2011年3月2日（水）
3月1日は韓国の独立運動「サムイルジョル」の日
新しい日韓交流100年の元年を目指す
趙章恩
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110301/218678/
毎年3月1日は「サムイルジョル」といって公休日である。1919年のこの日、韓国人は全国各地の市場や広場に集まって独立宣言文を朗読し、「民族自主独立万歳」を叫んだ。「日帝強占」を世界に知らせるとともに、韓国人は、日本による植民地支配を望んでいないことを世界に伝えるためだ。
万歳を叫ぶだけの非暴力運動であったが、被害は大きかった。当時の総督府の資料によると、3月1日を挟んで、全国各地で1542回もの集会が開かれ、約202万人が参加。死亡7509人、負傷1万5961人、投獄4万6948人という悲惨な結果となった。この独立運動は失敗に終わったが、その後本格的な独立運動が始まるきっかけとなった。
(略)
民族の壁を感じる記事だったのでメモ。
趙さんは穏健で客観的な筆致が好きなレポーターなのだが、歴史ヲタの漏れは引っかかった。
「全国各地で1542回もの集会が開かれ、約202万人が参加。死亡7509人、負傷1万5961人、投獄4万6948人という悲惨な結果となった。」というのは「当時の総督府」ではなく、活動家の「朴殷植」が主張した数字である。
この文は明らかに間違いだ。
日経を権威に思っているオヤジが勘違いするとうざいのでイヤな気分になった。
総督府の資料は以下のとおりである。
参加者 死者 負傷者
朴殷植『独立運動の血史』 ２０３万人 ７５０９人 １５９６１人
朝鮮総督府資料 １０６万人 ５６１人 １５６７人
この数字を事件を過小評価するために操作されたものだ、と言い張る研究者？がいるが、別に情宣用に用意した数字ではなく統治者として実態調査した内部資料でなんだから寧ろ正確に書いただろう。根拠のない言い掛かりである。だいたい日本の官僚は不利なものも含めてバカみたいに真面目に作業することには定評がある。(笑) 明らかな対外発表用数字は別にして漏れは信憑性は高いと考えている。それに裁判関係資料は大量に残されているが、こんなものは誤魔化しようも無く、誇張された被害者と比較すると明らかに違和感がある。
「３ヶ月間で５０万人が事件に関与、のべ１００万人、死傷２０００人、逮捕３万人、起訴１万人、有罪５千人」
というのが数字的に違和感がなく腑に落ちる。
ただし人口の３％が参加して死傷２０００人を出したというのはすごい事件ではある。
問題は事件の性格付けのほうにあると思う。
漏れは３．１事件というのは近代化反動と食料暴動のアマルガムと捉えている。
没落した旧李朝インテリ階級が１０年目にして反動に出た。
日本でも明治維新１０年目に旧士族の反乱が起こったし、そもそも世界的に近代化初期に没落した前代支配階級による反動が起こるのは通過儀礼といってもよいほどありふれた話だ。
また、１９１９年は世界不況の影響が一気に深刻化した年でもある。
前年すでに日本では米騒動が発生しているが参加者は１００万人であった。
参加した４５万人のかなりの部分は独立運動というより生活苦からの強奪目的であっただろう。裁判記録から窺える。
ただ「３．１事件の栄光」まで揺らいでしまうと韓国人のアイデンティティが崩壊する事情も分からなくも無い。
なので、漏れとしても明らかな間違い以外は指摘する気も無い。
しかしトンデモおじさんの「朴殷植」の主張をＷｉｋｉを初めネット上に垂れ流すのはいかがなものか。
はっきり言ってこの人明らかな当事者でアジテーターだ。
彼が想像ででっち上げた「関東大震災朝鮮人虐殺者数６０００人説」は完全否定されている。
なのに朝鮮韓国がらみだとタブーにして誰も指摘しないのはいただけない。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1152473606
韓国人によるものとしては
朴殷植『朝鮮独立運動の血史』が死者7,509人、負傷者15,961人（逮捕者46,948人）
鄭翰景『朝鮮事情』が死者7,645人、負傷45,562人
日本側の資料としては
『朝鮮騒擾事件道別統計表』が死者357人、負傷802人
また、朝鮮総督府は大正8年6月20日付統計として「死者553人、負傷者1409人」
と発表しています。
なお、三・一独立運動の期間は一般に３ヶ月とされており、上記の資料にある数字はその期間内の犠牲者として挙げられています。
この期間内に起きた最大の殺害事件は４月15日の「堤岩里事件」で死者は30人とされています。
「堤岩里事件」については繰り返しになるので書かない。どう考えても暴徒鎮圧ですが。
逮捕起訴者数
事件 ３２２０件
逮捕 ２８４４３人
書類送検 １９５２５人
起訴 ９４４１人
有罪判決 ５１５６人（うち懲役３年８０人）
「民族代表33人」
（天道教）
孫秉熙 首謀者 懲役３年
呉世昌 首謀者 懲役３年
権東鎮 首謀者 懲役３年
崔麟 首謀者 懲役３年
林礼煥
羅仁協
洪基兆
朴準承
梁漢黙
権秉悳
羅龍煥
李鍾勲
洪秉箕
李種一
金完圭
（キリスト教長老派）
李昇薫 首謀者 懲役３年
李明龍
朴熙道
李甲成
梁甸伯
吉善宙
劉如大
金秉祚
（キリスト教メソジスト派）
呉夏英
申錫九
鄭春洙
崔聖模
李弼柱
申洪植
金昌俊
朴東完
（仏教）
韓龍雲 臨済宗 首謀者 懲役３年
白龍城 曹渓宗
追記）
１９１０年の朝鮮の人口統計は１３００万人。漏れがあっても最大１５００万人程度だろう。
ところが３．１事件の参加者数について、韓国人ですら２００万人（参加１３％）と言ってるのに「１０００万人（参加６７％）」という大胆な記述を発見！
誰かが「言っている」のは事実かもしれないけどね(笑)
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/yougorekisi.htm
この運動を３・１独立（反日）運動または万歳事件と呼ぶが、運動は１９１９年３月下旬から４月下旬にかけて頂点に達する。これに対して日本軍が徹底的な弾圧政策を断行、そのため運動は暴動化し、朝鮮全土に拡大するところとなった。一連の運動の参加者は２００万とも１，０００万人ともいわれ、日本軍との衝突による朝鮮側の死者は実に７，６４５人におよんだ。
追記）
ところで、参加人数は兎も角、韓国人は司法的結末についてどう思っているのか不思議だ。
内乱罪は適用されず、首謀８名の懲役３年が最高刑。しかもかなりの部分が恩赦で短縮されて、その後も社会で活躍している。
現代に照らしても軽微な措置で「残酷な弾圧」とは程遠い。
矛盾しているとは思わないのかな？
