被曝安全の目安、雨、水道のこと

要約すると、
 
 安全=1ミリシーベルト/年が目安≒0.1マイクロシーベルト/時
 
 雨の日は外に出ない
 水道水は当面やめてペットボトルの水を飲む(汚染地の話)洗濯・風呂はよい
 
ううむ、水は困るなあ。
すでにamazonでは在庫無しになってるし。どこも売り切れだよ。
ここで気になるのは報道のヨウ素とはどの同位体のことなのかということ。
131だったら半減期8日で東京なら来週には平常に戻るんだが・・・
 
それにしても妊婦を含めた安全サイドの基準が年間1ミリシーベルトというのは衝撃的な話だ。
というのもマスコミは「100ミリシーベルト/年なら安全」と繰り返してきたからで、100分の1になるからだ。
況んや決死隊の方々の250ミリシーベルトというのは平時基準値の100倍を超えるわけで、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
(作業員の被曝管理量は対外の直接線量で実際には半分程度というわけにはなってないのかな・・・)
 

原発 緊急情報(15)ご質問の多いことについて
http://takedanet.com/2011/03/15_0205.html
   
福島原発の状態は第3段階に入りましたので、緊急情報を少し止めようかと思ったのですが、ご質問が多いので、緊急情報として書きました。
福島原発の事故の第1段階は最初の頃水蒸気爆発が起こったりした時期で、変化は激しく、危険でした。
特に、その頃は放射線があまり原発から外へ出ていなかったので、東京電力は相当無理なことをして放射線が外に出ないように頑張るだろうと考えていました。
例えば、原子炉の中の圧力が上がった場合、圧力を低くすると、外部に放射線物質が漏れるので、東電の責任者はびびって、それができないと思う可能性があったのです。
そうすると、圧力が上がり原子炉が爆発する危険があると考えたからです。
ところが2号炉の格納容器が割れたために、発電所の中の放射線が一時400ミリシーベルトというものすごく大きな値なりました。これは良くないのですが、わたくしはこれを聞いて逆に安全になった、第2段階に入ったなと思いました。
というのは、東電の責任者が放射線を漏らしては行けないというプレッシャーから解放されるので、圧力容器が破裂する可能性が少なくなったからです。
そして、自衛隊が水を注入し始めた頃から第3段階に入ったと思います。すでに1号機から3号機は原子炉の中の燃料の問題、4号機は使用中の核燃料の貯蔵の問題になりました。
これらは水の補給がうまくいかなければ燃料が破損しますが、それには3、4日かかるでしょう。従って、行動する時間的余裕が出てきたということが言えます。
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このような状態の中で多くの人が心配されていることが3つ程あります。
  
一つは明日あたりから天候が悪くなって関東地方に雨が降る可能性があるということです。放射性物質が空気中にある場合に雨が降るとそれが地表に落ちてきて人体に付着します。
チェルノブイリ原発の時に、汚染地域がポツポツと飛び地になっていたのはこの雨の影響も大きかったわけです。
そこでわたくしは気象庁が出している雲の動きを調べてみましたら、もし明日関東地方に雨が降った場合、その雲は放射線の少ないところ(ほぼ安定して日本海)から来ますので、少なくとも東京、横浜、大宮、千葉については問題はありません。
福島県及び茨城県と栃木県の北部、宮城県の南部については、すでに空気中にある放射性物質が落下するので、できるだけ雨の降っている時には外に出ない方がいいと思います。
どうしても雨にぬれた場合、家に帰ってできるだけ早く洗濯して汚れをとってしまうことが大切です。洗濯をした水は若干の放射線物質がついていると思いますが、それが下水に流れるのは仕方がないと思います。
現在の段階では環境を汚すのはやむを得ないので、それよりも人体に直接、触れることを防ぐことが大事だと思います。
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第2に、政府やテレビは相変わらず時間当たりの放射線のことを言っていて、それとレントゲンとか飛行機の関係で「直ちには障害がでない」と言っています。しかし、もともと放射線は遺伝子に損傷を与えるもので、すぐには障害は出ません。
また、一般人の基準である1ミリシーベルト(これから先はシーベルトは省略します)を浴びても大丈夫だということを随分多くの人(政府、テレビ、専門家、一般の人がネットで)が書いています。
わたくしもどちらかと言えば個人的には放射線はもう少し高くても大丈夫ではないかと考えていますが、このような非常時では個人的な考えはあまり表に出すべきではなく、やはりいろいろな会議を経て決まった国の基準を守ることが大切だと思います。
でも、これほど「大丈夫」と強調されているので、少しデータを説明します.
 
