ウィキリークスが暴露!菅政権は米国が望んだ!

 
いまさらですけど、またひとつ傍証されましたね。
そして相変わらずマスゴミはスルーですね。(笑)
 

【特報】菅首相きょう外交の大方針発表 米国追従いよいよ鮮明に
東京新聞 2011年01月22日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011012002000085.html
 
菅直人首相はきょう二十日、異例の外交政策に絞った演説を行い、「外交の大方針」を表明する。
日米同盟を基軸としたアジア外交の新展開などが語られるとみられ、米国追従は、いよいよ鮮明となる。
普天間飛行場移設、TPP(環太平洋連携協定)などの諸問題を一気に乗り切る構えだが、米国のお墨付きを得て政権浮揚を図るつもりなら、それは国益にかなうといえるのか。 (鈴木伸幸、小国智宏)
 
「戦後最も親米的」とさえいわれる菅政権は、どのように誕生したのか。経緯は、昨年末に内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が公開した米外交公文書に垣間見ることができる。
昨年二月三日、ソウルでキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は韓国青瓦台(大統領府)の金星煥(キムソンファン)外交安保首席秘書官(現外交通商相)と面会した。
その会談内容について要約し、在韓米大使館から本国へ送られた公電に、こんな記載がある。
「両者(キャンベル、金)は、民主党自民党は『全く異なる』という認識で一致。
北朝鮮との交渉で民主党が米韓と協調する重要性も確認した。
また、金氏が北朝鮮が『複数のチャンネル』で民主党接触していることは明らかと説明。
キャンベル氏は、岡田克也外相と菅直人財務相と直接、話し合うことの重要性を指摘した」
 
この公電の意味を読み解くポイントは、米国が交渉の相手として当時の鳩山由紀夫首相ではなく、岡田、菅両氏を名指ししたことにある。
 
鳩山氏は、一昨年夏の総選挙前に、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題で「最低でも県外」と主張した。
政権交代後に交渉に乗り出したが、米政府が猛反発し鳩山政権は迷走を始める。公電が打たれたのは、そんな時期と重なる。
総選挙で自民党候補が全滅した沖縄では「県外移転」への期待感は高まるばかり。
その一方で、鳩山氏に対する米側の不信感は深まっていった。
ソウルでの会談から二カ月後には、米紙ワシントン・ポストのコラムで鳩山氏が「ルーピー(現実離れした人)」と呼ばれ、笑いものにされる。
同じ頃、民主党渡部恒三衆院副議長は講演で「普天間問題を解決できずに鳩山君が責任を取ったら、おそらく菅直人君が(首相に)なるでしょう」と発言した。
 
その言葉通りに、鳩山氏は急転直下で県外移転を断念し、六月に首相を辞任。
後継首相となった菅氏は「普天間飛行場を名護市辺野古沖に移転する」という日米共同声明を尊重する意向を示した。
その後もロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問や、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件が発生すると、「日米関係の冷却が、周辺事情に影響した」という北方、中国脅威論が幅を利かせるようになった。
結果として、鳩山氏が打ち出した「東アジア共同体構想」は、いつの間にやら忘れ去られた。
それは偶然の結末だったのだろうか。
 
元外務省国際情報局長で元防衛大学校教授の孫崎享さんは、ウィキリークスの公電が意味するのは、米国が鳩山首相(当時)と距離を置き、岡田、菅両氏を対話すべき相手と判断したということとする。
「米国が同意したその後の『鳩山首相降ろし、菅首相誕生』のシナリオにつながった」とみる。
 
キャンベル氏は金氏と会う前日の昨年二月二日、小沢一郎民主党幹事長(当時)と日本で会談している。
孫崎さんは「キャンベル氏は、その際、小沢−鳩山ラインは米国の防衛戦略に乗ってこないと判断した。
一つは在日米軍基地について米国側の意向に沿わない考え方をしていること、もう一つは対中国政策について、融和外交を進めようとしていたことだった」と指摘する。
  
代わった菅政権。孫崎さんは「米国にすべて丸投げしている」と批判。「普天間飛行場辺野古移転方針、日米共同統合演習の実施、在日米軍駐留経費(思いやり予算)の維持など、米国側の意向の通りの施策を進めている」。
だが、こうした「米国追従」は必ずしも安全保障にはつながらないというのが孫崎さんの意見だ。
 
「中国の軍事力は増大し、ミサイルの射程も延びている。もはや、軍事力に軍事力で対抗しようとしても効果はない」という。
「中国とは激しく対立するのではなく、融和する道を模索するのが現実的だ」とした。
 
東京財団上席研究員の渡部恒雄さんは「鳩山首相の方針がぶれたことが、米国の不信を招いた」とみる。
鳩山氏は、東アジア共同体構想と普天間飛行場沖縄県外移設を打ち出した。「あくまで日米同盟を基軸にするのか、それとも米国から距離を置くことを意味するのか。鳩山氏ははっきりしなかった。米国側は疑心暗鬼になったのではないか」
 
一方、岡田氏に対する米国側の信頼は厚い。「岡田さんは米国に言いたいことは言うが、日米同盟を損なうようなことまでは言わない。
米国側は、現実的な話ができる相手だと思っている。沖縄返還に関する密約問題を、日米関係に傷をつけずに処理したことについても米国は高く評価している」。
菅首相の周辺にも米国との関係で現実主義をとるスタッフが多いという。