なぜ中国は台湾に興味を失ったか

兵藤先生の短評を読む度に頭の濁りが澄んでいく気がしまつ。

MATTHEW PENNINGTON 記者による記事「China challenges US predominance in Asia-Pacific」。
 今回公表の official $91.5 billion budget は、米軍の四分の一である。
  
 ※いや、額面だけなら6分の1では? ペンタゴンのFY2012要求で5530億ドルでしょ?
 
 Cliff 氏とやらの分析によると、台湾から500マイル以内の大陸対岸地域には40〜50の航空基地があり、おのおの24機(1個スコードロン)を擁しているはずだ、と。
 
 ※まあ常識というものを働かせましょう。シナ軍に十分な数の輸送ヘリコプターがありさえすれば、艦艇を使った上陸作戦などしなくとも、あんな狭い海峡は簡単に超越できるわけです。瞬間的に航空優勢をとって、その隙にヘリコプターを送り込むだけでいい。だがシナ軍にはその能力はありません。国産のヘリのエンジンが劣悪すぎるのも理由のひとつですが、だったらロシアから買えばいいはず。国際線用旅客機をアメリカから数百機買う予算があれば、輸送ヘリはその数倍も買えますよね。なんでしないんですか? 要するに、北京は台湾を兵力で奪う気なんてないからです。全方位侵略政策は維持していますが、そのなかにあって、台湾の優先度は低い。理由は単純。台湾には有望な大油田が無いと分かったからです。彼らは日本帝国の大正時代の無策が何を結果したか、ちゃんと学んでいますよ。石油の出ないところにかまけて、侵略がいくら成功したって、中共の国体は護持できないんですよ。「渤海湾に巨大ガス田発見」(w)とかいう「大本営発表」を覚えてますか? 《第二の大慶油田を、死んでも探せ。それが得られるなら、外国と戦争になってもかまわん》という、中央からの指令が出ているんですよ。だから末端は競争で「戦果」や「努力」(尖閣で漁船をぶつけましたぜ!)を報告するのです。しかし中央は冷静に見ていて、有望な大油井が見込めるのは、ブルネイ沿岸か北樺太沖だけだと分かっています。そのどちらかの油田が得られない限り、中共王朝は「狂乱物価」で放伐される運命です。尤も、そのあとに成立する新王朝も、ぜったいに「自由民主主義政体」じゃない。たぶん袁世凱みたいなのが、また出るだけだ。地理が文化を決めます。シナ人も、永遠に同じことを繰り返すだけです。
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