女性で医療関係のお仕事をされているかたで放射線をうける人の場合、被曝限界をどのように考えるか長く議論されています。
いろいろな考えがありますが、最も標準的には女性で医療関係の放射線を浴びるような仕事をしている場合、1ミリを超えたら仕事をさせない方が良いというのがこの仕事の関係の専門家がおおむね合意してるところです。
従って、1年に1ミリから数ミリぐらいが良いのでしょう.
次に、東京からニューヨークまで飛行機で行くと、かなりの被曝をすると言われますが、これについては航空関係者の間で議論があります。
おおよそ一般人の基準の1ミリに比べて、その5倍の5ミリ程度がが妥当であると考えられています。5ミリというと、例えば1ヶ月あまり同じところで生活する人は、1時間当たりの放射線は5マイクロになります。
福島県の多くのところは、時間当たり5マイクロを越えてますから。航空機で仕事をする人の基準値を超えるということになります。
三番目はチェルノブイリの事件のときに、スウェーデンで妊婦の影響を調べた研究があります。
チェルノブイリの時に、スウェーデンで観測された一番高い放射線は1マイクロとでした。ですから日本で言えば、福島県はもとより、茨城県と栃木県の北、宮城県の南方がそれにあたります。今のところ東京、横浜、大宮、千葉は、1マイクロを下回っています。
テレビや政府は1マイクロでは全く健康に問題がない(すぐには障害がでない)と言っています。しかし注意しなければならないのは、テレビや政府は「短期間に障害が出ない」と言っていることです。
スウェーデンの論文を読むと、妊娠しているときに1マイクロの放射線を浴びた子供は、頭の発達が少し遅れ、特に数学の力が落ちたというふうに報告されています。
ただ、子供の体の方は健康だと報告されています。
わたくしはこの論文を紹介するかどうか少し迷いました。妊娠しているお母さんにしてみれば、生まれてくる子供の頭の発達が遅れるということはとても衝撃的なことだからです。
もちろん論文ですから先端的なことであり、あるいは間違いもあるかもしれません。論文を紹介しておいてやや無責任ですが、ヨーロッパの論文には少ない例で断定的な結論を導くものがあり、私はこの論文に否定的です.読者の先生からもご連絡がありましたが、日本の医学の知識でも論文の記述は疑わしいと言っておられました。
従って、この論文に記載されていることが事実であるか、少し保留させてください。実は妊婦についての影響はそれほどはっきりとしたレポートがないのです。その理由は妊婦が高い放射線のところでさらされることがないことと、放射線が低いところではかなり多数の例をとらないと学問的にはっきりしないからです。
 
総合的に見て、女性のレントゲンを取り扱う人、飛行機に乗る人、そして妊婦等の例を見ますと、日本の基準、つまり一般人が1年間に1ミリという被ばく量は、それ程極端に低いわけではないとも考えられます。
今後研究が続けば、もう少し高いレベルでも OK かもしれませんが、個人で勝手に判断して、1ミリは低すぎるとこの段階で言うのは危険です。
とりあえず1ミリを一つの目安とし、航空機の仕事をする人の5ミリぐらいをご参考になってそれぞれご判断いただきたいと思います。
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三番目は水道等の汚染です。
水道やその他の野菜が汚染されたという報告がありますが、これは当然のことです。すでに福島原発から遠く離れた福島市で20マイクロという放射線が報告されているわけですから放射能を持つ物質が広く拡散していることは間違いありません。
問題は程度の問題ですが、わたくしがもし家族に言うならば、飲み水はできるだけペットボトルで飲むこと、洗濯や掃除お風呂等は、水道を使っても問題がないと答えると思います。
また、野菜等は1日中、外にいるのですから、すでに7日間というと1時間あたり20ミクロンでも、3ミリを越えています.
すでに放射性物質が付着することが多いので、ある程度は洗わなければいけないと思います。野菜に付着している放射性物質のほうが水道に含まれているより多いと思われるからです.
水道や野菜については現在のところデータが少なく、この程度しか言えません。放射線というのはできるだけ少なくしておくというのが大切ですから。もしペットボトルを買おうお金があれば飲み水だけでもペットボトルにしておいたほうがいいのではないかと思います。
また放射性物質の中には煮沸すればのぞけるものもありますが、細菌と違うので原則としてはとれません。
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皆さんから多くのメールをいただき、本来は一人一人の事情が違いますから個別にお答えしたいのですが、現在のところブログを書くのが精一杯というのが正直なところです。
申しわけありませんが、しばらくできるだけブログを多く書くようにしますのでご参考になってください。また誤字脱字もご容赦ください。
平成23年3月19日 午後7時 執筆)

また責任逃れのいい加減な発表。
「代わりの飲用水がない場合は…差し支えない」なら基準値ってなんなの?
「飲んで良い」と「飲んではいけない」の間に「代わりがないなら飲んで良い」という新しい段階が作られた。
だいたいまたしても体内被曝と線被曝を混同して説明してるし。
役人というのは一度徹底して粛正しなきゃどうしょうもないな。
かといって民間大企業の役人的サラリーマン(民僚)じゃ同じことなんだけど。

放射性物質基準超えても飲用可 厚労省が見解通知(03/19 22:08)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/dogai/279663.html
 
 厚生労働省は19日、水道水に含まれる放射性物質の量が基準値を超えた場合について「飲用は控えるべきだが、代わりがない場合は飲んでも健康には差し支えない」とする見解をまとめ、各都道府県に通知した。
 通知は「基準値を超えるものは飲用を控えること」とする一方で「生活用水として利用するのは問題ない」「代わりの飲用水がない場合は飲んでも健康には差し支えない」とした。
 厚労省は「基準値ちょうどの放射性物質を含んだ水を1リットル飲んだ場合でも、東京からニューヨークに飛行機で移動した場合に浴びる放射線の影響よりはるかに少ない」と説明している。