして発電し、そこから出る高音の排気ガスで蒸気を発生させ、その蒸気で再度タービンを回す。”1粒で2度おいしい”方式。広瀬氏の試算によれば、日本の火力発電所の3割を変更するだけで原発を廃止できるのだという。
 たとえば日本一の火力発電所である東電・富津火力発電所には合計21基のガスコンバインドプラントが並び、ここだけで原発5基分にあたる 504万kWの発電出力を誇る。上の写真が、その要となるガスタービン部分だ。
 導入当初のガスコンバインド発電を見たとき、広瀬氏はあまりの素晴らしさに東電社員を褒めてしまったと語る。
「10年以上前に東電の横浜火力発電所で初めて見たんですが、本当にきれいですよ。小さな発電プラントがズラッと並んでいるだけで、スイッチを押せばすぐに発電が始まるんです。原発は起動しても最大出力に達するまでに何日もかかる。しかも、出力を変えると大事故を起こすので、夜中でも稼働させないとならない。原発ほどバカな装置はないですよ。一方、ガスコンバインドは原発の4分の1のコストで工期も数ヶ月。東京湾の火力発電所をガスコンバインドにすれば、なにも遠い福島や新潟に原発を作る必要はないんです」
 原発は7割の熱を捨てているので熱効率は30㌫。最新のコンバインドサイクルの熱効率は最大60㌫。熱効率では原発より2倍も上なのだ。
 ではなぜ原発を止めてガスコンバインドにしないのか。原発推進派や自然エネルギー信者たちが唱える二酸化炭素による地球温暖化説がその理由だ。(略)
太陽光発電原発1基分の100万kWを発電するのにどれだけのパネルが必要か。東京の山手線の内側と同じ面積が必要なんです。家庭の屋根とかビルの屋上なら賛成ですが、太陽光パネルを大きくすればするほど自然破壊になる。
 風力発電なんてもっとひどい。原発1基分の電力を作るのに、太陽光発電の5倍の土地が必要になります。山手線の内側の5倍の面積を風力発電機で埋めなきゃいけないんです」
出力は"暴風"が前提で実際に吹くと壊れる
 自然エネルギーのなかでも風力発電は最も地球環境にやさしいと思われがちだが、その実態は最悪だという。今年3月『風力発電不都合な真実』(アットワークス刊)を出版した歯科医師の武田恵世氏がこう語る。
 (略)「風力発電には『定格出力』という言葉があって、これは要するに『最高で最大のときの』出力のこと。信じがたいことに秒速12㍍以上の風、分類上の"暴風"が吹かないとその発電量が出せないんです。そんなのありえないですよ(笑)。だからいつ見ても風車は回ってないのに、故障だけは多い。原因は落雷とかいろいろ言われていますが、単に風の力に耐えきれないだけらしい。たまに回れば騒音がひどいし、ブレード(羽)の影がストロボのように目にチカチカする。鳥がブレードに当たるバードストライクで、付近の野鳥の生息数は20分の1に減少しました。しかも山を削る面積が大きく、自然破壊がひどい」
 武田氏が11年間の調査で下した結論は「日本で風力発電を推進してはならない」ということだった。
(略)
広瀬氏もこう指摘した。
「少女趣味みたいな自然エネルギーだの、みんなに嫌われる原子力だのはやめて、ガスコンバインド発電をドンドンやればいいんです」